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すのこDIY

同僚が言っていた。
「テレビやSNSでDIYの作品を見ると自分もやりたくなる」

この同僚。
不器用を名乗らせると右に出る者がいないぐらいには不器用だ。

不測の事態に上手く対処できない…という仕事のミスエピソードは序の口。
ファイリングしようと、何故か普段と逆に穴を開けるとか。
3日続けて箸箱を開けた拍子に箸を地面に転がすとか。
服を後ろ前に着たまま一日過ごすとか。
仕事の内容に触れない程度に今週の彼女を振り返るとこのような感じだろうか。

そんな彼女が「DIYがしたい」のだと。
別の同僚が言う。
「ノコギリで真っすぐ切れるんか?」
カッターですら真っすぐ切れていないのに…後の言葉を飲み込んだ。
「線を引いてゆっくり丁寧にやれば…」とフォローした。
しかし、彼女は遠くを見ながら言った。
「血を見る未来しか見えんなぁ…」
いつかの惨劇を思い出しただろう。

「でも、すのこDIYなら、ボンドでいいみたいやし。あと、ペンキ塗るぐらいなら出来るかもしれへんと思って」

なるほど。今はDIY用にと、100円均一でも色々なサイズのすのこが売っている。それに、ホムセンで木材を買えばカットもしてくれるだろう。
「それに、ほら!ここに美大の人がいるし!」
あろうことか、私の肩をたたいた。

インダストリアルは専門外だ、バッカヤロー。

作る時は見守って、手伝ってほしいという。おまえんちまで片道1時間半だぞと思った。
やったことがなくてもなんとかなるだろうという。じゃあてめぇでなんとかしろよと思った。
もしノコギリ使うことになっても安心だね!と別の同僚までいう。手動のノコギリなんて中学以来使ってねぇよと…これは声に出して言った。ジグソーとか糸ノコとか…学校には便利なマシンがあるんやで…

斯くして、私はやったこともなければやろうとも思ったことがない「すのこDIY」といふものに手を出すこととなった。
この週末、同僚は自分が作りたいものを煮詰めてくるらしい。
私はとりあえず100均に寄り、自分が扱うかもしれないものを見てくることにした。

行ってきた。

こうなった。

…違う…そうじゃない…そうじゃないんだ…

とりあえず風呂に敷いときますね

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