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ただの気晴らしだったのかしら 番外編

運命のシートベルトで不倫男がわたしの世界から音もたてずに消えた後のこと。とある出会いのお陰で、見事に頂上から晴れやかな景色を見渡すことに成功したかもしれない、という話。

これまでの「シートベルトで気晴らし」トリロジーはこちらから。

ただの気晴らしだったのかしら Part 1

ただの気晴らしだったのかしら Part 2

ただの気晴らしだったのかしら Part 3

この出会いというのは、懲りずに続けていたマッチングapp経由でデートすることになったひと。

40代、アパレル専門商社勤めで海外勤務経験あり。インターナショナル風(その証拠にメッセージのやりとりから当日まで、わたしがどれだけ日本語のほうが得意だと主張しても英語でcontinueする強引g my way)

食事をしながらなんてことない話を(前半英語⇒後半日本語)しながら、二軒目へ行く流れに。タクシーで移動することに。この人は後部座席ではシートベルトをしないタイプ。なるほど。しかし、なにを思ったかタクシーが走り出した瞬間に手をつながれた(突然手をつなぐとか、シートベルトしてるのに不思議な行動に出るのとか、後から思うのは、これは不倫男に固有の明確なサイン。ところかまわず行動が性急)。

なんだかもやつきながら、二軒目に到着。もやつきが沸点に達したので「気晴らし」トリロジーをかいつまんで10秒くらいで説明すると「俺も伝えないといけないことある」とのこと。聞けば「俺もバツイチなんだ」と。この時点でなにかおかしいセンサー(普通の人より鈍め)が発動。誰も「気晴らしトリロジー」の「離婚した」という部分は否定していない。「離婚した」と言っていたのにしていなくて、完全に嘘をつかれていたことを責めたのにな。ということなのでアングルを変えて、お子さんはいるかを質問。すると「いる」との回答。これはなんだかデジャヴ感が増してきたぞ!とやや捜査官魂に火がついてきたので「離婚してませんよね?」と質問。すると

「Legallyにはね」

と、こんなところでも英語を散らしてくる男。しかしLとRの区別はできている。

あれ?これって??????

こんな偶然て。「気晴らし」トリロジーを話した人生の先輩には、シートベルト不倫男みたいな人に出会うのは1/1000くらいの確率だと言われたのに、それほど間をあけることなく続けざまに2/1000に出会ってしまうとは!!!引き寄せの法則ってこういうことを指すの?(たぶん違う)

全く予期しなかった念願のブレイクスルーをこんなタイミングで果たすことになるとは。

その後は怒りが増幅して「なんで結婚していて、子供もいるのにこういうことをするのか」等、怒涛の質問を繰り広げるが満足するような答えはひとつも得られず。なんと言ってよいかわからないほど時間の無駄。ちなみにこの怒涛の質問タイムから得られたわずかな情報は後日レポート予定。

しかし、この英語かぶれ不倫男から得られたことが唯一あるとすれば、シートベルト不倫男がそんなにスペシャルな存在でないことに気づかせてくれたこと。そして「成仏されない想い」を「怒り」変えてくれたこと。おかげさまで、山の頂上に一気に到達して晴れやかな景色を見渡すことができたような気がした。

それまで吹っ切るのが難しかったのは、彼のことをスペシャルだと思っていて、これぞ運命と思っていて、そんな彼がなにも言わずに突然去っていったという未練があったから。スペシャル感満載と思っていたシートベルトで不倫男が、たいして得るもののなかった英語かぶれ男と同列でhe was not so special after allと頭のなかで整理できたことがターニングポイントに。家族を大事にできない男は、知識、能力、脳みその差があろうと、大差ないんだ、と。

少しでも相手の気持ちを想像できて、相手のことを想うことができるひとなら、自分が人を傷つけたことでどれだけ恨みを買いうるかって考えると思うし、罪悪感で夜も眠れなくなりそうなものなのだけど、そんなことができる人だったらこうはならないな、とぐるぐる。

頂上には到達したものの、短い期間ながらも全力で気持ちを注いでいたエネルギーは経済的な価値とか、物理的な量とか目に見える指標では測れないし、傷の深さは一緒にいた時間に比例するものでもないな、と。ほんのり未練がましい気持ちは完全には消えないものだな。

頂上には登り切ったものの、まだ少し書かねばならぬことが残っているので、それはまた今度。


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