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4文小説 Vol.8

もう4年以上が経過しても、炎天下の大阪・堂島を2週にまたがり歩いた夏のことが忘れられない。

当時の職場での経験を通じて自分の能力不足に悩み、改善しようと足を向けたスクールは、ネットで非公開の受講料が半年間で数十万円、それがもてはやされる世の中で、持たざる者の教育が商品化され、不当とも思える金額が搾取される現実に憤りをおぼえ、入会は断った。

本当にその面に秀でた人なら、相手の不足を咎めることなく、どんな人とも円滑な関係を築いてみせるはずだと、とある経営者の方がブログに書いていたとおり、例えばお笑い番組でも、話芸のプロたる出演者が口にするのは聞いたことが無いのに、こんな薄気味悪い言葉が幅を利かせる一般社会が嘆かわしい。

真に優れているとはいえない「一流未満」の人びとが、私のような「二流以下」の人間を貶め、両者の問題を後者のみに押しつける、その一方的な構図が薄気味悪さの原因に違いない。

―「コミュ力」とやら

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