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面白い子供とつまらない大人の話

こんにちは。ピンクシャンプーのピンクの泡に感動して、またしてもファンタジーの世界に誘われたあみゅーじっくです(^^)


今回は「星の王子さま」についてお話をします。これはみなさん聞いたことありますよね?読んだことはなくても名前は知ってる、という人もいると多いと思います。

サン・テグジュペリが書いた不朽の名作で、その名の通り、とある星の王子さまのお話です。  可愛らしいタイトルですが、私たち人間の深いところにフォーカスした、全世界に愛されている作品なんですね。

私は最近になってこの物語に初めて出会ったのですが、それはもう美しくてめっちゃ感動したので今回はこの話をみなさんに届けたいと思います。

※だからといって、ひたすらお話を書くわけではないのでご安心ください(笑)

あらすじ無しでこのお話の美しさを伝えることはちょっと難しいので、少し紹介を。      ネタバレの可能性があるのでガッカリしちゃう人は読まないことをオススメします。

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カンタンなあらすじ

まず主な登場人物は2人です。とある小さな星の王子さまと砂漠に不時着した少年。この2人が砂漠で出会い、心を通わせていきます。

王子さまは生き物とおしゃべりができるんです。子供心に溢れていて、いつも笑顔。特に自分の星で一輪だけ咲いているバラを、大切に育てます。でも、バラはいつもおすまし。王子さまに冷たい態度をとるんです。

バラを信用できなくなってしまった王子さまは他の星へ旅に出ます。その中でたどり着いたのが 地球。ここで少年と出会うわけですね。

一方の少年は、幼い頃からキラキラしていて楽しい世界が大好き。しかし、成長するにつれて  自由のない、つまらない大人の世界を知っていきます。現実的な世界に触れて、ますます居心地が悪い毎日を送っている、そんな少年なんです。 当然少年の子供心は、どんどん時代に吸い取られていきます。

富や名声、数字にしか興味のないつまらない大人で溢れかえっている世界で出会った、子供心を捨てられない2人は互いに理解者であり大親友。かけがえのない存在になっていきます。

2人で時間を共にするうち、王子さまはあの一輪のバラも、自分にとってかけがえのない存在であったことに気がつきます。そして自分にはあのバラを守る責任がある、と決意し「星に帰るね。」と一言。

しかし、王子さまのこの決意が、このあとの2人の運命を大きく変えていきます。

儚すぎる結末に少年は涙するしかない。それでもこの物語は、私たちに大きな温もりを届けてくれます。

ー目で見るのではなく、心で見る。ー

まあざっとこんな感じです。

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綺麗事だって必要だよね


ー目で見るのではなく〜ー

のところはこの物語のメインテーマとなっているのですが、とても美しい言葉だなあというのが私の感想です。

大人になると、「結果が全てだ!」とか「富や信頼を得ることこそが現実世界では幸せなのだ!」という考え方が、どうしても正解として捉えられてしまいます。

ホントは綺麗な世界を望んでいるはずなのに、 綺麗事と呼ばれるものは避ける。おかしなハナシですよね。冷静に考えると矛盾しています。

綺麗事を言う人は現実が分かっていない甘い人 というようなイメージを、特に日本人は持っているように思います。数字のようにハッキリとわかりやすいデータこそが美しい、と。

ですが、もともとみんなの心に眠っているはずの純粋な綺麗事を優先することの何がいけないんでしょう。綺麗事だって言っていいと思いませんか。だって綺麗なんだから。

私たちは、社会環境に揉まれてどんどんつまらなくなっていきます。子供の頃はもっと自由でキラキラしていたのに。

私たちの凝り固まった心を溶かし、「子供心」を贈ってくれるこの物語は正にタカラモノですね。


このお話には注目すべきポイントがもうひとつ。

このお話には「星に帰るね。」という、王子さまのセリフがあります。本を読み進めていくと、 これは「死別」を意味しているのでは?という 結論に落ち着く人が多いようですね。

私も読んだときに、王子さまは死んでしまったんだと思いました。本文にも、抜け殻だけが残り 魂は星に帰った、とあります。

残された少年は星を見て涙するわけなのですが、ここのシーンは実に感動を呼びます。でも実はこのシーン、様々な意見が飛び交っているようなんですね。

とある人は「死んでしまった。」と言いますが、とある人は「王子さまはまだ死んでいない。」と言う。実に不思議な状況です。

結局どっちなんだろうって感じなのですが私が思うに、このお話が世界中の人に忘れられない限り王子さまは生きているのではないでしょうか。

このお話のメインテーマである、目で見るのではなく心で見る、はここに表れているように思います。

お話の中にもうひとつ。     

1番大切なものは目に見えない。大切でかけがえのない存在にできるのは、そのものに費やした 時間だけである。

こんなメッセージがあるんですね。これはこのお話そのものの存在自体を物語っているように思えます。

つまり、この物語が世界中で愛される時間が長いほど、このお話はみんなにとって大切でかけがえのない存在になる、ってことです。      同時に王子さまも死なないってことです。


この物語はシンプルに思えてとても奥深い。

とても温かくて、大切なことをたくさん教えてくれます。つまらない世界を知ってしまった大人にこそ読んで欲しい本だなあと思うんです。


この物語が世界中で愛され続けますように。  そして王子さまが永遠に生かされますように。


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