最近読んで面白かった本を軽くまとめる:9/1~/30

こんばんは。あんどーなつです。
遅くなりましたが9月に読んで面白かった本をまとめます。

1冊目は企業分析中の就活生と転職活動中の社会人の方に、2冊目はデータアナリティクス・データサイエンスに興味があるけれど敷居の高さを感じている人に、3冊目は研究が難航していて心がしんどい理系の学生におススメです。

財務3表一体分析法 國貞克則

財務3表を隅から隅まで暗記するのではなく、1サラリーマンとして必要な箇所のみを図示して理解・分析することを目的に書かれた財務系のビジネス書です。ベストセラーで有名な『財務3表一体理解法』の実践編にあたります。

私はまったく財務会計に関する知識がなかったので、まず『財務3表一体理解法』を読んでから本書を読みました。他にも複数の財務会計の本を読みましたが、それらと比較したこの本の特徴は、3つあると思います。

1. 財務諸表が作成される意図が理解できる
2. 図示されるので直感的な理解ができる
3. 具体的な企業の財務分析の方法が分かる

の3つです。

1. 財務諸表が作成される意図が理解できる

財務会計を勉強しだした初心者にとって最も苦痛なことの1つに、様々な指標の暗記があると思います。多くの本は、いきなり、ROEだのレバレッジ比率だのの定義をだし、それが高いと何を意味するのかを暗記しなさいというように書かれています。

その点、本書では、そもそもなぜ財務諸表が必要なのか?なぜこんな値を計算する必要があるのか?ということを第1章で丁寧に解説しています。私が特に納得したのは、なぜ財務諸表は3つなのかを解説した部分です。

図表1-1のように、すべての会社に共通する活動は、「お金を集める」→「何かに投資する」→「利益をあげる」という三つでした。そして、財務3表は、この三つの活動をPL、BS、CSを用いて表しているのです。
ですから、財務3表から会社の状況を分析する場合に何をすればよいのかといえば、突き詰めると会社の基本活動である「お金を集める」→「何かに投資する」→「利益をあげる」という三つの活動がどのように行われているのかを見ればよいことになります。なぜなら、財務3表に書かれているのは「お金を集める」→「何かに投資する」→「利益をあげる」という三つのことだけなのですから。

このように解説されると、とても腑に落ちませんか?どのような視点をもって財務3表を見るべきなのかという全体像を掴めるので、ただの暗記ゲームとして会計財務を勉強する必要がなくなると思います。

2. 図示されるので直感的な理解ができる
3. 具体的な企業の財務分析の方法が分かる

この2点はまとめて説明しようと思います。本書で鍵となるのが、図表2-1のようにBSとPLを「縮尺を合わせて」図示する分析方法です。

このオリジナルのフォーマットを用いて、まず1社1期分の分析を行います。その際に必要なのは、以下の5つの観点です。

①どのようにお金を集めてきているのか
②それを何に投資しているのか
③その投資した資産を、いかに効率よく活用して売上高を作っているか
④その売上高をどのように利益に変えているか
⑤以上の事業全体のプロセスの中で現金がどのように動いているか

この5つの観点をもとに、それぞれ見るべき箇所や求めるべき指標が本書では解説されています。詳しい方法は本書に譲りますが、その際に図から感覚的に理解することが大事だと述べられています。

1社1期分の分析がすんだら、次は同業他社と比較します。

同業他社と比較することで、先ほど1社1期分で求めた値が良いのか悪いのかが分かります。また比較することで経営上の問題が初めて明らかになります。本書では、図2-6を用いて、売上高が近しい三菱自動車と比較をすることで、マツダの経営上の特徴を考察しています。

その後に、業界の標準値とも比較をします。業界標準値は産業別財務データハンドブックというものに載っている値です。この値と比較をすることで、マツダの自動車業界における位置づけを明らかにすることができます。図2-14がその比較です。

そして、最後に、以上の分析に「期間比較」を加えた分析を行います。今までは2007年の分析でしたが、例えば2003年のものと比較した分析を行います。図2-16をみることで、マツダが成長しているのかや、どのような経営方針だったのかを分析することができます。

以上が本書で説明されている分析方法です。挿入した図をぱっと比較するだけでも、企業や期間によってずいぶん財務諸表の形が異なることが分かるのではないかと思います。

本書では、「ぱっと分かること」「感覚的に理解すること」が大事だと繰り返し述べられています。ですから、他の財務会計の本で挫折した経験のある人でも、本書ならスムーズに読み進められるのではないかと思います。

ぜひ、「図示すること」「他社×期間という2軸で分析すること」を意識して、読んでみてください!
本書では、自動車業界のほかにも、「三越と伊勢丹」「吉野家とすき家」「三菱商事と三井物産」「みずほ銀行と三井住友銀行」など多くの就活生が興味をもっている企業同士の比較が行われています。就活生や転職を考えている方には、企業分析の助けにもなるのではないでしょうか?

