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4文小説 Vol.3

4月を待たず花が開いた桜を、あなたもどこかで観ているのでしょうか。

いろいろ紆余曲折があって、母が栄養の足しになればと贈った品々は丸ごと返送され、入院先も教えてもらえない関係になってしまったけれど、手紙は受け取ってくれたらしいから、気持ちだけでも届けられたと信じています。

雪が溶けたかと思えば、またすぐに冷え込む姉妹の数十年間は、まるで日本と韓国の国交のようでもあり、あなたの生まれた寒暖の差が激しい3月の気候に似ていたのかもしれません。

わが子のように可愛がってもらえた幼少の頃、私のためつくってくれた子供服を、母はいまも箪笥にしまって残してくれていますよ。

-病床の叔母へ


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