フラグメンツを忘れない

⚠️この記事は、作家・青海野 灰(@blueseafield)さんの小説『明けない夜のフラグメンツ あの日言えなかったさよならを、君に』の読了感想記事です。ネタバレを含みますので、また、本を読む前にこちらの記事を読んでしまっては非常に勿体無い(もう一度言います。非常に勿体無いです。)ので、未読の方はご注意ください。


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新年最初の読書は青海野 灰(@blueseafield)さんの『明けない夜のフラグメンツ あの日言えなかったさよならを、君に』でした。読了にあたり感想を書こうと思ったのですが、これは残しておいた方が良いと感じたため、twitter・instagramでの投稿の他に、noteにまとめることにしました。

⚠️以下区切り線より、青海野 灰(@blueseafield)さんの『明けない夜のフラグメンツ あの日言えなかったさよならを、君に』の読了感想を記載しています。ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

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ひとことで言うと、とても良かったです。本を介した邂逅は小説を愛する者としてとても好ましいアイデアですし、ロマンチックで素敵✨

小説上の物語には、いつか終わりが来る。作者がいる以上。終わって欲しくないと思っても、それが誰かに作られた物語である以上、終わらないことはない。でも、本を読むことによって、作られた物語を、幾千の読み手が、それぞれ自由に、幾千の続きを作り続けることが出来る。そのことが、この邂逅に示されている気がしました。
だから、この『明けない夜のフラグメンツ あの日言えなかったさよならを、君に』という小説が、最後のページに辿り着き、物語を終えても、我々読者がそれぞれに読了しても、我々読者がそれぞれに続きを作り続けることが出来る。
この後の燈は、翼くんは。一頁目よりも前の燈は、翼くんは。もしくは、まったく別の場所で。まったく別の時間で。まったく別の人物で。物語は読み手がいる限り、永遠に受け継がれるのだと思います。

中盤、燈が前への進み方を考えるきっかけになった、約束の丘での再会のシーン。〝死〟はとても悲しいことで、どうしようもなく悲しいこと。その悲しみの海に溺れている時に、一瞬でもまた出会える瞬間があると、それだけで、少しでも心は慰められる。絶対翼くんだ、間違いない。分かっているのに、心が震えて、その一瞬に辿り着いた時、とても嬉しくなりました。

終盤、読書ノートでのさよならと、約束の丘でのさよなら。そして、最後の翼くんからのメッセージと、2人が作り上げた絵本『明けない夜のフラグメンツ』で迎える朝。
クライマックスへの流れが、誠実で、切実で、丁寧で、この作者さんの力量に感嘆しました。この方は、すごい。自分のために書いている(*後述)からこその、産物。きっと私と作者さんの波長が、〝フラグメンツ〟だったからこそ、そう思えたんだと思います。

後書きよりも後ろに配置された絵本『明けない夜のフラグメンツ』は、本作の手助けとなるような立ち位置で、あたたかくて寂しくて、切なくて幸せな物語でした。
板垣 李光人(いたがき りひと)さんという俳優さんがいるんですけど、私ずっと、この方の下の名前を覚えられなくて、この絵本を読んで、ようやく覚えられました(苦笑)板垣さんのWikipediaにも書いてありましたが、名前の由来は絵本の白猫ちゃん🐈と同じ、リヒト(光)だそうです。何て素敵な名前✨!
めちゃくちゃこの小説の映像化が見たいので、その時はこの板垣李光人さんに翼くんを演じていただきたいです。ぶっちゃけ板垣さんの演技は見たことが無いので演技のタイプが合うかは分からないのですが、ネットで調べてみたところ、お顔立ちは結構翼くんの雰囲気に合っていそうなので。
アニメーションになった時は声が分からないので合うか分からないですが😅
板垣さんの名前の偶然のマッチングに乗じて、映像化を推しておきます!!(笑)ぜひ映像化を!!実写の方が良いかな?アニメでも良いけど!!ぜひ映像化を!!!
ともかく、後書きまで読んで満足感を得た後に絵本を出してくるのはずるいです(笑)あと、オセロやりたい!(作者さんと読了した方には何故なのか分かるかな?)

後書きで、作者さんが小説を書く理由について触れていたのですが、とても共感出来ました。確かに、その本を読んでもらった方に、少しでも光を、あかりを、感じ取ってもらえた方が良いですし、そのためにも、読んでもらう方のために書くのが一番だと思います。でも、私は、自分が書きたいから書く。読んでもらう方のために書くのではなく、自分のために書きたい。自己満足。後書きまで読んで、うやむやになっていた(していた)〝自分が本を書く理由〟を、許してもらった感じがしました。

最後に。新年最初の読書が、素敵な読書になりました。とても心に残るとても良い本でした。
ありがとうございました( ´ ▽ ` )


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