読書は人生の椅子だ:あんどーなつの読書論

こんにちは。あんどーなつです。

私事なのですが、私は最近Twitterのbioを大幅に書き換えました。その最後に「読書は人生の椅子だと思っている」と書きました。

これは私の読書に対する考え方を一言で言い表したものです。このnoteでは「読書は人生の椅子」という考えに至った経緯をお話します。

あんどーなつはなぜ読書をしているのだろう?
あんどーなつはなぜ読書を楽しめるのだろう?
と疑問に思っている方がいましたら、ぜひ読んでみてください。あなたの読書に対する考えがポジティブなものになれば幸いです。


とはいえ、忙しい方も多いので要点だけはじめにまとめます。

・私たちは概念を理解するために本を読む
・概念のさいたるものは【感情】
私はすべての本に書き手の感情が込められていると考える
・私たちは様々な本を読むことで、書き手の感情を知ることができる
感情に触れることで、自分の感情の種類と幅が広がっていく
読書中は、私たちは書き手の感情とともに、世界を眺めることができる
それは、例えるなら、書き手が座っていた【椅子】をどうぞと譲ってもらっている状態
素材も視点の高さも置いてある場所もバラバラな椅子に腰かけて、その椅子から世界を見てみる。それが読書。
・読書はあなたが思っているほど、たいそうなものではない
読書は、椅子のように身近な存在で、カジュアルに扱えるもの

これが私の言いたいことです。
詳しく知りたい方は、お手すきの際に以下をお読みください。



私の読書に対する考えをお話するために、まず、私の「本」そのものに対する考えをお話させてください。

私は、本から得られるものの本質は、知識や情報ではなく【概念】だと思っています。

もちろん、知識や情報を得るための手段として本が利用できない訳ではありません。しかし、普段私たちが何か調べたいと思ったときには、書店に向かうことよりも、スマホでググる方がはるかに多いでしょう。

なぜなら、本には様々な制約があるからです。インターネットと比較して、まず本は情報量がとても少ないです。情報も探しにくいです。テキストならまだしも、画像や動画を探すことは本ではとても困難です。更新頻度もインターネットにはまったく及びません。加えて、インターネットは基本的に使用料がかからないのに対し、本は1000円程度の料金を支払うことが前提になっています。

このように考えると、インターネットが普及した今、知識や情報を探すといった「情報検索手段」、知識や情報を得るといった「情報取得手段」としての本の価値は、かなり下がっているといえるでしょう。

しかし、今日でも、何万部、何百万部も売れるようなベストセラーとよばれる本があります。(もちろん数はあまり多くありませんが。)
その本はなぜ、売れているのでしょうか?
私たちはその本に何を求めているのでしょうか?

私は、その答えは【概念】だと考えています。

以下の図を見てください。本に内在する、情報と知識と概念の概略図です。

本は複数のページになるほど、数多くの情報を有しています。数多くの情報をただ箇条書きにしたものは本と呼ばないでしょう。本には必ず目次があるように、情報が意味のある順序で並べられています。情報と情報の結び付きを知識とすると、知識と知識の結び付けが概念です。いわば、本はこの情報や知識がこのような関係性にありますよ、と伝えているのです。

他方、インターネットの情報と知識と概念の概略図は以下のようです。

インターネット上では、情報単体は数多くありますが、情報と情報を結び付ける知識はそれほど多くありません。知識と知識を結び付ける概念はもっと少ないです。知識や概念を説明するには、本のようにたくさんの説明を必要します。しかし、インターネットの検索は単語です。単語による検索では、知識や概念の一部分、すなわち情報しか検索結果としてヒットしません。すなわち、インターネットはこんな情報があるよ!あんな情報もあるよ!とは教えてくれますが、その情報の関係性を教えてくれません。乱暴に言ってしまえば、インターネットでは概念は不在です。

つまり、本をインターネットと区別し、本たらしめているのは概念だと私は考えています。私たちは、概念を理解したいがために本を読むのです。


この考えが正しいと仮定して、話をすすめましょう。

概念というと、資本主義や相対性理論など思想や理論を思い浮かべるかもしれません。もちろん、そのような思想や理論も概念ですが、私は概念のさいたるものは【感情】だと考えています。

例えば、あなたは「恋とはどのような感情ですか?」ときかれたら答えることができますか?

誰かを思うと息が苦しくなる感情が恋なのでしょうか?ある人と話していると胸のあたりがじんわりと温かくなる感情を恋と呼ぶのでしょうか?別れ際にばいばいと手を振ると寂しくなる感情が恋なのでしょうか?

