4年間バーチャルライバーを追っかけていたオタクがとある声優コンテンツの最後に立ち会って4年間のオタ活を振り返る

次世代声優育成コンテンツ「CUE!」が終わりを迎えた。そのコンテンツのことは頑なに「声優」コンテンツであると内心で言い続けてる。彼女たちやってきたことは傍から見たら声優アイドルと一緒なのかもしれないけど、私が見てきたパフォーマンスは確かにそこに「声優」が居たから。

2018年2月。キズナアイちゃんを筆頭とするVTuber四天王が注目を浴びるなかで活動を開始した「にじさんじ」は、今までの「配信者」の活動には無かった同期や先輩・後輩の関係性もあってあっという間にハマっていった。
2020年2月。にじさんじの全国ツアーで初めてのZeppライブ。初めてプレイガイドでチケットを購入して、初めてライブのために遠征して、初めての大きい会場でのライブ参加で、初めてライブでサイリウムを振ってと、オタクとしての初めてづくしのライブだった。ステージ上にあるのはでっかいモニターだけなのだけど、そこには確かにライバーが存在していたことに感動したのを今でも覚えている。
2021年10月。にじさんじ1期生初めての3Dライブが決定。アキくん推しだったので速攻で参戦を決めたしファンクラブ先行でチケットも取れた。SitRに比べてステージ上のモニターが精細になってたのもあって、開演すぐに全員が横並びで出たときは感動したな。
2022年7月。にじさんじライバー黛灰の活動終了。数多のライバーの活動終了を見てきたけど、にじさんじがにじさんじである限り黛は卒業しないと思っていたからショックは大きかった。同時に私の中の「にじさんじ」は終わったんだなって認めざるを得なかった。

2018年以前、アニラジのヘビーリスナーだった私はアニメと同じくらい、もしくはアニメ以上にラジオを聴いていて、いわゆる声オタ的な状態だった。アニメを見ても、キャラクターとは乖離した中の人が脳裏に浮かんでしまうし、アイドル系アニメのライブ映像を見ても、そこに立っているのは声優でしかなかった。そのような状態でコンテンツと向き合っていたからこそ、喋り手のパーソナリティがキャラの見た目に合致するVTuberというコンテンツにハマったんだと思う。

2022年4月。諸事情により友達からとCUE!3rd partyのチケットを譲ってもらう。そういえば現地で大きいライブ見るのも久しぶりだったなーとか、そういえばアイドル的なパフォーマンス(少なくとも当時はそう認識していた)を現地で見たことないなーとか、よくありそうな「友達に初めて布教されたときの感想」みたいなものを覚えたような気がする。
予習として過去のライブ映像を見たとき、このコンテンツは今まで見てきたコンテンツとは何かが違うかも?と漠然と感じた記憶がある。幕間も含めてキャラクターがステージに立っているという演出は、「声優が声優として歌っているように見えてしまう」雑念を薙ぎ払ってくれた。加えて楽曲自体も私の好みどストライクだったので単純に期待値が上がっていた。
2022年5月1日。ライブ当日。声は出せずとも立ってペンライトを振れるライブはかなり久しぶり。声出しがない分ちゃんとライブに集中できた気がした。公式サイトとライブ映像から直感で決めた推しの聡里さん、パフォーマンスの中でもダンスと笑顔が光っていた友達の推し、彼女たちのバックグラウンドを深く知らないからこそ、ステージに立つ16人のパフォーマンスに圧倒された。

2022年7月23日。CUE!が2022年11月のライブをもって事実上の終了となる旨を発表。すでに11月のライブは発表されていたが、連続2クールのアニメが終わってからの開催、しかもメインであったアプリゲームが休止している状態でのライブ。「なんだか終わっちゃいそう」みたいな話を友達ともしていたので悪い方向で予想が当たってしまった。最後にもう一度彼女たちのパフォーマンスを見たいという動機で参戦を決める(チケットはその友達にとってもらった)。
2022年10月22日。Moonのリーディングライブ。少しでもたくさんコンテンツに触れたい気持ちが半分、推すと決めたからには彼女たちの背景を知りたいという気持ちが半分で参加した。彼女たちの日常を見ることは出来たけど、同時にもっと知りたいという気持ちも高まった。
2022年11月。アニメ全話24話を視聴。アニメをちゃんと見るのが久しぶりだったものの飽きることなく全話見ることができた。16人全員にフォーカスを当てつつチームごとの関係性を描いていたのには素直に感心したし、終わりが迫っていることは分かっているのにこれからも彼女たちの物語が続いてほしいと願ってしまった。

2022年11月19日。最後のライブ当日。特典のポスター目当てでCDを買ったりした。いつでも音源は聴けるけど、推した証を手元に残したいと思ってしまった。
開場直前。キャスト全員のインタビューを読む。ハッとした。キャラクターたちのことを少しは知っているつもりになっていた。それだけでは足りない。キャラクターの成長、キャストの成長、それらが表裏一体となったコンテンツだったのだと。
ライブ本番。その瞬間思ったことは別のnoteで書いた。「16人のステージ」ではなく「32人のステージ」であるということを再認識できた。3rdのアニメ世界線から少し未来、キャラクターたちの日常はこれから続くということ。当たり前なのに受け入れられない現実を叩きつけられた気持ちになった。
ライブ終了後。アフタートークや、のじPやキャストのツイートに触れる。VTuberの卒業は、最後の配信が終わったら本人からの発信は0になるので、ライブ後に本人たちから感想が聞けるのはある意味で新鮮だった。後悔先に立たずとは言ったもので、ありきたりな言葉にはなるけど、もっと早くからCUE!に触れていたかったと思った。

明確な時期は覚えていないが、ストーリー物のゲームやアニメを意図的に避けるようになっていた。アニメはたくさん見てきたはずだけど、のめり込んで作品を見るようになるほど喪失感に近い読後感にしんどさを感じるようになったから。
CUE!の最後を見届けた後の喪失感はやはり大きいものだけれど、キャラクターたち16人はどこかで声優を続けるだろうし、キャストたち16人も声優を続けているから物語が終わるわけではないって勝手に自分を納得させている。

私は、時期によって「このコンテンツにハマっている」のが明確に変化しやすいタイプで、固定の「推し」みたいな存在もいない。いつの日かまた別のコンテンツにハマるだろう。それでも短い期間だったけどCUE!に出会えて良かったし、目の当たりにしてきたライブや感じてきた感動はきっと忘れることは無いと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?