僕が経験した不妊治療について。

結婚して2年程がたち、そろそろ子供が欲しいと思っていましたがなかなか出来ない状況がしばらく続いていました。そんな頃、妻が病院へ通い始めました。病院の診断では妻の身体には特に問題はなかったと思います。しばらく妻だけが通院して治療を受けるというのが続いていました。

でもなかなか子供は授かりませんでした。その時の僕は妻に対してかなり酷いことを言っていたと思います。「なんで子供できひんの?」「どっか身体悪いの?」等、妻の傷つくことを言っていました。

そんな時、一度妻と一緒に病院へ行った時、「ご主人の精子も調べてみましょう」ということになり調べていただいたのですが、結果は特に問題はありませんでした。
この時の診断結果が原因で僕の妻に対する言動はもっとひどくなっていきました。
「俺の精子には問題がないねんから原因はお前やねん」とか、今思うと本当に酷いことを言っていました。でも妻はそんな僕と別れず一緒にいてくれました。逆の立場なら僕はすぐにそんな男とは別れているはずです。

そして6~7年がたった頃です。妻は相変わらず通院してくれていました。もちろん1つの病院に執着していた訳ではなく評判の良い病院があれば、そこへ行ってみたりしていました。お金もかかるし妻の精神も結構辛い状況でした。そんなとき妻が男性不妊の治療で有名な病院があるから一度僕に行ってくれということでした。

僕は迷いなく行くことを決めました。その頃は妻の不妊治療が続いていて、夫婦共々精神的、金銭的にもきつく、正直どうしていいのかわかりませんでしたから。
そして僕の精子を診ていただき、診断結果は、精索静脈瘤という事でした。しかも結構重症との事。ここでは病状等は書きませんが不妊の大きな原因であることは間違いないです。しかも精子の運動量も少ないとの事。手術が必要と言われました
僕はこの診断結果を聞いたとき、本当に頭の中が真っ白になりました。


過去に妻に対して言った酷いこと等、自分の事が本当に情けなく思えました同時に妻に対しても申し訳のない気持ちでいっぱいでした。

僕は手術を受けることを即決しました。手術の料金は僕の場合で12万円程でした。僕達夫婦にとってはけして安くはなかったですがそれまでにかかった費用やこれからも妻の治療主体でいく場合の事を考えると受けるべきだと思いました。というか、費用云々よりも妻に対して申し訳のない気持ちで、これ以上妻には負担を背負わせたくなかったです。

手術当日はかなり緊張していました。局部麻酔で受けるので先生方の声等聞こえます。そんな緊張状態の中で女性の看護師の方がずっと僕の手を握っていてくれました。顔の回りは視界を塞がれていたので何も見えませんでしたから手術の不安と緊張でいっぱいの僕はかなりその看護師さんのおかげで心が安らぎ手術中も少しは楽になったのを覚えています。

そして手術が終わりました。大きな絆創膏のようなものを当ててその日から普通の生活に戻るのですが、とにかく痛いです。常に鈍痛というのでしょうか。一歩歩くとごとに痛みが響きます。走ったりするのはもってのほかでした。結局僕の場合は完全に痛みが取れたのは1年半~2年くらいはかかったと思います。先生にもこの手術後、完全に精子の状態が元に戻るのは1年くらいはかかります、と言われたような記憶があります。

ですのでこの手術後は1年ほどは不妊治療はしないでおこうと夫婦で決めていました。この時結婚後8年が経っていました。妻の年齢は37歳でした。

相変わらず術後は僕の局部は痛いままでした。その間、夫婦の間にセックスはもちろんありましたが子供は出来ませんでした。そして術後1年半位経過したときです。

妻が妊娠しました。僕は信じられませんでした。無茶苦茶嬉しかったのを覚えています。結婚後9年目で子供を授かることができました。しかもそれが男女の双子でした。妻はずっと双子を欲しがっていましたので、何か不思議な感覚だったのを覚えています。

というのが僕たち夫婦の経験した不妊治療から妊娠までの話です。妊娠後、またいろいろとお伝えしたいことはあるのですが、それはまた別でお伝えしたいと思います。

僕がこちらで一番お伝えしたいのが、男性も不妊治療には協力的になってくださいという事。不妊治療というのは医療的に見てもまだまだのようです。決して女性だけに問題があるわけではありません。男性側も是非一度診断を受けて、その結果問題がなかったとしても、またもう一度、という形で何度も何度も治療にかかってください。女性側の負担を和らげてあげるのも妊娠への近道だと思います。もし男性側の手術などが必要な場合迷うことは許されません。即決で手術を受けてください。プライドなんかは捨てましょう。明るい未来が待っていますよ。


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