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アメリカの大学で教えてみないか(14):娯楽について

仕事の話もいいけど、今回は娯楽について書いてみます。自由な時間(結構いっぱいあるw)に何をしてるかって話ですね。

ご存知の方も多いと思いますが、アメリカでは車のライセンスプレートが州ごとに管理されてて、デザインや色も違います。ルイジアナのそれには「Sportsman's Paradise(スポーツマンのパラダイス)」って印刷してあります。ここからどんな「スポーツ」を連想します?

テニスやゴルフやサッカーだと思ったら大間違い。ここで言うSportsman(男性名詞で申し訳ない)ってのはなんと「狩猟と釣り」に限定されます。つまり、ルイジアナは海に面した魚釣りのメッカで、さらには狩猟も盛んなんです。

僕は狩猟、つまりハンティングはしませんが、鹿や鴨を狙ってシーズンの休日ごとに出かける人も結構います。珍しいところでは七面鳥、イノシシ(イノブタ?)、りす(スープになる)、うさぎ、わになんかもハンティングの対象になります。

僕はもっぱら釣りです。見出し画像は何年か前に行った釣行の成果です。海釣りですけど、内湾なので、自分で小さい船を持ってる人もたくさんいます。僕は船の維持が面倒なのとコストの問題で(つまり高いんだわ)、年に1、2度、船長を雇ってチャーターで行きます。

見出し画像でわかるように釣り人は4人まで、船長を入れて5人でリミットいっぱいまで釣れることもあります。普段一番よく釣れるのは写真中段のRed Fish(「にべもない」の「にべ」です。似た魚が九州の沿岸にいます)で、これのリミットが一人5匹。ただし、27インチ(68cm)以上のもの(Bull Red=ブルレッド)は一人1匹まで。写真では小さく見えますが、右端のでも最低ラインの16インチ(40cm)をクリアしてるので、この時はブルレッドの5匹リミット(1匹x5人)に引っかかって、大きいのは放流した記憶があります。

この時は上段と下段のBlack Drum(日本にはいないけど、red fishの近縁種です)がよく釣れました。これも16インチ以上、1人5匹がリミットで、この時はほぼ達成しました。

左下に見えてる黄色いのはSheepsheadって言って、日本の石鯛に似てます。これは大きさも数も無制限なので、一度など友人の船で行ったら入れ食いで100匹を軽く越えたことがありました。後処理が大変でした。小さいのを選んで尾頭付きにします。

この船長は狙わないんですが、もう少し小さい、Speckled Troutっていう、ちょっとマスに似た魚もいて、これは12インチ以上で一人25匹(!)がリミットです。

ブルレッドがあたると迫力がありますが、水深1mくらいの浅いところなので、潜っていくことができません。横に走るだけなので、だいたい5分以内で取り込めます。途中でジャンプしたり、綺麗な魚なので、釣っていて気持ちがいいです。

さて、釣ったら当然食べます。船長が背中を2枚、腹身を2枚、中骨に分けてくれます。くせのない白身なので、刺身、カルパッチョ、昆布締め、中華風蒸し物、ムニエル、唐揚げ、塩焼き、鍋物、なんでも使えます。下処理をして干物(主に腹身)、粕漬け、そして極め付けがさつま揚げ。

これだけ釣れると中骨からスプーンでこそげ取った「中落ち」だけで2、3kgになります。これを洗って卵白、酒、塩、砂糖と一緒にフードプロセッサーにかけ、小麦粉で固さを調節して、素揚げすれば、美味しいさつま揚げの出来上がり。紅生姜、青のり、桜エビ、野菜などを加えてバリエーションを加えます。釣りも楽しいんですが、その後の「余禄」も楽しめます。日本と違って「中食」がないので、自分で作るんですね。

狩猟、釣りと並んで地元の人たちが目の色を変えるのが、秋から冬のフットボール。僕が教えてるルイジアナ州立大学は強豪なので、みんなその話題。これは以前に詳しく書いたので、ここでは繰り返しません。

二人の子どもが小さい時はフロリダかその手前のアラバマの海岸までのんびりしに行ってました。これはここでちょっと書きました。海岸では海水浴もできるし、周りにいる魚を竿で釣ることもできます。ほとんど毎回、イルカも姿を現します。

細長い半島の反対側、内湾にはワタリガニがたくさんいるので、カゴで獲って、大きいのは茹でて食べます。家から車で4時間はアメリカだと全然ロングドライブのうちには入りません。

ルイジアナは深南部ですが、実はスキーにも車で行けます。ニューメキシコ州にあるロッキー山脈最南端のRed Riverっていう小さいスキー場に毎年行ってました。サンタフェの北ですね。今は道が良くなったので、片道16時間くらいでしょうか。1泊すれば楽勝、2、3人運転手がいたら直行しちゃうこともあります。

そこからさらに3時間くらいでコロラドの有名なスキー場のどこにでも行けちゃうんですが、そうなるとロッジが高くなります。とにかく渋滞ってのがほとんどないので、馬鹿広いアメリカでも1日走ると相当に距離を稼げます。高速は基本無料なので、ガソリン代だけで行けちゃうし。

ルイジアナとその周りの州だけの娯楽に「マルディグラ」があります。アメリカ最大のお祭りですが、リオのカーニバルと同じ起源で、時期も全く一緒です。ここにちょっと書いてますが、2、3週間にわたって週末を中心に、いろんなところで断続的にパレードがあります。

ここで投げてくれるビーズを取り合います。まあ、年に2つか3つのパレードに行けば十分満喫できます。

(これはバトンルージュのちょっとしょぼいパレード。この日は雨だったのでガラガラでした。右下の戦利品、すごいでしょw)

あとは娯楽って言えばクラシックのコンサートに行ったり、テニスやったり(無料のコートはガラガラです)、学会や講演で旅行に行ったり、ハワイに住んでる長男とデンバーに住んでる次男を訪ねて行ったり、くらいでしょうか。

好きな人は庭いじりしたり、家庭菜園を作ったりも簡単にできます。何しろ土地はタダ同然。鶏を飼って、新鮮な卵を毎日食べてる人もいます。

正直、演劇や映画、音楽、料理など、文化的な刺激は東京には敵いません。僕は東京に年に2ヶ月半滞在して、そちらの方面を「充電」します。ただ、「住めば都」とは良く言ったもので、アメリカの田舎にはそれなりの楽しさがある、っていうところでしょうか。

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人とは違う視点からの景色を提供できたら、って思ってます。