鍵藤63

赤銀黒って何です?

 サイバーパンク活劇小説「ニンジャスレイヤー」に登場するキャラクター、主人公のニンジャスレイヤーことフジキド・ケンジとその仲間のひとりシルバーキーことカタオキ・シンイチの2人組に「赤銀黒」という(カップリング掛け算表記でない)呼称をつけて呼んでいるが、原作でこの2人を指した言葉として存在しているわけでもなく、ほぼ私しかこの呼称を使っていないせいで「赤銀黒ってなんだろう……?」と調べた方が私の妄言にしか当たれない事態になっているので、私が概要を書いておくことにした。すまん。


 上記のとおり、赤銀黒とはフジキドとカタオキの2人のことだ。由来をかいつまんで説明すると、それぞれの作中イメージカラーが「赤黒」と「銀」であり、外伝別世界パロディ風小説「忍者スレイヤー」で登場した最終変身フォームのガジェットの色が「赤銀黒!」だったため、語感の良さと「間に入ってるんじゃが……」という目眩でこの言葉を採用した。能力もすごい比喩的でよかった。すごいよかった。

 話を戻す。掛け算の左右が曖昧なこの表記を気に入って、それから2年ちょっと使っているが、特に浸透したわけでもないので、はじめに書いたとおりの事態になってしまった。恥ずかしいかぎりである。よかったら使ってくれ。


 ところで、せっかくここまで読んでいただいたあなたに、赤銀黒スターターセットをオススメしていこう。

 小説「ニンジャスレイヤー」は現在第4部が連載中の長編だ。とはいえ個々のエピソードはある程度独立して起承転結があり、「どこから読んでもいい」とのお触れも公式に出ている。詳しくは翻訳チーム運営の公式マガジンから出ているイントロダクションを読むのがいちばん正確で楽しいと思う。ほか、有志による非公式ニンジャスレイヤーwikiも助けになるだろう。トゥギャッターのまとめをブラウザで読んでもいいが、読むのに非常に便利なアプリも有志により出ているので、そちらもオススメだ。wikiの「よくある質問」のとこに書いてあるからね。

 そのうえで、じゃあ赤銀黒ってどんな2人なのかだけ知りたいんだけど、という方に向けて、2人が出ているエピソードをいくつか紹介しよう。リンク先はwikiの該当エピソード紹介&ログまとめページだ。すぐ読めるぞ。
 それと、致命的なネタバレになるかもしれないが知っておかないとたぶんストーリーが理解できないんじゃないだろうか、と私が判断した情報を付け加えておく。ヤだな、と思ったら読み飛ばしてくれていいし、なんなら全エピソード読んでしまうのがオススメだ。面白いから。ホント。


【ビヨンド・ザ・フスマ・オブ・サイレンス】

 2人の出会いが描かれたエピソードである。前情報として、「ニンジャとは後天性の超人である」ということだけは知っておいたほうがいいかもしれない。そして、ニンジャスレイヤーは、自身もニンジャではあるが全てのニンジャを殺すためだけに突き進む復讐の戦士であることも。


【ウェイティング・フォー・マイ・ニンジャ】

 ①に続くエピソード。他の重要キャラであるヤモトやザクロも登場するので、気になったら彼女たちの別のエピソードもどんどんつまみ食いして読むといい。


③【シルバーシュライン・ライク・ア・バレット

 ②に続くエピソード。元々は書籍購入特典でもらえるドラマCDに収録された話。ドラマCDあるんすよ!!!!! CVついてるんですよね!!!! フジキド(CV:森川智之)とカタオキ(CV:前野智昭)がしゃべるんですよ!!!!!! カタオキはニンジャスレイヤーアニメイシヨンには登場していないので、ここで初めてCVがついた。すごいよかった。


