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続続・すのこDIY

前回のあらすじ

前回のあらすじ
同僚のすのこDIYを成功に導くためマケットを作った。すのこから。


同僚が作りたいのものが決まったらしい。

「こういうコーナーラックが欲しいんだよね。もう少し背の高い」

決まってるなら、これを見てその通りに作ればイイジャナイ。
喉まで出かかった言葉をお茶と一緒に飲み込む。

ところでこのコーナーラック。
側板に棚板貫通してるので、角に置こうとすると後ろに隙間が空きそうだ。
…コーナーラックなのか…?彼女が必要としているものに合致しているのか少し不安を感じた。

人の要望は氷山のようで、言語化されているのはほんの一握り。
「こういうことやりたいんだよね」の裏には、本人も気付いていない本当の解決したい問題がある。
氷山モデルと呼ばれる考え方で要件定義の時にどこまで掘り下げられ、解決できるかで顧客の満足度はえっらい変わる。

そういえば、ここのプロジェクトは全体的に要件定義が上手くない…という前評判だった。
クライアントがやれと言えば疑いなくやり、前の業者がやってたと言われればそのままの形で継承する。悪き慣習だろうがお構いなしなので、コロナ禍を経てもハンコリレーが残っている…なんでや…

「これを角に置くなら、まわりにスペースをあけた方がお洒落だと思うけど?」
遠回しにそんなスペースあんのか?と聞いた。
彼女はうーんと唸り「この端っこない方がいいかも」と言った。
別の同僚は「部屋の配置図書け」と言うが、彼女は画伯である。何が飛び出すかわからない。

作る、作らないを置いておき「どんな部屋にしたいのか」とヒアリングを進める。結果

コレじゃね?と思った。
買った方が早インp…

いや、彼女は「作りたい」と言ったのだ。
作ることが、彼女の氷山モデルの中で意識的な前提や価値観にあたるからこそ、このDIYレシピを探してきたのかもしれない。

私は言った。

「じゃあ、週末IKEAに行こうぜ!」

抹茶のデザート食べにいこうぜ!

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