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演奏者が忘れてはならない1つのこと

こんにちは。あみゅーじっくです。😊

最近、新幹線に乗っていたら雪景色が広がる場所があったりします。

立春を過ぎたとはいえ、まだまだ冬らしさが残りますね。

今回はそんな冬の寒さの中、足を運んだ演奏会で気づいたことをお話しようかなと思います。

ということでテーマは「演奏者が忘れてはならない1つのこと」です。


演奏者に聞いてみたいと思います。

人前で演奏するうえで、最も大切なことは何ですか?

「大切なこと」と言われると難しいかもしれませんね。少し尋ね方を変えてみましょう。

あなたが人前で演奏するときに、最優先にしていることは何ですか?


演奏者に限定した質問をしていますが、お客さん側はどうでしょうか。

演奏会を聞きに行って、どのような音楽が聞けたら幸せですか?


私たち演奏者は、本番に向けて毎日色々なことを考えながら練習しています。

テクニック的な部分練習から、強弱やバランスなどなど。

曲を仕上げる上で、大切にするべきポイントはたくさんあります。


本番に人前で演奏するにあたって、曲を仕上げることは当たり前だし、仕上がっていないのに演奏会に聞きに来てもらうというのは失礼になります。

だってお客さんたちはお金を払って聞きに来てくれているわけですからね。

無料の演奏会だったとしても、お客さんは自分たち演奏者のために時間を使って下さっています。


ここまで仕上げれば完成!という明確なラインは正直ない。

でもその時の自分にできる最大限の「完成」は追及するべきだと思います。

だから少しでも「完成」に近づけるために、部分練習をしたりすることは理にかなっています。

たとえそのときの「完成」が暫定的であったとしても。


でも最近わかったんです。ホントに大切なことはもっと他にあった。

それは「部分練習をすること」でもなければ、「楽譜に書いてある強弱に忠実に従うこと」でもない。

もちろんこのような部分も、練習の一部としては必要です。

でもそれを全部クリアした姿を「完成」としてはいけないと思うんです。

それだと「曲を仕上げる」というノルマ達成までの、「やることリスト」でしかないから。

ただ、印刷を守り通してその曲を片付けるだけの単純作業になってしまうから。


では何が大切なのか。

それは「」です。

演奏者たちは練習し始めると忘れがちなのですが、音楽は「音を楽しむ」と書きます。

それなのに音作りは二の次で、いかに人前で失敗しないかばっかりに着目してしまう。

このような着眼点で練習を進めると何が起こるか。

お客さんが感動しないんです。

「難しそうな曲を演奏しているし上手いんだけど、別に好きな演奏ではないな。

とこうなります。当然記憶にも残りません。

これだと、芸術分野で活動する人間としては本末転倒ですよね。


音で感動させてこそ本物の演奏者だと思います。

昔から習ってきた演奏法に、演奏者全員が右ならえなのでは、何人演奏者が登場しようが変わりません。

私は「音」を通して人々の心を動かすことができて初めて、音楽人としての価値が生まれると思います。


先日足を運んだ演奏会で、私は人生で一度も聞いたことがないほどの「美しい音」に出会いました。

聞いている人を驚かせてやろうというような、よこしまな空気が一切ないんです。

楽器から生み出された音がそのまま、私たち観客のもとに届く感覚でした。

演奏者が「音」自体に寄り添って紡ぎだされる音楽。

マニュアルをなぞった演奏ではなく、オリジナルだけど自然な演奏。

「オリジナル」というのは、好き勝手にアレンジしている状態のことではないんです。

そりゃあ楽譜に書かれている強弱なども守っているし、リズムだって正確。

でも「音や空気がオリジナル」なんです。

その人にしか作り出せないオンリーワンの時間。


私はその演奏者に対して、「上手いな」ではなく「音楽家だな」と思いました。

そしてその時に気づいたんです。

演奏者の人はみんな、考えすぎているということに。

音を「楽しむ」というのは1つの感性なのに、どうして考えるのだろう。

もっと音を聴けば自然と、自分と音楽が1つになっていく感覚を味わえるのかもしれないな。

こんなことを思いました。


つまり演奏者は、「音を楽しむ」という根本的な部分を見失ってしまうことが多々ある、ということです。

私も含めてですけどね。

「音楽とは何か」ということを忘れて、ついつい小手先でかなんとかしようとしてしまう。

だから、完成させた曲も薄っぺらになる。

改めて、何度も原点に立ち返ることは大切だなと思いました。


ということで今回は「演奏者が忘れてはならない1つのこと」というテーマでお話しました。

私の周りでも、何を練習したらいいのか分からないという声がよく聞こえてきます。

そんな時は、「何を練習したらいいのか」ではなく、「どこを工夫したら美しくなるか」を考えてみてください。

難しいことなんて考えなくても、音楽が流れてきますよ。

また私のように演奏会を聞きに行くと、ビビっとくる音に必ず出会います。路頭に迷ったら、一度リセットしてみてくださいね!


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