④【ディフュージョン・アキュミュレイション・リボーン・ディストラクション

 ③に続くエピソード。シルバーキーの人となりが明かされる場面で読み返すたびにおれが死ぬ。

 一旦ここでカタオキは退場し、しばらく出てこない。
 具体的に言うと、ここまで紹介してきたひと連なりのエピソード群はニンジャスレイヤー第2部のもので、約40ほどあるエピソードの中で時系列順だと先頭から6割くらいの位置のものである。そして第2部におけるこれ以降のシルバーキーの登場エピソードはこれまでの戦いの集大成という趣が強いので、つまみ読みするよりは2部だけでもあらかた読んでから、クライマックスを堪能してほしいと思う。

 ここからは第3部のエピソードになる。
 第2部終盤でちょっといろいろあって、「カタオキが別人(女子)の体に入って別の名前を使っている」という状況なので、ちょっといろいろあったんだけど、気になったら2部を全部読んでね! というわけでこれから登場する「エーリアス・ディクタス」は中身がシルバーキーの女子です。いろいろあったのだ……。


⑤【フラッシュファイト・ラン・キル・アタック

 そんな彼(彼女)の状況が少しだけ説明されるので、3部の読み始めはこれがいいだろう、と思う。むしろネタバレ無しで読むほうがよかったのかもしれない。エーリアスの実情についてもっと知りたいなら、【ワン・ガール、ワン・ボーイ】を読むのがいい。それはさておき、赤銀黒、すごい仲良くない? この話? なんでまだビジネスって言ってんの?


⑥【ファスト・アズ・ライトニング、コールド・アズ・ウインター

 通称スシ回。きみは「将太の寿司」や「ミスター味っ子」を読んだか? このエピソードは完全に将太の寿司inネオサイタマfeat.ニンジャなので気になったら是非読め。主人公がたまたま立ち寄った小さなスシ屋は丁寧な仕事が光る優良店だったが向かいに出来た大型回転スシチェーンの無茶な商売のせいで青息吐息……スシ勝負によって立ち退きの決着をつけることに決まったものの、相手方の雇った刺客により店主が負傷。代わりに主人公たちが板場に立つことになるが今度は市場買い占めによりネタが仕入れられない。かくなる上は、自らの手で最高のネタを獲りにゆく……。将太の寿司のあらすじではない、ニンジャだ。その目で確かめてみろ!! ところでこの話でも赤銀黒が目を疑うくらい仲が良いのでこれもその目で確かめてくれ。なんならもう合体するぞ。マジで。なんなんだろうな。


⑦【ザ・ドランクン・アンド・ストレイド

 通称泥酔回。フジキドとレッドハッグという女性ニンジャがメチャクチャに飲みまくってニンジャを倒す話だが、エーリアスが最後に少しだけ出る。フジキドさん、なんでそこ行ったんですか? 仲良すぎでは……? どういう関係…………?
 第3部はこうした本筋に深刻に関わっていない短編がいくつかあり、すごく気楽で楽しいので、好きです。


⑧【フー・キルド・ニンジャスレイヤー?

 これは第3部最序盤の話……というか最初の話だ。フジキドの戦いに関しての非常に重要な話のひとつなので、ハチャメチャに情緒をブン殴られるが、それだけのパワと輝きあるサイコーのエピソードなので是非。赤銀黒もすっごい……すごく……もうさあ…………。泣くだろ………………。

 これ以外にも2人が登場して私が発狂するエピソードは第3部にいくつかあるが、それ以外の登場人物や敵陣営やとにかく本筋が激アツなので、これもまた3部のエピソードをたくさん読んで追っていくのが良いと思う。「フジキドが乗ってきたミサイルに目を奪われるカタオキ」「フジキドの因縁の対決をダッシュで見に行くカタオキ」とか見られるぞ。しよう。


番外【フェル・アスリープ・イン・ザ・ムービング・コフィン

 これは物理書籍第7巻(2部3巻)「荒野の三忍」に収録された書籍限定エピソードなのでネットでは読めない。時系列は①と②の間だ。赤銀黒のシンカンセンでの移動、そして追っ手のニンジャとの戦闘が描かれている。これもな~~~~~まだ互いの利害でなんとか一緒にいるだけとされる2人が打ち解け始める(ように読める)時期の話で……すごく……オススメです……挿絵もメチャクチャ良いです……。挿絵はこれに限らず各エピソードに全部扉絵がついてるし登場ニンジャ名鑑が巻末についてて大ボリュームなのでとてもキマるぞ。本当にありがとうございます。


