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最近読んで面白かった本を軽くまとめる:2/1~/15

こんばんは。あんどーなつです。
今月もまとめnote書きます。もはやまとめnoteで満足してブログを書いていないというね…。さておきサクッとまとめたいと思います。

センスは知識からはじまる 水野学

「くまもん」のデザイナーさんが「センスとは何か?」「売れるデザインは何か?」とセンスをマーケティングの観点から解説した一冊です。

まず面白いなと思ったのがセンスの定義です。この本によると

「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。これが僕のセンスについての定義です。

と書いてあります。ここでいう「最適化する」というのは「知識をもとに未来をよい精度で予測すること」だと本書を通して私は解釈しています。

「よい精度で未来を予測する」というのは具体的に以下のようなプロセスを指します。「もし、チョコレートの商品開発担当者になったのなら?」という章からの引用です。

あなたは突然チョコレートの新商品の開発担当者に任命され、パッケージデザインの決定を任されたとします。次のステップを踏めば、センスある仕事をしていくことができます。
①まずは王道のチョコレートにかんする知識を紐解いてみる。ひとつは、ベルギーやフランスなどの高級チョコの味と雰囲気。もうひとつは、昔から長く愛され続けているロングセラーの味と雰囲気。
②次に、流行りのチョコレートを知る。最近発売された、競合他社の人気商品を調べる。最近話題の、ヨーロッパのショコラティエの挑戦的なショコラを入手する。それらを観察し、味わい、パッケージにどのような特徴があるのかをつぶさに知る。
③いろいろなチョコレートを知った上で、「そこ共通項はないだろうか?」と考える。そこからまず、疑問を見つけ、「チョコレートのパッケージってたいてい茶色か赤。なぜだろう?」と考える。「暖色系と相性がいいのは、チョコレートにはあったかいイメージがあるからだろうか?」「とろけるチョコレートというイメージが喚起され、おいしそうと感じるからだろうか?」
④次に、疑問から仮説を導き出す。「パッケージは暖色系、できれば茶色や赤やオレンジがいいのかな」
⑤最後に仮説を検証し、結論に結び付ける。「でも、それじゃありがちだ。茶色の補色にあたる青も合わせて使ってみるのはどうだろう。今回の製品はベルギーチョコレートのイメージだから、ベルギーで辺りで生まれた書体を選んでみよう」

調査、仮説、検証はまさに実験と同じプロセスですね。特徴を抽出して、一般化し、最後に特化させるというプロセスも馴染みがあります。著者はおそらく、調査から仮説を導く過程は、知識に基づく観察であるため、センスは知識からうまれると表現したのでしょう。

上記のようにセンスあるデザインの考え方が論理的に順序だって書かれています。専門的な用語は使われていないので、デザイン面白そうだけどまったくのド素人という人でもすらすら読めます。おすすめです。

デザインの誤解 水野学ほか

「センスは知識からはじまる」と同じ著者の本です。先ほどはデザイン全般についての解説書でしたが、こちらは著者が経営する「The Shop」という雑貨屋に並べる製品の設計から製造までを追った一冊です。

表紙にもあるように、著者は「定番」の商品を開発してきています。「定番」をデザインする過程は先ほどのチョコレートのパッケージデザインとほぼ変わりません。そのデザインの過程の話も面白いのですが、この本はプロのデザイナー2人と一緒に働くプロダクトマネジメントを担当する方(Not デザイナー)の視点が面白いです。

デザインが重要だと言っておいて何ですが、実は私もデザインのことはよく分かりません。
ですから、商品の良し悪しを判断するときは「一素人」のスタンスをとっています。つまり、買う側の人間としてどう思うかという視点から、そのデザインがふさわしいかどうかを判断するわけです。
デザインいついて分からないのに、どうやってデザインの良し悪しを判断できるのかと思われるかもしれません。しかし、私がしているのは、「こういうデザインにしたほうがいい」と言うことではなく、「このデザインはこう見えますけど、合っていますか」という問いかけです。
私は、たとえデザイナーが「これがいい」と言っても、消費者の視点からそう見えないと思ったときには否定することもあります。デザインの議論ではなく、「こういう印象になってしまうので、それはよくないのではないか」という指摘をするのです。

この方は消費者視点でデザインを考えることを、デザインリテラシーを身につけることと述べています。どのようにデザインリテラシーを高めるのかにも言及しています。

デザインとの新しい関わり方を知ることができて面白い一冊でした。

それ、なんで流行ってるの? 原田曜平

タイトル通り、ヒット商品から消費者のインサイトを見つけるための考え方を記した本です。著者が広告屋さんなので、ヒットしたキャッチコピーやCMを取り上げています。

私が面白いなと思ったのは、牛乳のCMを見てそれは誰にどんなメッセージを伝えたいのか?を逆算する章です。現役の広告屋さんがCMを具体的に分解して解説しているので、なるほどなと納得して読めました。

そこの部分を引用するには長いので、書きませんが、ぜひ書店で読んでみてください。

建てて、いい? 中島たい子

アラフォー独身の女性が家を建てる物語です。小泉今日子書評集で取り上げられていて、気になったので読みました。

主人公は賃貸のアパートの階段から落ちたことをきっかけに、ふと結婚したいと思うようになります。親友の紹介で婚活を始めるものの、なかなか上手くいきません。婚活に疲れ始めた頃、知人からのある一言をきっかけに、結婚したいという感情が家を持ちたいという感情に変わります。両親や親友、世間からの冷たい目線をひしひしと浴びながら「ひとりで心地よく暮らせる家」を求めて奮闘するお話です。

この小説の面白いところは、主人公の感情で物語の場面が切り替わるところだと思います。主人公の心理描写が細かくなされていて、ふと現実に引き戻されると場面が変わるといえば伝わるでしょうか。常にぼんやりとした不安を抱えている主人公に、あーなんか分かる気がするとアラツ―ながら共感しながら読んでいました笑

悩める女性に読んでほしい一冊です。

~Fin~


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