見出し画像

思い出模型を更新する。

先日タミヤのブルムベア中期型を完成させた。後期型じゃなくて中期型。ミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM)の番号でいえばNo.77、ノーマルのIV号戦車H型のバリエーションキットとしては一番手のラインナップ。

コーティングだけは今風にローラーを使ってるけどね。

中期型ならドラゴンなどの他メーカーのものが既に発売されており、寸法的に正しいものが欲しければそちらを選べばよい。このキットはモーターライズのIV号戦車のキットのバリエーションのため、寸法にアレンジが入っている。当初は新IV号とのミキシングも考えていたが、本末転倒というか「そうじゃないだろう」という気持ちになり、ツィンメリットコーティングをエポキシパテ+コーティングローラーで再現した以外はほぼ素組だ。シュルツェンを装備する事で転輪の厚みやダンパー、燃料注入ハッチなどから目を逸らす事が出来る事に気付いたのは勝利への近道だった。

何年に渡って保管してたんだったか。

実は以前にブルムベア中期型はトライしている。既に新しいタミヤ製IV号戦車が出たあとだからそこまで大昔の話ではないし、ダンパーがグレーのパーツなのでドラゴンのキットから流用している(ジャンクパーツ市で入手した記憶)。
思い起こせばモデルアート誌別冊にて山田卓司さんがこのブルムベアと新Ⅳ号との合体作例を担当しており、それの真似をしようとしつつ車体幅の修正が大変そうだったからシャシーを切り貼りして厚みを調整して…なんて事を行っていた。どっちが大工事なのか今となっては悩むところだ。

若さだね

コーティングもすでにコーティングブレードが発売されているからラッカーパテとブレードを使って再現しており、まあそれなりに旧作と新技術のハイブリッド感はある感じもする。が、途中で力尽きていつか再開しようと恐らく20年以上寝かしてきた。実家にいる頃に作り始めているからそれくらいは経っているはずだ。とうとうコレに決着をつける事が出来たわけだ。

ここ最近、タミヤのセンチュリオンや88㎜ Flak36などの「古いけどトライしてみたかったキット」の制作を続けているが、このブルムベアや数年前に完成させた旧IV号戦車H型なんかはちょっと完成させた時の気持ちが違う。

旧IV号合わせ。そいやヴィルベルヴィントも完成品あるんだったか。

これらは若い自分がトライしたものの、技術的に完成に至らなかったり、変に考証に拘って手を加えすぎて完成しなかったりした過去の負の遺産なのだ。いや、負の遺産は言い過ぎかもしれないが、やっぱりどこかしら決着を付けたかったアイテムであるのには違いない。ハチハチなんかは「あの伝説的キットは作っておくべきだろう」という制作動機なんだよね。それとはちょっと違う。

このジャンボもそうだけど、こっちは我慢できずに手を加えちゃったね。

勿論当初の予定のように新IV号と組みあわせて最新版っぽく仕上げるのもオツなものだとは思うが、前述したように「すでに他メーカーから最新版が出ている」のなら無理して手間暇かけて作る事もないだろうという考えもある。上のジャンボはそれをやっちゃったんだけどね。そうしたい時もあるのだと思っていただければ。

なんでこんなこと書いてるのかというと、件の作りかけのブルムベアを破棄した。実家から数度の引っ越しに生き残ってきた作りかけのブルムベアだったが、さすがにここらでお別れする事にした。若干もったいない気もするが、今後これを完成させることはないだろうし、思い出としてずっと持っておいてもなあという気持ちにもなる。あの頃は良かったというのとはちょっと違うが、完成まで至らなかった過去の自分に対していつまでも感傷的になっていても仕方がない。新しく作る事が出来たのなら模型的思い出は更新してしまえばいいのだという気持ちだ。なんならまだまだそんなキットはゴマンとある。それらにトライして、ドシドシと完成させていきたいところである。■

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?