番外【ニャンニャスレイニャーより ワンハンドレッド・エイト・ニャン=パンチズ

 待て! 話を聞け! ニャンニャスレイニャーは赤銀黒なんだ! 聞け!
 「ニャンニャスレイニャー」第1話はニンジャスレイヤープラスというnote有料コンテンツの公開記事なので加入しないと読めないのだが、そこで登場するブチ=ニャンがおれにはカタオキにしか見えないんだ! 聞け! 荒れ狂う炎の怪物と化しかけたニャンニャスレイニャー=ニャンを炎に構わずしがみついて正気に戻したブチ=ニャンが口調もあいまりカタオキにしか見えないんじゃい! ニャンニャスレイヤー=ニャンに「無茶な真似を」って言われとるんやぞ! シルバーシュラインで見たこれ!! 赤銀黒やんけ!!
 そしてツイッター連載されログも読める新春企画、「ワンハンドレッド・エイト・ニャン=パンチズ」ではそのブチ=ニャンが再登場しニャンニャスレイニャー=ニャンと再会するのだ。その情景が……こんな……「俺は幻を見ている……」「幻ではない」赤黒のニャンニャは言った。おれが幻を見ているのでは?


番外【忍偵ヌンチャック

 待て……いや話を聞いて……ヌンチャックは赤銀黒なんだって……。
 「忍偵ヌンチャック」は忍殺に多々あるパロディ次元(上記のニャンニャなど)のひとつで、「懐かし海外アニメ(ただし日本に輸入されたときに諸事情による設定改変とブッ飛んだ吹き替えでギャクコメディに変質している)のニンジャスレイヤー」という設定のトンチキ次元である。初出は2016年のエイプリルフールなのだが、折に触れ謎の短編がブチ込まれ、本編とのテンションの差で数多のグッピーが死んでいる。詳細は省くが文体も設定もとにかくトンチキなので、ほんやくチームの振れ幅には本当に驚かされますね。
 それで、この次元での赤銀黒がどうなっているのかというと、詳細はマジで省くがフジキドさんの事務所でカタオキがサイドキックを勤めている。まあ省いた詳細がマジで与太&与太で、全部ツッコんでたらキリがなく割愛したのだが、忍偵ヌンチャックことフジキド・ケンジの探偵事務所でシルバーボーイ(※成人男性)ことカタオキが助手めいて一緒に働いているので、この要約に間違いはないはずだ。一緒に行動してるんだよ!!! ビーチの事件に臨んだり休暇に毎年温泉旅行へ行ったりしてんだよ!! 二人で!!(ワンチャックもいるけど) 
 細かく全部説明すると正気が減じるし、もしこれから読もうという人がいても、少なくとも多少の原作を読んでからじゃないとムチャクチャなのでどうか気をつけてほしいが、ヌンチャック次元は赤銀黒だ。マジで。



 ほか、第4部でも絶賛登場中なのだが、いったいどういう決着を迎えるのかまだ予断を許さない状況で、それでも頻繁に「きみたち!?!?!??」となる情報・描写に殴られ続けているっていうかまだ再会してないやんけ早くなんか言ってやって!? まあとにかくいっぱい出てるのでいっぱい読めます。日々楽しんでいます。

 以上、赤銀黒スターターセットだった。少しでも架け橋として役立てればと思う。


 わりと第3部のラストの深刻なネタバレになってしまう情報なのだが、最終決戦を経てフジキドはいろいろありナラクを失い、カタオキはいろいろあり元の体にちゃんと戻り、そして2人ともちゃんと生存した。私がよく妄想している2人はこの時期のものであることが多い。「は? ニンジャスレイヤーがニンジャとこんな和気藹々とするわけないんだが?」や「シルバーキーが元の体でぬくぬくしている……? いつの話……?」などと思った方もいるかもしれないが、そういうことだ。
 フジキドにもいっぱい心境の変化があり、カタオキにもいっぱい試練が降りかかり、すごいいろいろあった……。是非、その過程を……読んでくれ……。すごく良いので……。


