【ポケモンSV ゼロの秘宝】DLC後編で回収されるかもしれない伏線まとめ
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLC『ゼロの秘宝 後編・藍の円盤』の配信日が12月14日(木)に決定したことを記念して、DLC後編『藍の円盤』で回収されるかもしれない『スカーレット・バイオレット』本編とDLC前編『碧の仮面』における伏線をまとめてみました。
1│スカーレット/バイオレットブック
(1)謎の記号
エリアゼロ中層、第3観測ユニットを出て、左へ進んだ先にある洞窟。その中に描かれた地上絵のような「謎の記号」。
ストーリー最終盤「ザ・ホームウェイ」以降、エリアゼロへ行き、この「謎の記号」を実際に見ることができる。
しかしこの「謎の記号」、スカーレット/バイオレットブック以外では一切言及されないため、これが何を意味しているのかは不明である。
ただし、「謎の記号」をパルデア地方の地図と重ね合わせた時、各交点の位置が今作の準伝説ポケモン(通称、四災)が封印されている祠の位置と一致することから、四災との関連が疑われている。
ヘザーがスカーレット/バイオレットブックで言及しているように、「帝国時代に財宝探索に訪れた者が描いた」のならば、四災に滅ぼされたという王国も関係しているのかもしれない。
また、「謎の記号」は『スカーレット・バイオレット』のタイトルロゴの四隅のマークの1つ(右上)に対応しているとみられる。
(2)謎のプレート
エリアゼロ最深部、第4観測ユニットを出て、真っ直ぐに少し歩いた先に置かれている「謎のプレート」。
「謎の記号」と同様に、ストーリー最終盤「ザ・ホームウェイ」以降、エリアゼロへ行き、この「謎のプレート」を実際に見ることができる。
しかし、スカーレット/バイオレットブックの挿絵の岩に埋もれたプレートの下にある長方形のプレートはエリアゼロのどこを探しても見つからないため、おそらく紛失しているのだろうと思われる。
エリアゼロのプレートでは、スカーレット/バイオレットブックの挿絵では岩で隠れていた部分を見ることができる。
左半分には下に正三角形(△)、上に二等辺三角形(▽)、そしてその頂点が重なっている謎の記号が描かれており、記号の右には00と意味深な数字が刻まれている。
この謎の記号は、『スカーレット・バイオレット』のタイトルロゴの四隅のマークの1つ(左上)に対応していると思われる。ただし、三角形が扇形であったり、上の図形の角が繋がっていなかったりといくつか差異がみられる。
また、この謎の記号の意味については、
①パルデアの大穴の構造を表している説
②光円錐をモチーフにしている説
の2つの仮説がネット上で散見される。
まず、①について。
上の二等辺三角形(▽)がパルデアの大穴の上層部を、三角形の頂点が重ね合わさっている部分がエリアゼロを、下の正三角形(△)がDLCで追加される未知の最深部を表しているとする仮説である。
ブライアによる「エリアゼロのさらに奥」という発言からエリアゼロに未知の最深部があることがほぼ確定した。詳細は後述「(4)円盤のポケモン」へ。
次に、②について。
光円錐とは、光がある1点から放出されたときに、時間を含めた3次元でどのように進むのかを図にした物。上記の画像は二つの水平軸を二つの空間次元に、一つの縦軸を時間にわりあてた図。
光円錐は謎の記号と図形として似ているだけでなく、時間と空間についても説明しているため、パラドックスポケモンの矛盾点を解決するヒントとなり得る。
なお、①と②の説は両立が可能。そのため、謎の記号は2つの意味を持っているとも考えられる。
右半分には、プレートについての説明と思われる文字列と、各地に小さな点が打たれたパルデア地方が刻まれている。
この文字列は『スカーレット・バイオレット』のゲーム内で確認することができ、一行目はポケモンリーグ、二行目はスカーレット/バイオレットブック「エリアゼロ全体図」のページ、三行目は校長室のホワイトボードにそれぞれ同一の文字列を確認できる。意味はそれぞれ、パルデア(PALDEA)、エリア0(AREA0)、???(不明)であると思われる。
パルデア地方に刻まれた小さい点は、パルデア各地の街の位置と一致し、コサジタウンやピケタウンなどの小さい街から、テーブルシティやハッコウシティなどの巨大な街まで、すべての街を網羅している(この画像からだと、マリナードタウンに点があるか判別しづらいが、一応ある)。そして、中心のパルデアの大穴には十字が記されている。
(3)謎の記憶
スカーレット/バイオレットブックの著者であるヘザーがエリアゼロ最深部で隊とはぐれ、一時的に遭難した際の記憶と、その後発見された時に持っていたメモについてのページである。
左のメモには、上部と下部に六角形が多層的に重なった図が描かれており、真ん中には分数の計算式のような記述があり、それらの説明だろうか?メモ全体にはミミズがのたくったような文字が散見される。そして、左上に他の文字より大きく書かれたタイトルらしき文字もある。
この六角形が多層的に重なった図は、『スカーレット・バイオレット』のタイトルロゴの四隅のマークの1つ(左下)に対応していると思われる。
このメモはヘザーの筆跡らしいのでヘザーが書いたものだろう。しかし、彼はその時の記憶が無いようで覚えているのは、知らない場所で、誰かと話をしたようなこと、のみである。メモに記述された六角形が多層的に重なった図から考えると、その話というのは後述する円盤のポケモンに関連するような内容だったのかもしれない。
だとしたら、作中に登場した人物の中で、円盤のポケモンについての情報を持っていると思われる人物は3人しかいない。そう、オーリム/フトゥー博士及びそのAIとブライアである。
ストーリー最終盤、楽園防衛プログラムを破り、タイムマシンの暴走を食い止め、オーリム/フトゥーAIを正気に戻らせると、オーリム/フトゥーAIは自身がタイムマシンの復旧システムの一部となっていることを悟る。そして、タイムマシンで古代/未来の世界へ旅立つことを主人公達に宣言し、タイムマシンの光の中へ消えていった。
これがオーリム/フトゥーAIの顛末であるが、果たして、本当に古代/未来の世界へ飛ぶことができたのだろうか?
