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BBHF

BBHFというバンドが好きだ。彼らの作り出すメロディは細胞レベルでぴったり嵌る感覚がする。
不安や心配事のつきない毎日にそっと寄り添って、ひとときの安らかな癒しをあたえてくれる。

はじめて彼らの曲を聴いたのは、わたしが高校生で、彼らがGalileo Galileiを名乗っていたときだった。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』というアニメのオープニングに彼らの『青い栞』という曲が起用されていた。衝撃的だった。浮遊感のある軽快なサウンド、透き通っていてでも芯のある歌声。胸がどきどきした。脳がとろけるような幸福感もあった。触ったらあっけなく割れてしまうシャボン玉のような儚さに不安にもなった。とにかく彼らの音楽に夢中だった。

最新のアルバムYOUNG MAN GOES SOUTHのなかではSivaや1988、流氷、君はさせてくれるが好きだけど、中でも黄昏に染まる部屋で君はさせてくれるを聴くのが最近のお気に入り。

https://youtu.be/2d33R4Ps-yc

あぁ今日も終わるなぁってまどろむ時間帯にぴったりで、当たり前のように生活に馴染んでくれる。見慣れた街並みもうつくしいもののように見えてくるし、温度、湿度、風、香り、生活音、それぞれが心地よいものに思えてくる。
好きな音楽は偉大だ。仕事に疲れて世界が灰色に染まっても、音楽を聴いている時はかろうじて色彩を保つことができる。

彼らの音楽は決してテンションをぶち上げてくれるような、血湧き肉躍るジャンルの音楽ではないけど、静かに、丁寧に、生活に溶け込んで彩りを与えてくれるもので、わたしにとって欠かせないもの。これからも彼らの音楽と生きていくんだなぁとぼんやりと、でも明確にわかることのひとつだ。

2021.3.1

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