#私の不思議体験①

僕の妻の父が亡くなった時の話。

義父は癌を患い入院中でした。そんな時、義母から妻へ連絡が入りました。

父が危篤状態との事。その日は休日で妻と僕は家に居ましたので、外出の準備をしました。

いざ外出しようとしたとき、まず一つ目の不思議な出来事が起こりました。

玄関先に、祇園祭の時に購入した「ちまき」をお守りとして飾っているのですが(京都での風習です)、それが無いことに気づきました。

あれっおかしいなと思いました。そう簡単に落ちるようには飾っていません。玄関先を探してみると、それは家の横に落ちていました。でも絶対に、どう考えてもそんな場所に落ちることは考えられませんでした。

でもその時はあまり気にせず、「ちまき」を拾って家の中へ置き、家を出ました。

午後の3時ごろに病院へ着いたかと思います。僕たちが一番早く着いたようで、病室には父と母のみでした。

僕たちが到着した頃には、会話もあまり出来ない状態で、非常に苦しそうな感じでした。

そんな中、徐々に家族が病室に集まってきました。午後5時には全員が集まりました。

すると、それまで苦しそうにしていた父が僕達に向かって話しだしました。

「みんなありがとうな」「ありがとう、ありがとう」と大きな声で話し続けます。最後の力を振り絞っているようでした。

非常に苦しそうでした。病室の中の女性陣は全員が泣いていました。三姉妹の妻は姉妹で父に「お父さん頑張って!お父さん!」と叫んでいました。

父がまた話出しました。二つ目の不思議です。父が自分の枕元を見上げるような仕草を取り、「もうちょっと待って!まだ来んといて!」「わかってるから!、もうちょっとだけ!」と呂律もしっかりしない中、一生懸命叫んでいました。

おそらく、別の世界からのお迎えが来たのでしょう。

その時、父が僕の手を取り、僕に何かを伝えようとしてきました。

その頃僕は結婚して約1年ほどで、父とはまだ数回しか顔を合わせたことがありませんでしたので、「娘をたのむぞ」とか「がんばれよ」とか何かメッセージを頂けるのかと思っていました。

僕の手を取り、約5秒ほどの沈黙がありました。病室にいる全員が二人に注目しています。

目も明けられないほど苦しんでいた父ですが、目を半分ほど渾身の力で見開きました。

そして、、、

「○○君、おっとこまえやなー!!!」

衝撃の一言でした。病室は一瞬笑いに包まれました。

まさかのその言葉が最後の一言となりました。その数分後、父は息を引き取りました。

この不思議な出来事はお父さんが家族みんなを集めてくれたんだなぁと考えています。「ちまき」が落ちていたことも、何かのサインだったと感じています。別の世界から迎えが来ている中、苦しかったはずなのに。

お父さんこちらこそありがとう。もっと話したかったなー。孫の顔も見せたかったなー。(向こうの世界から見てるとは思いますが)

しかも、今はお父さんの家に僕は住んでいますものね。すべてに感謝です。

またいつか。

#私の不思議体験

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?