面白そうだとおもったら↓


データサイエンス超入門 松本健太郎

この本はとても面白かったので、読み終えた直後にこのようなツイートをしました。伝えたいことの要点は、ツイートの通りです。

ただ、2つ目の「加えて重要なポイントとして、分析したらこんな結果でしたで終わりにせず、
・なんでこの結果になるのか?
・この結果は妥当なのか?妥当とする判断基準はなにか?
・この結果を受けて次にどんな行動をうつすべきなのか?

と、分析の後に行うべき行動まできちんと書かれてる!」
は具体例がないと分かりにくいので、ここでは本書の分析した後のアプローチについて説明します。

この分析後のアプローチが特に分かりやすかった『03. 結局アベノミクスで景気は良くなったのか』を見てみます。
この章では、まず、安倍政権発足時と2017年12月25日のGDP成長率や日経平均株価等を比較して、世間で言われているようにアベノミクスによって景気がよくなったことを確認しています。

面白いのはここからで、様々な経済指標を見る限り「景気が良くなった」と言えそうであるにも関わらず、景気の良さを感じられない人がいることに着目し、「なぜこのギャップが生まれるのか?」がこの章のテーマに据えられます。その理由を探るために、著者はまずGDPの定義と成り立ちを調べます。

この部分が「なんでこの結果になるのか?」にあたります。以下の太字の部分がデータ分析の際に非常に大事な視点だと思うので引用します。

2012年~2017年にかけてプラス成長が続いています。たった1%程度かもしれませんが成長しているのは間違いありません。つまりGDPという指標を用いて景気の良し悪しを判断するのであれば、今は景気が良いと言えるでしょう。
では、なぜ経済成長を実感できていない一部の人たちが居るのでしょうか。全体で見るとOKだけど、1つ1つを細かく見るとNGというのは、データ分析として考えれば、どこかで矛盾が起きているのに、全体をOKだと錯覚していると考えられます。
そこで、GDPという指標を様々な角度から細かく考えてみましょう。

著者はGDPを分解して、GDPの構成要素の1つである「家計消費」の動向に着目します。GDPと家計消費は高い相関関係にあります。しかし、2014年~2016年は家計消費の成長率はマイナスなのにもかかわらず、GDPの成長率はプラスになっていることに気が付きます。これを受けて、著者はGDPを経済指標として用いることが適当であるのかに疑問を呈します。

この部分が「この結果は妥当なのか?妥当とする判断基準はなにか?」にあたります。著者はGDPが作成された歴史的な背景をふまえて、

・GDPの理論体系が毎年変わり、すべての経済取引を計測できない
・GDPの持つ正確性の担保が非常に難しい
・生活水準の向上や暮らしの豊かさを評価できない

という3点を問題視し、GDPは必ずしも景気を測る指標として必ずしも妥当でないことを示します。

そして、最後にGDPに代わる指標として「より良い暮らし指標」を例に挙げ、短期的な経済成長のみならず長期的な持続可能性を考慮した政策の立案をすべきであると結論づけます。この部分が「この結果を受けて次にどんな行動をうつすべきなのか?」にあたります。

このように書くと、
・なんでこの結果になるのか?
・この結果は妥当なのか?妥当とする判断基準はなにか?
・この結果を受けて次にどんな行動をうつすべきなのか?
を書くことは至極当たりまえなのではないかと思われるかもしれません。しかし、世の多くの分析は、分析することが目的になっておりこの3点が伴っていないことがとても多いです。ですので、ニュースを見たりして自分で分析を行うときは、ぜひこの本をお手本に、この3点を意識して考えてみましょう。

これからこの本を読むという方は、ぜひ上の3点を意識して読んでみてください!データ分析の面白さが2割増しになること間違いなしですよ!

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火星の人 アンディ・ウィアー

映画「オデッセイ」の原作。
就活を終えて卒論もなくバイトと飲み会に明け暮れ「遊び飽きた~はやく働きたい!」とインスタでストーリーをあげまくっている私文の友達を横目に、研究室に籠って日々奮闘している理系の学生に読んでほしい!笑

この物語は一言でいうなら、火星有人探査の際に事故に巻き込まれ、1人火星に取り残された主人公が生き残るために孤軍奮闘する話。主人公は植物学者で(もちろん理系)で、生物・化学・情報と様々な知識をフル活用して課題を克服していきます。

なぜ理系の学生に薦めたいのかというと、ヒドラジンから酸素を作成するシーンとかアスキーで通信するシーンとか、課題を克服するために必要な原理原則が分かっているので、とてもエキサイティングな気分になれるからです。

研究がつまっていて「オレなんで理系きたんだろ…キラキラした学生生活したかった…」と気分が落ちているときに読むと、「やっぱり理系って最高だな!」と思うことができます。(実際私は先月、この本でとても元気になった!)

卒論・修論で心に余裕がなくなったときにぜひ読んでみてください!!!

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~Fin~

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