また、『藍の円盤』におけるパルデアの大穴でのストーリーにブライアも同行すると思われることから(詳しくは後述「(3)ブライアの動向」へ)、ブライアが何らかの理由でタイムスリップし、ヘザーと出会う可能性も考えられる。(スカーレット/バイオレットブックの四隅の記号の起源がブライアのジャケットの模様にあると考えても面白い)
(4)円盤のポケモン
スカーレット/バイオレットブック最大の謎である「■盤のポ■■ン?」。
挿絵を見ると、惑星?が六角形の殻に覆われていて、その上にいるカメ?かなにかの胴体に冠が乗っかっているようである。挿絵の四隅には土星のような惑星がいくつか散らばっており、その様はまるで宇宙からの俯瞰視点のようにも感じられる。大穴の奥底のイラストとしてはあまりにもミスマッチな印象。まさしく、文章にある通りポケモンかどうかも分からない謎の存在である。
だが、DLC前編『碧の仮面』にて、その正体がブライアによって明かされることとなった。
林間学校を引率してくれる、ブルーベリー学園の教師・ブライアはスカーレット/バイオレットブックの著者であるヘザーの末裔である。
そんな彼女はスカーレット/バイオレットブックのオリジナル本を持っており、出版された本では塗りつぶされて読めないページを見せてくれる。
そのページは、「■盤のポ■■ン?」のページでは塗りつぶされていた部分を読むことができ、2ページ目には円盤のポケモンが「テラパゴス」と呼称されること、彼の体そのものがポケモンをかがやかせ結晶化させる要因となる物質であることが記述されている。
1ページ目の「六角形が多層的に重なった構造」と2ページ目の「ポケモンをかがやかせ結晶化させる要因となる物質」との記述から円盤のポケモン(テラパゴス)は、エリアゼロの第1観測ユニットにあるオーリム/フトゥー博士が書いたものと思われる手記(下記の引用を参照)に記述された「仮称■■■」と称される六角形が多層的に組み込まれた存在と、同一の存在であると思われる。つまり、円盤のポケモン=テラパゴス=仮称■■■である。
円盤のポケモン(テラパゴス)と仮称■■■は、六角形が多層的に組みこまれた構造、ポケモンやエネルギーを結晶化させるという特徴が共通し、そしてその現象は「テラスタル」と命名される。
なお、2ページはブライアの持つオリジナル本でしか見ることができないため、オリジナルのオーリム/フトゥー博士は「テラパゴス」という名前を知らなかったのではないかと考えられる。だからこそ、第1観測ユニットの手記の仮称■■■は"仮称"であるのだろうと思われる。
ちなみに、レホール先生の授業(「歴史(6) テラスタルの解明」)によると、テラスタル現象が発見されたのは約140年前のことである。しかし、スカーレット/バイオレットブックが出版されたのは200年前であるため、「ポケモンをかがやかせ結晶化させる」現象(=テラスタル)を初めて発見したのはヘザーということになる。何故ヘザーが発見したことになっていないのかは、恐らく出版された本では「円盤のポケモン?」の2ページ目を読むことが出来ないからであると思われる。
ブライアによると、ヘザーがテラパゴスと出会ったのはエリアゼロのさらに奥であると言う。
これは「(2)謎のプレート」の項で述べた、エリアゼロには隠された未知の最深部があるのではないかという仮説を後押しする事実である。
また、ゼロゲートにある排気口のようなユニットは1〜6なのに対し、観測ユニットの数は4つまでであるので、残りの2つ(第5観測ユニットと第6観測ユニット)がエリアゼロのさらに奥にあるのではないかと考えられる。
円盤のポケモン(テラパゴス)と仮称■■■に話を戻す。
『スカーレット・バイオレット』内のテラパゴスにまつわる情報は全て黒塗りが散見された。
スカーレット/バイオレットブックと仮称■■■において、「■盤のポ■■ン?」と仮称■■■はいずれもタイトルや名前が黒塗りで隠されている。
『碧の仮面』以前は、この黒塗りはテラパゴスの能力による認識阻害であると考えられていたが、ブライアの持つオリジナル本に黒塗りがないことからその説は否定される。
では、この黒塗りは一体何なのか?
