4こま7

4コマ漫画持論(にかこつけて友人のアホな思い出を書き残す会)後編 -表情-

 前編はこちらだ。


 こんにちは! じゃあ今日は、前回でこねたネームを基に作画をしていこう!


 前回の結びに少し書いたが、私は人の顔を描くのが楽しくて好きだ。いろんな表情をつけて描くことに血道を上げているといってもいい。

 なので、実録の漫画を描くときはいつもオリジナルのキャラクターに役を演じさせている。ねこちゃんとうさぎちゃんのままでも表情はつけられるけど、人間が好きなんでな!

 いつも使ってるオリキャラの紹介をここでさせてほしい。

 本人たちとはまったく似ても似つかないのであしからず。ずっとこの人選で描いていたらすっかり馴染んでしまったのだ……。


 さて、本題の「顔を描くのは楽しい」という話に移る。

 楽しい。めっちゃ楽しいのだ。笑顔が素敵、真顔も素敵、泣き顔もブチギレ顔も困惑顔もアヘ顔もなんだって楽しい!

 という感情からの理由もあるが、別の理由もある。漫画のつよみとは何かを考えたとき、それは絵だと思う。私の拙い筆では文章にできないことを図示できる、その中でも特に、いろんな感情をブッこめるのが人の顔なのだ。だから、表情は凝ると面白くなる!

 前回のコマ割り編にて、「無言爆死オチ」を使いまくっていると述べた。無言爆死においてキャラの顔はかなり重要だと思う。なんならもう顔だけでオチてるようなやつが大好きだ。よくリプライに漫画のコマを使っている人がいるが、やはりキャラの表情だけで無条件に笑えてしまうやつは強いね。いいよね。


 さて、こちらが今回のオチのコマです。

 うーん、面白いかどうかについては置いておいて、表情を書くときにどういう点に気をつけているかを記そう。


<目線>

 視線だけで心理が読めたりする人もいるだろうが、詳しくはなんにもわからないので雰囲気で決めている。だが見ている方向だけでもけっこうオチのコマとして雰囲気が変わると思う。たとえばこっちを向けてみたぞ。

 自信ありげってかんじだ。


<目の開き具合>

 これはだいぶ変わる。特に、三白眼(瞳がまぶたに上下どちらか接している)と四白眼(どちらも離れている)は小さな差のようでけっこう大きい。120%のような、下まぶたのとこに力入ってるようなシワだかクマだかを描くのは大好きなのでよくやる。これは50%くらいの開眼でも描くと凄んでる感じになって好きだ。美形に睨まれたい。


<口>

 口角のほんのちょっとの位置で笑みぐあいがかなり変わるのでむずかしい。「not にこり」は真顔のつもりで描いたけどちょっと笑ってる気がしてきた。

 口を開けて笑っているのでも、上唇のカーブとか口角の高さとかで雰囲気がかわるね。雰囲気だよ、具体的にどういう顔なのかが文章で説明できないから漫画描いてるんだよーッ! 以降も説明がガバガバになりますが雰囲気の違いをお楽しみください。


<眉>

 これも微妙な角度の違いとか線を足すとか足さないとかの差異になっちまうのだが、でも表情はけっこう変わるのだ。眉は感情がよく出る。いいぞ。眉間にほんの少しのシワをつけること、あるいはついていないか確認すること……その程度の差……。


<顔の向き>

 ここまでくると、これで雰囲気の変化があるのか自分でもよくわからなくなってきた。でも右上がちょっとお転婆に見えたり左下がおしとやかに見えたりするよね。するんだよ。私はする、ああ。


<コマの中での大きさ>

 あ~違うねこれはね~! どう変わるかってのは言えないけど変わってるのは変わるね雰囲気がね~! なんていうか凄み? っていうか? 何? あと吹き出しの大きさも変えると変わるよね! 声色がね! 声色が聞こえてくるようなコマが描けたらいいのにな!

 どうだろう? ちょっとずつ表情を変えてきたこのオチのコマ、全然雰囲気が変わったのではなかろうか? なんでこいつこんな蔑んだ目で見てんだ、自分のセリフわかってんのか。

 これだよ! 情けないセリフをなぜか若干誇らしげにどこか遠くを見て言うんだよ!


 こうした選択肢がいっぱいある中でどういった表情を選ぶのか、というのは前編でも言ったが自分の面白さ物理法則に従ってほしい。慣れだ。私もこれを描いていて「えっこれ本当におもしろいのか……? こんなコマゴマとした部分を変えても何も意味なんてないのでは……?」と思ってきてしまったが、大丈夫だ。今日崩れてしまったとしても、いつかきっと両足でちゃんと立てる日が来ると信じるだけだ。



 さて、こうした試行錯誤を乗り越えて、出来上がった実録4コマがこちら~!



 ありがとうございました!

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