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マタギの湯②

温泉日記vol.2【打当温泉 マタギの湯】

(前回の続き)
「熊の爪」の鋭さと、血の滴る「熊の肉」に冷や汗をかきながら、「道の駅あに」を後にします。

川沿いに続く308号線を進むと、10分ほどでお目当ての『マタギの湯』に到着しました。

受付で入湯料を支払い、建物の中に入ります。当日は日曜日の午後でしたが、館内はとても静かです。もしかして、普段からあまり混まない所なのかもしれません。

脱衣所で服を脱ぎ、浴室に入ります。大きく取られた窓からは、日の光が降り注ぎ、目の前にはのどかな田園風景が広がっています。

そして、窓際の大きな湯船には、薄い褐色の温泉が、なみなみと注がれていました。

はやる気持ちを抑えながら、丁寧に頭と体を洗い、温泉の第一印象を口の中でゴモゴモと弄びます。

「この湯の色は○○温泉に似てるなぁ」とか、「湯船の大きさは○○温泉よりも大きいなぁ」とか。

この温泉に入る前のイントロダクションも、僕にとっては楽しい時間なのです。

体を清め、恒例の儀式も終えて、さっそく湯船に浸かります。

源泉が56℃もあるため、加水しているようですが、それでも結構熱めのお湯です。

お湯は近くで見ると、やや黄緑色に近い感じで、酸化した温泉成分が、茶色い湯の花になって遊んでいます。

よく見ると洗い場の床も、木の仕切り板なども、茶色く変色しています。

見ようによっては、少し汚いと感じる人もいるかもしれません。

たしかに女性受けもインスタ映えもしないとは思います。

しかし、その茶色い床は、温泉が持つ成分の強さを寡黙に、しかし、能弁に証明しているのです。

泉質は「ナトリウム・カルシウムー塩化物泉」
塩が入った温泉なので体の芯まで温まり、冷え性はもちろんのこと、特に婦人病にも効果があるそうです。

「露天風呂」は、建物の後ろを流れる川に向けて作られておりますので、これからの季節なら、心地よい風を感じながら、湯浴みが楽しめることでしょう。

阿仁町に用事の際は、ぜひ『マタギの湯』にお寄りください。

ちなみに、併設のレストランの利用客と宿泊客は、自家製のどぶろく『マタギの夢』を 味わうことが出来ます。

それは、ディープな阿仁町と同じように、ドロッと濃厚な味がするそうです。

(おわり)

【日帰り温泉データ】
○泉質…ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
○使用位置…42℃
○料金…600円。北秋田市民は450円。

(打当温泉 マタギの湯 ホームページ)

http://www.mataginosato.com/

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