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近況報告-ガムは飲みものではありません①

 ガムは、飲みものではない。そう父に言われたのは、家族で買い物に行ってフーセンガムを買った、帰り道でのことだった。
 僕の家では、ガムなど食べたこともない。一度も食べたことがないため、それほど「ガムを食べたい」と思うことがなく、結果生活にはなんの支障も無かった。
 そんな中、ある日フリースクールに行った際。Χαοσから「あげる」と言われてフーセンガムをもらった。それはマスカット味の、小さい4個入りの箱だった。ふと周りを見渡すと、Χαοσは他の人にも配っていて、emmanmoや龍角散も箱を片手に持ち、おもむろに開けて中身を口に含んでいる。
 過去によく見た「ドラえもん」などの漫画作品にも、ガムは良く登場する。そういった作品から「ガム」を知ってはいたが、食べたことがなかったために、それに対する憧れが積もりに積もって、若干迷いながらも衝動的にそれを手にとって口に放り込んだ。
 その味は「ハイチュウ」などと殆ど変わらず、同じように噛んで食べていた。が、何故かいつまでたっても小さくならない。そのうち味も無くなってきたので、噛んで丸めたところを水筒の水で胃に流し込んだ。
 と、そこまで話したとき。父の顔がゆがみ、小さく笑う声が聞こえてきた。
 

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