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2021.3.31(水)Sound Horizon Around 15周年記念祭@パシフィコ横浜ライブレポ

Sound Horizonのライブ参戦は本当に久々で、前回は6年前の2015年、9th Story Concert 「Nein」〜西洋骨董屋根裏堂へようこそ〜だった。
リンホラを含めると3年ぶりだけど、こっちも滅多に開催しないのでRevo主催のコンサートは下手すれば五輪よりも周期が空く激レアイベントなのだ。

チケットの値段は一般席で約2万5千円。
コロナ禍中とはいえかなり強気の設定に感じる。
SHはチケ代が毎回値上がりしていくので、そこは仕方ない。
全通などはとても出来ないけれど、どうしても観たかったので3公演分購入した。
その後緊急事態宣言が発令されたので、東京の2公演分を泣く泣く払い戻し、結果的にこの千秋楽の横浜公演が唯一の参戦になってしまった。

Revoさんはストコンに於いて必ず千秋楽に何らかの爆弾をブチ込んでくる男として定評がある。
私もある程度心づもりしてパシフィコへ足を運んだが、予想を遥かに超えたブッ飛びぶりだった。
以下は当日のセトリ。

第一部
1.星空へと続く坂道
2.狼欒神社
3.夜の因業が見せた夢
4.贖罪と焔の息吹
5.生きているのはボクだけなんだろ?
6.恋は果てまで止まらない

第三部
1.食物の連なる世界
2.生と死を分かつ境界の古井戸
3.Mother
4.魔法使いサラバント
5.ゆりかご
6.檻の中の箱庭
7.即ち…星間超トンネル
8.国歌

全6公演中「生きているのはボクだけなんだろ?」を披露したのはこの千秋楽のみらしい。
これを入れてくる可能性は予想はしていたが、まさか本当にやるとは…。
まさに"Revo"って感じだ。
猫を虐待する少年の歌でちょっと苦手なので(曲調も怖い)、出来ればやらないでくれ…少女の方にしてくれ…と思っていたら、満を持して少年がバットを担ぎ出てきたのでもう笑うしかなかった。
こうなったら腹を括るしかないのでオペラグラスでくまなく凝視。

猫虐待少年が、妄想代理人の少年バットよろしく不気味にステージに佇んでいる。
その後ろに眼鏡を掛けたスーツ姿の成人男性。
あまりSHっぽくない異色な感じだ。
どことなく半沢の渡真利忍(インテリミッチー)を思わせる。
演じるのはハセガワダイスケさんという人で、
ジョジョ五部のアニメを見ていた私は感動した(RevoさんもMCでしっかりジョジョいじりしていた。アニメを見てオファーしたのかな)。
スーツの男は少年の成長後であって、なんとなく教師風でもあるから姫子の担任かもしれないなど色々想像が掻き立てられる。
少年は紫色の服、月のシンボルの帽子を身に付けていた。どれもSHでは死を連想させるモチーフだ。
曲中でも冥王のフレーズが流れているし、死の側に立つ役割が与えられているのだろう。
ハセガワさんの演技は狂気的でかなり怖かった。
後の第三部でも少年とハセガワさんは度々介入してきては結末を恐怖仕立てにしていくので凄かった。SH界に居そうで居ない人物。フルでも厄介な存在になるのだろうと思わされた。

その他の絵馬に願ひをの曲もどれも生で聴くのは初だったのでブルーレイで見るのとは全然違う趣きがあった。
神社のセットも豪華。登場人物達の衣装もSHには珍しい現代の学生服だったりしたけど、決して安っぽいテロテロな感じなどではなくきちんとイラストそっくりに再現されていた。

狼欒神社は今回のリード曲なので盛り上がった。
いつものシンクロリストバンドも一体感があってとても綺麗。
選択肢のシーンで赤色、水色、紫色とメロディに合わせて光るのでそれが意味深でよかった。
SHは色に特別な意味を持たせるので見逃せない。
今回はプロローグエディションなので物語が突然ブツ切りになるのが個人的にはかなり残念だった。こんな世の中とはいえRevoさん自身もきっと本意ではなかっただろう。
最後のMCでもいつになく言葉に悔しさを滲ませて、これが本来の形ではないと語っていた。
無事にフルがリリースされて宙ぶらりんになっている物語の全容が明らかになればいいなと願う。

