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監督が自腹を切ってチケットを配布することについて考える

8/3(土)の上尾市民球場で開催されるルートインBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズ対栃木ゴールデンブレーブス戦、Twitterで驚愕な企画が発表されました。

埼玉武蔵の監督である角晃多氏が自腹でチケットを一万枚購入し、合い言葉(むさし)を関係者に伝えれば当日チケットが貰えるという「角監督からの奢り企画」です。一見「これってパ・リーグでよくあったタダ券ばらまき」ではないか?とも考えられましたが、球団からの発表は全く無いことからガチでチケットを監督が購入したと考えられます…この企画は埼玉武蔵の応援団やファンだけではなく、他のライバルチームの関係者やBCリーグ運営本部の方にも拡散され話題になっています。
目標:3000人動員とありますが、埼玉武蔵の過去最高動員数は1200人でその倍以上の動員を目標にしています。このような手法は今まで前例が無いので、当日の目標達成するか結果が気になるところです。

この企画を知り「何故、監督がチケットを買ってまで観客を呼ぼうとするの?」「監督の仕事はチームを勝利へ導くため選手を育て、試合では指揮官として戦術の指示を与えるのが本来の仕事なのに?」「観客動員を増やそうと、ましてや自腹でチケットを買ってまでお客さんを呼ぼうなんて…お客さん集客に対する仕事は球団広報の仕事ではないか?」と普通なら思われるでしょう。
でも私は埼玉武蔵が誕生した2015年からチームや角監督を見ているので、今回の企画に監督の並々ならぬ思いが籠められているな…と感じています。

埼玉武蔵ヒートベアーズはどんなチームなのか?をとある埼玉武蔵ファンが自虐的に言った表現の言葉を借りると「弱小」「不人気」「貧乏」…実に的確な表現です。
弱小:2015年から前・後期二シーズン制でAクラスは一度だけ…
不人気:観客動員数は年間平均300~400人とNPB基準で言えば閑古鳥が鳴いている状態。他BCリーグのチームと比べも下位に甘んじるレベルです
貧乏:職員や広報活動も限られた範囲、選手補強もままならない時期もあり、噂で「倒産するかも…」「来年球団は消滅かも…」と流れたりと

角監督は2014年に千葉ロッテを自由契約となり翌年から埼玉武蔵へ入団し3年間プレーを続けNPB復帰を目指していましたが夢叶わず2017年オフに引退、翌年から監督となりチームを指揮しています。
リーグ戦参入元年からこの負の現状をチーム内で見続けているのは角監督一人(岡本選手は元年途中移籍)となりましたが、だからこそ「この現状を打破したい、沢山お客さんを呼びたい」という思いが人一倍強いのでしょう。身銭を投じてでも観客動員を増やし、その中から少しでもリピーターとしてまた来場しファンが少しずつ増やせれば、球団の人気だけでなく収益向上に繋り、それが補強や設備・選手環境の改善となりチーム力全体が強化される…という現状打破したい思いが強いのでは?と勝手に想像しています。

試合当日、角監督の自腹企画、集客もそうですが今後の展開にも興味深いところがあります。
これを見た方、是非8/3は上尾市民球場へ観戦してくださいm(_ _)m埼玉武蔵ファンからの切なる願いでもあります。

野球関連の事柄を書きます NPB:千葉ロッテ、BCL:埼玉武蔵ヒートベアーズファンです