見出し画像

長母音ってなんぞ? 日本の学校が教えない英会話術⑨

昔、学生時代に物理化学の授業で

エントロピー(Entropy)の本来の発音は語尾は伸ばさない!

だから「エントロピ」と発音するのが正しい!

って力説してた先生がいて

当時は「クソどうでもいいことでアツくなってるな」と思ってたんですが

今にして思えば


ほんまにどうでもいい


というか、以前のエントリから何度も言ってますが、英語は母音の発音の長短で区別しないですからね。

1. 長母音と短母音

ちなみに皆さん、聞いたことあるかどうかわかりませんが

英語には「長母音(long vowel)」「短母音(short vowel)」というのがあります。

一見、名前をみると「長いか短いかの違い」みたいに見えますが、発音の長さ(拍)は一切関係ありません。

例えば、母音「A」の長母音発音は「エイ」、短母音発音は「エァ」というように、A・E・I・O・Uの5個の母音にそれぞれ2種類の発音がある、というだけです。

ほんまに長さは関係なくて

「Rich」の「i」は短母音「イェ」で発音しますが、これを伸ばして

イェー」って発音したとしても意味は変わりません。

一方で「Reach」は「e」の長母音「イー」で発音しますが、これを短く

」って発音してもやはり意味は同じです。

「i」は短母音「イェ」と「e」の長母音「イー」は長さ云々ではなく、根本的に発音が違うのです。

なので、発音する長さによって「Rich」と「Reach」の意味がひっくり返ったりはしません。


ということで、短母音と長母音の表を以下に掲載しときます。

「A・E・I・O・U」の5個に加えて、「OO」も二種類の発音があるので載せときます。

2. 二重母音

「長母音」「短母音」とは別に「二重母音(diphthong)」という概念があります。

例えば「a」の長母音は「エイ」と発音しますが、このように二種類の発音がくっついた母音を二重母音といいます。

「I」の長母音「アイ」と「O」の長母音「オウ」も二重母音です。

これらの他に「OI」で「オイ」、「OU」で「アウ」と発音する組み合わせがあるのですが、これらも二重母音です。

これは音節としては1つとして数えます。

これらの発音については難しく考える必要はありません。

切らずに続けて発音するだけです。

発音も、すべて片仮名通りの発音で大丈夫です。

日本語の癖で「エイ」を「エー」、「オウ」を「オー」と発音しないという点にだけ注意してください。

二重母音ももちろん、長さは関係ありませんが、伸ばす場合は後ろではなく、前の音を伸ばしてください。

「アイ」は「アイー」ではなく、「アーイ」です。

お笑い芸人の厚切りジェイソンを思い出してもらえればわかりやすいです。

WHYYYYYYY! 」と書いて「ワァーーーイ!」です。

いくら伸ばそうが、これで1音節。

3. 綴りと違う発音

英語の発音を勉強する上で、おそらく世界中の人がムカついているポイントとして、英単語はしばしば「綴りと発音が一致しない」ことがあげられます。

例えば「What」。

「What」の「a」の発音は、短母音の「A」でも長母音の「A」でもありません。

短母音の「O」の発音です。

普通に考えて「マジふざけんなよ!」と思いますよね。

でもね、実はこれとほぼ同じ状況が日本語にもあります。

「こんにちは」の「は」の発音は「わ」ですよね。

「おうさま」の「う」の発音は「お」ですよね。

これと同じだと思って諦めて覚えてください。


実はちょっとした傾向があります。

「You」の「ou」の発音は二重母音「アウ」ではなく、「OO」の長母音「ウー」。

「Son」の「o」の発音は「U」の短母音「ォア」。

こういう変な発音の単語は、英語学習の序盤に習う頻出単語ほどよく出てきます。

つまり、おそらくは長い歴史の中で発音が変化してしまったと考えられます。

頻出単語ほど発音に注意!

実は単語全体で見ればごく少数なので、英語学習の序盤を乗り切れば、後はほぼ綴り通りの発音の単語しか出てきません。

4. あいまい母音

最後に「あいまい母音」について。

2音節以上の英単語では、アクセントが乗る母音と乗らない母音にわかれます。

この「アクセントの乗らない母音」の発音は、多くの場合「あいまい母音」といって、本来の発音ではない音になります。

発音記号「ə」で表され、前後の子音によっても発音が変わります。

「なんかややこしいこと言い出したぞ」と思うかもしれませんが、安心してください。

あいまい母音は全部「U」の短母音です。

全部「U」の短母音で発音すれば100%通じるので安心してください。

アクセントが乗らない部分の母音の発音なんて、多少違っても聞き手は気にしません。


今日のまとめ。

①長母音と短母音は音の長短での区別ではなく、そもそもの発音が違うだけ。

②二重母音は片仮名発音で大丈夫。

③あいまい母音は「U」の短母音。

以上です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?