恋は、様々な要素で変化する感情だと私は考えます。まず性別で異なると思います。一般的に、男性は好きな人に格好いいと思われたいと言われていますが、女性は可愛らしく思われたいと言われています。私は女性なので、男性の格好つけたいという気持ちを、身をもって体験することはできません。

年齢によっても、恋の感情は変わるのだろうと思います。中学生の好きな人と目があっただけで恥ずかしくなってしまうような感情と、30年間連れ添った60代の夫婦が相手を思いやる感情では、おそらく恋の表現は大きくことなるでしょう。

更には、時代によっても、身分によっても恋の感情は異なるでしょう。細かく見ていけば他にも数多くの要素があるでしょう。

何が言いたいのかというと、私たちが普段感じている自分の感情は、非常に限定されたものだということです。私たちは、性別や、年齢、時代、身分を飛び越た感情を体感することはできません。しかし、恋という感情は普遍的で、誰かに「私恋しているの」と言えば、相手はあなたがどのような心理状態にあるのかを理解することができます。

もし、中学生の女の子が、恋を目が合っただけで恥ずかしくなってしまう感情のみが恋だと思っていたとしましょう。そのような彼女が、「ばーさん、お茶」と顔を見ずに湯飲みを差しだす祖父に対して「はいはい」と笑顔でお茶を注ぐ祖母に、「私はこの30年間、旦那さんに恋をしているの」と言われてもどだい理解することはできないでしょう。彼女の恋という感情は体温がぐんと跳ね上がる恥ずかしさなのですから、ほのかに温かい思いやる気持ちを恋という感情に結び付けることはできません。

このギャップを埋め、感情の幅を広げる手助けになるのが、読書だと私は思うのです。先ほどの例でいえば、60代の女性が祖父と仲睦まじく暮らす恋愛小説だったり、吉本ばななの「キッチン」のようなエッセイであったり、エーリッヒ・フロムの「愛するということ」であったり、を読めば、彼女の恋という感情はぐんと広くなり、祖母の恋を理解することができるでしょう。


私は小説だけでなく、すべての本に書き手の感情が込められていると考えています。哲学書でもビジネス書でもマンガでも、です。

仕事の時間を短縮するHow to本の作者は、仕事を最短時間で仕上げて捻出した時間を家族と過ごしたり、友人とフットサルをする時間にあてたりして、人生をより楽しめるようになることを願って書いているはずです。
不思議な力をつかって海賊王を目指す少年マンガの作者は、自分の夢を公言することは決して恥ずかしいことでなく、初めは自分一人の夢だったものがチームメイトの夢になるように、夢を応援してくれる人は必ず現れるということを伝えたくて書いているはずです。

私たちは様々な本を読むことで、書き手の感情を知ることができます。その感情はまだ自分の中にはない感情かもしれません。新しい感情に触れることで、自分の感情の種類と幅が広がっていくのです。

読書中は、私たちは書き手の感情とともに、世界を眺めることができます。それは、例えるならば、書き手が座っていた【椅子】をどうぞと譲ってもらっている状態だと私は考えるのです。

その椅子は体全体を包み込む柔らかな布地のソファーのようであったり、樫の木で作られた長時間座るにはお尻が痛いものであるかもしれません。時には、自分には小さすぎて座れなかったり、椅子の脚が長すぎて座るのが難しいかもしれません。あるときはビーチのパラソルの下の椅子かもしれませんし、電車のホームの椅子かもしれません。

このように素材も視点の高さも置いてある場所もバラバラな椅子に腰かけて、その椅子から世界を見てみる。それが読書だと思うのです。

様々な椅子に座ることで、自分の人生では体験することのない出来事を体験できるかもしれません。その出来事で得た感情は、100%が自分の感情になるわけではありませんが、自分の感情の幅を広げ、自分の人生に良い影響を及ぼすのではないかと考えます。私たちは【椅子】に座ることで、【感情】を借り、自分の人生を変えることができると思うのです。

私はこのように考えたので「読書は人生の椅子だ」と書きました。

どうにも合わない椅子に巡りうときもあります。そのときには、すっと立って新しい椅子を探せばいいのです。ずっと一つの椅子に座っていなければならないルールはないのですから。

読書はあなたが思っているほど、たいそうなものではありません。座り心地が悪いなとか場所が気に入らないなと思ったら、座る椅子を変えたり、見晴らしのいい場所に椅子を移動させていいのです。読書は、椅子のように身近な存在で、カジュアルに扱えるものです。


長くなりましたが、これが私あんどーなつの読書に対する考えです。これを読んであなたの読書が有意義なものになったら幸いです。

~Fin~






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