人間の存在

人間には様々なタイプの人がいる。頭の回転が速い人、スポーツが得意な人、芸術に秀でている人、気配りができる人、何かに一生懸命に努力をする人…など、実に様々なタイプの人がいる。19人が殺害された相模原連続殺傷事件の被告は、「役に立たない''心失者''を排除したかった」ことが犯行の動機だと語った。被告の言う通り、役に立たない人間は存在するかもしれない。被告の言う役に立たない人間とは、障害のある方や高齢者など、国家の財政面において、他者からの援助を受けている方である。援助を受けることは''邪魔''であるから、殺害した、ということが、被告の言い分である。確かに、財政面において他者からの援助を受けている人々は、マイナス要素であり、プラス要素とは言えない。しかし、この世界に誰の援助も受けていない人間などいるのだろうか。みな、一人では生きることは出来ない。医師や看護師、助産師さんなどの手を借りて生まれ、親やその他機関によって育てられる。何をするにしても、一人では不可能だ。
被告は、「自分は役立たずだから、世の中に(財政面で)利益をもたらすために、役に立たない人々を殺害し、それによって役に立つ側にまわった」と考えているのかもしれないが、この事実を知った人々が、果たして「よくやった!」「よく殺してくれた!」と思うのだろうか。

私も、自分が役立たずで、この世に必要無いんじゃないかと思った時期が、だいぶ長い間あったけれど、死ぬ気はさらさら無かったし、人を殺そうなんて考えたことなど全くなかった。今は、他者に多大なる迷惑を掛けつつも自分にしか出来ないことがあると思っているから、それを行っている。私にとって、自分にしか出来ないことは芸術だ。文章を書き、音楽を奏で、絵を描く。それらが、誰かの救いになると信じている。一人でも、救われる誰かがいると確信している。

(故意の)殺人は絶対にしてはいけないことだ。それをすることで救われる人間などいないし、役に立つ側にまわることが出来る行為でも無い。役に立つ側にまわることが出来る行為は、誰か(の命)を救うことだ。
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