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鏡と水面を切り分ける常識人間たち

2019年に刊行され、大ヒットとなった「ケーキの切れない非行少年たち」という本がある。この本の主張に関しては、なるほどと思うところも多く、特に異論があるわけでない。今回批判したいのは、「ケーキの切れない非行少年たち」に向けて出された問題だ。 この動画の中で、非行少年たちに向けて出された問題として、「真ん中の2つのパネルが、鏡と水面に映ったらそれぞれどう見えるでしょうか?想像して書きましょう。」というのが紹介されている。この問題に対して、ある非行少年が描いた水面に映った三角形

    • 「空気を読まない」ことは良くないことだとする異常な社会

      空気を読め学校でも教えられてきた。もちろん言葉そのまま「空気を読め」と教育されてきたわけではないが、終始一貫して、その教育の背景に「空気を読め」という、でかでかとしたメッセージがそこにはあった。 ”いやいや、教育云々の前に、そんなの当たり前だから。” ”「空気を読む」という常識もわからないやつは人間としておかしい。” そんな声も聞こえてきそうだ。 確かに空気を読んで周りと行動を合わせれば、波風を立ててしまうことも少なくなるし、人に迷惑をかけてしまうこともなくなるかもしれな

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