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【論文&レポート】3年次の国際移民論レポート ソウルミュージックに見るアメリカ文化変容のかたち

 今回のレポートは国際移民論という科目の課題。昨年の春に履修した。講義では、毎回課題に対する内容のまとめや、自身の考え等を書くことが必須。ヒーヒー言いながら作成したが、全講義分の課題はなんとか提出できた。今回は、アメリカにおける移民の現状についてのレポートである。

【課題】:多数派である英国系文化が社会の基盤であるアメリカで黒人文化がどのような影響を白人社会に与えるのかを考察せよ。

 1960年、アメリカ南部の地域では警察による黒人に対する暴力・不正への怒りが何年にもわたって続いてきた。そのような暴力・争いで溢れた苦難な時代を生き抜いてきた黒人たちは、リズムやファンク音楽の要素を発展させていった。当時、それまでメインストリームとなっていたメロディー重視の音楽テイストとは異なる、新しい側面を音楽に見出しリズム・ビートを重視するようになった。R&B(リズムアンドブルース)やゴスペルが融合したファンク音楽は黒人文化の一部になる。

 1970年代に突入すると、ファンク音楽の延長線でヒップホップが登場。

 時代の変遷とともに黒人の人々が生み出す音楽の形態も少しずつ変化するが、それに込められるメッセージは一貫しているように思える。白人好みの音楽のジャンル・メロディーを強制されて演奏するのではなく、『自分たちのありのままの姿を表現できる音楽をやりたい』という強い思いを黒人音楽家たちは抱いていた。それは実際に彼らは活動の中で、心からやりたい音楽の表現ができない苦悩を経験したから。音楽活動だけにとどまらず、そこここで横行していた人種差別に対して、『私たちを肌の色が違うというだけで差別しないで。ありのままの人格を受け入れてほしい』という怒りや悲しみ、様々な葛藤を抱えていただろう。人種差別、低所得下での生活、デモや暴力を経験した同じ黒人の仲間に寄り添おうとする音楽は、白人のリスナーにとっても心に響くものがあったに違いない。

―感想―

 私は今まで黒人音楽の内容、またその歴史にあまり関心を抱いてこなかった。しかし、講義で視聴したドキュメンタリー映像は大きなインパクトを与えてくれた。彼らが音楽活動をする上でも、自己のアイデンティティーは何なのかを模索し葛藤していた事実を知り、切ない気持ちになった。また彼らは、自由な音楽表現ができない経験もした。だからこそ、彼らが作り出した音楽には同じ苦しみや悲しみを味わったリスナーに寄り添う力があるのだと思った。

 字数:1022字

 ※大学で同様の科目を履修している方へ。剽窃(コピペ)はお止めください。参考程度に留めてください。※



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