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#2-2どうやって「氷艶〜月光かりの如く〜」という異種格闘技を演出したのか? 〜スタッフ編〜

*注意:この先は、間違いなくネタバレです。今後放送がありますので (2019年9月1日)、まだ観てない方、観た方でも幻想を崩されたくない方、ネタバレ嫌いな方はご遠慮ください。ただ、見る前に読んでも、なぜそういった表現をしたかわかり、より深い感動となるはずです。

氷上という制限の多さと困難。 〜美術 セットデザイン〜

メトでの源氏物語の展示(2019年4月)。


ニューヨークでの発見が大きかったな

「突然、なんですか? 超日本的な作品なのに?」

実は別件でニューヨークに行ったとき、ちょうどメトロポリタン美術館で『THE TALE OF GENJI』という源氏物語のエキジビションをやってたんだ。違う国から見る客観的視点って、それのどこが他と違う特徴があるかが明確で、面白いときがあるんだ。    

特に御簾(みす)が何枚も展示されててね。その神秘性、距離感にハマったよ。近づきたくても近づけず、触れたくても触れられない美。御簾の向こうに見える藤壺と光源氏がお互いを思いながら、御簾によって益々会いたい感情が高まってしまう、これぞ源氏物語の萌え感だと。だから、藤壺の部屋の4面に御簾を張り、観客にも同じような感覚を味わって欲しかった。

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