軌道途絶え

母が家族のラインに死ぬのが怖いですと送ってきた。
父はそれに私よりは長生きですよと返していた。

今日も出会い系の人にすれ違った気がした、目が合って、その人とは一度も会ったことないのだけれど、いくらかメッセージを送りあったことのある人だった。新宿駅の近くで、しかし自分がくだらない欠落感を埋めるために見ず知らずの人を利用しているのを、彼は罰するように幸福に満ちた瞳で見つめるので、私はすぐに地面に敷き詰められたタイルに視線を落として、ゆっくり踊るみたいに歩く。

「みんなは知らないっていうけど、本当に私には恋愛感情がないのかもしれないって思いますよ」とバイトの後輩の女の子が言っていて、本当にその通りだと思う。バレンタインできちんと愛情を私たちにも表明してくれるカップルを見ていると、怖くなる。

眠る前、ホロホロと砕ける甘い薬を飲んで眠るのですが、起きる前にそんなに仲が良かったわけでもない大学時代の友人が夢に出てきた。私は暗いビルを彷徨っていた。

体はもう壊れ始めていると言っても過言ではないのに、心だけが永遠を目指す軌道を描いている。ずっと同じことで悩んでいるが、どこかで解決してふと顔を上げるみたいに視界は開けるのだろうか。

#日記

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