今回のRevoさん扮する似非は神社関係者。顔や名前すら明らかにされていない全てが謎の人物。
出で立ちこそミステリアスな彼のMCがRevoとじまんぐが融合したようなテンションだったのでちょっと驚いた。
じまんぐ不在の今、Revoさんが彼をも兼任するようになったのかと思ってしまった。
MCで犬彦役の廣瀬さんに女将をやらせたいような話もしていたし、今後は廣瀬さんにじまんぐのポジションを任せたいのかな…。
切ないけどこの世に変わらないものはないし、去る人もいれば加わる人もいる。

第二部はヴァニスタとNeinにまつわる話だったかと思う。
コアな内容だった。
平日の月末、オマケに千秋楽で高額のチケ代を支払い参戦している猛者揃いなので、全て識っている前提で話が進んでいく。何気にすごいことだ。
私もローランになってそろそろ14年目くらいになるので何とかついて行けているが、さすがに初見バイバイ感があった。濃ゆすぎる…。

第三部は今までの既存曲が披露されるので一番楽しみにしているパートだった。
過去曲を生で聴くのはあまりに久しぶりだったのでノリ方を覚えているか少し心配だったけど全く心配することはなかった。
脳と体に刻み込まれているらしく腕が勝手に動いてしまっていた。自分でもびっくり。
食物と古井戸が懐かしすぎてしめやかに泣いてしまった。もう楽しすぎて永遠に続いてほしい。
Motherのステンドグラス背景も三次領拡を無性に思い出させて泣けた。
心が想像以上に領拡を求めているんだな…。
色々と難しいのかもしれないけど、こういう過去曲盛り沢山のライブをまたやって欲しい。
最早何の曲が来ても嬉しすぎて泣けるレベルになっている。
アコナイは高額すぎて参加できず。もう少しでもリーズナブルなお値段で開催してくれたら個人的に有り難い…。
サラバントは本物のバイクがステージに出てきて破茶滅茶に意味不明だったけど明るい病気アニメみたいで見ていて元気が出た。
ゆりかごも和楽器アレンジが素晴らしすぎてこれ単体で音源を売って欲しいくらい良かった。
選択肢が突然出てきて何事かと思ったし、その結果もものすごく怖かった。皆のSAN値が急激に下がったのか、拍手もまばらだったのが記憶に強く残っている。
檻の中の箱庭ではまた泣いた。Neinの曲は良すぎる…。シンクロライトの七色がとても綺麗で、ダンサーさんも格好良くて夢中で見てしまった。
最後の星間超トンネルは楽しすぎて頭が狂うかと思った。
(家に帰るまでがライブなのできちんと正気を保ちつつ帰りました)

とにかく第三部は大満足すぎるクオリティだった。
Revoさん、コンサートに携わった全ての方々、本当にありがとうございました。


余談だけど私の今回の席は参戦史上最も遠い、一階の後ろから三列目だった。
二万五千円でこれか〜という落胆があったけど、
視認性はオペラグラスでカバー出来たし、なによりライブ内容が楽しすぎたので値段相応の価値が十二分にあった。
音響についてもパシフィコは良かったと思う。
ただ音量が思いの外大きかったので、前列の人はライブ用耳栓を着けていった方がいいかもしれない。


やっぱりSHは心の健康にいいなぁとしみじみ思う。
時間があっという間に過ぎてしまう。本当に楽しい。体感3分というのも全然大袈裟な表現じゃない。
ただ、他のアーティストに比べてあまりにもライブ頻度が少ないので、終わるとき次はいつになるのだろうとものすごく寂しくなってしまう。
寂しさは僕らの宝石だといつかRevoさんがローランに話してくれた。楽しい思い出だからこそ寂しくなれるのだと私も思う。とても素敵なことだ。
次に皆が集まるときは、声が出せて全力で盛り上がれる世の中になっていて欲しいと願わずにはいられない。
そして、願わくばフルエディションは年内にリリースされると嬉しいな…。
4月のスタートを乗り切る元気が貰えた良きライブでした。

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今回のライブで貰った御朱印。
早速御朱印帳の1ページ目を飾っていただいた。
パシフィコ横浜で謎の神社の御朱印を配布するアーティスト、それがSound Horizon…。





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