 そしてニンジャスレイヤーがつまみ読みだけでもメッチャ面白いし他にもいっぱい魅力的な存在感強いキャラ盛りだくさんだし読んでもらえると嬉しい。オススメです。

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 (2018.12.31 追記)

 であああああああああ4部の二人も最高だったしめちゃくちゃ仲良いんだけど私の恣意的な幻覚じゃないのか 幻覚じゃない!!!!!!!!! 幻覚じゃない!!!!!!!! ねえめっちゃくちゃ仲良いよ赤銀黒!!! 助けて!!!!!! ありがとうございました!!!!!!!!!

 ところで3部終了後からフジキドさんのイメージカラーは黒橙に変わってるし赤黒は別のニンジャスレイヤーことマスラダくんが大活躍してるし彼もカタオキとめちゃくちゃいろいろあるし赤銀黒(忍者スレイヤーのほう)(忍者ブレイカーに改名しましたね!)みたいなことになったし、フジキドとカタオキのほうを指して赤銀黒と言うことにかなり無理が生じてきたんですが、誰かなんか代案を用意できる方がいらっしゃったらご協力ください。とりあえず私は赤銀黒で続投します。



 (2020.9.24 追記)

 ニンジャスレイヤーにはコミカライズが複数あり、その中で通称無印と呼ばれ現在チャンピオンREDで連載されている「ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース」でとうとうカタオキが初登場しました。

 カタオキが! コミカライズに! 初登場しました!!!!!


 【ビヨンド・ザ・フスマ・オブ・サイレンス】がとうとう無印でコミカライズされたのでカタオキが初登場しました!!!!
 チャンピオンRED2020年11月号です!! カタオキが初登場したんです!! これまでコミカライズやアニメイシヨンでは主に第1部が取り上げられていたので、第2部の中盤から登場する仲間であるカタオキは今月まで他メディアミックス未登場だったんです!!!(※オーディオドラマはある)



 オ"ア"ッッ……………………????????

 ニンジャスレイヤーは大本が小説作品なので、キャラデザが確定していません。書籍の挿絵やコミカライズやアニメイシヨンという公式のデザインの間で既に幅がある、というか多様性を保証されています。また、そうした公式のデザインに準拠しない独自のイマジナリデザインも推奨されています(多様性ってすばらしいですね)。私は書籍版のデザインを準拠しつつ完全に好みで「地味めな顔で短髪の若者」っていう絵を描いてましたが、これは完全に私の好みです。
 つまりどういうことかというと、無印コミカライズのカタオキがどういう見た目で来るのか、今月の今週までわかんなかったんですよ。

 無印コミカライズで第2部が始まった時から「余湖先生デザインのカタオキが出るの……? いや! あまり過剰な期待はよくない! まさかそんな素朴ながらもカワイイな見た目の笑顔が眩しい若者で来るなんて保証はない!」と考えてきたのです。まさかそんな、……まったく何を言っている……。


 ??????????

 (※「施術着のカタオキ」「営業スマイルのカタオキ」の概念がぶちこまれたのはこれが初)

 いいんですかこんなカワイイ若者で? 俺は幻を見ている……?


 (幻ではない)


 でもマブい美女の前ではこんな顔もする!! 最高!! カタオキ!!!


 コミカライズ「ニンジャスレイヤー」、チャンピオンREDで連載中です。時系列順に話が進み、原作と少し違ったお話が盛り込まれることもありますが、ニンジャスレイヤーの物語を追うにあたってココから手を付けるのもよいのではないでしょうか。とうとうカタオキが登場したので、赤銀黒の紹介にもこうして述べることができるようになりました。
 来月以降も引き続き展開が楽しみですね!



 今週の私はずっとこのような状態でした!! 本当にありがとうございます!!!!

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