エンディング後、ペパーとのイベントの際、スカーレット/バイオレットブックの話の流れから挿絵が入っているページとして「■盤のポ■■ン?」のページを紹介される。その時、ペパーから全部の本で「■盤のポ■■ン?」のページの文字がにじんで読めないとの話を聞くことができる。
実際、ブライア曰く、「■盤のポ■■ン?」のページは「出版された本では塗りつぶされて読めない」とされる。
この黒塗りに対して、ペパーは「文字がにじんで」と表現しているのに対して、ブライアは「塗りつぶされて」と表現しており、言い方に差異が見られる。そして、ブライアの持つオリジナル本は塗りつぶされていない。
以上の2点からこの黒塗りは人為的なものであると推測する。
恐らくスカーレット/バイオレットブックの黒塗りは、印刷される前に印刷する本(印刷原本)が何者かによって塗りつぶされたことで起きた現象であると思われる。でなければ、ブライアの持つオリジナル本だけ黒塗りをまぬがれた理由を説明できない。
次に、YouTubeで公開された動画"【公式】『ポケットモンスター スカーレット・バイオレットゼロの秘宝』紹介映像「バトルを盛り上げる新要素と勢そろいする歴代のパートナーのポケモンたち!」"にて、明かされた情報を見ていこう。
本動画では、歴代御三家ポケモンたちが勢揃いすることや、「タケルライコ」と「テツノカシラ」の新情報、そして、19種類目の「テラスタイプ」の存在などが明らかとなった。
中でも注目したいのが、動画[2:30]から登場する王冠と六角形のタイプ結晶である。
この王冠は18種類あるテラスタイプのテラスタルジュエルのどれとも合致しないため、新しく登場する19種類目のテラスタイプのテラスタルジュエルではないかと思われる。また、この王冠は、「■盤のポ■■ン?」のページの挿絵に描かれている王冠と酷似している。
そのため、オーガポンのテラスタルが通常とは異なるように、テラパゴスもテラスタルが通常とは異なるテラスタルになるのではないかと考えられる。
ただし、テラパゴスは「テラスタルフォルム」という名称のすがたが既に確認されているため、テラスタルを2回するのかという疑問が残る。また、ムゲンダイナ(ムゲンダイマックス)のように敵専用フォルム(プレイヤーは使用できないフォルム)の可能性もある。
なお、「■盤のポ■■ン?」のページの挿絵には、六角形のタイプ結晶が描かれていない。六角形のタイプ結晶がテラパゴスの下にある六角形の球体になるのだろうか……?
ちなみに、王冠の土台部分に取り付けられたひし形の宝石は、その形状が『サン・ムーン』及び『ウルトラサン・ムーン』にて登場した、Zクリスタルに酷似している。ポケモン世界において、タイプと宝石の関連性が強いことがわかる。
さらに、「■盤のポ■■ン?」のページの挿絵に描かれている王冠の上にある光り輝く六角形と紹介映像の王冠の上にある六角形がよく似ている。恐らく、この六角形はポケモンがテラスタルする際に頭上に現れるテラスタルマークであると思われる。
2│パラドックスポケモン
(1)時系列の矛盾
スカーレット/バイオレットブックには、エリアゼロに棲む、パラドックスポケモンの挿絵が描かれており、巨大で凶暴/小型で残酷な生物などと紹介されている。
主人公たちは「ザ・ホームウェイ」にて、エリアゼロへ行き、パラドックスポケモンたちがエリアゼロを闊歩している光景を実際に目撃することになる。そして、その道中でオーリム/フトゥーAIからその正体が次のように語られる。
エリアゼロに棲む、恐竜/ロボットじみたポケモンの正体はタイムマシンによって呼びだされた古代/未来のポケモンであった。
だがしかし、スカーレット/バイオレットブックにパラドックスポケモンが描かれている通り、彼らの存在は200年前から確認されている。これは、オーリム/フトゥーAIの証言と矛盾する。だが、オーリム/フトゥー博士は第3観測ユニットの手記にこう残している。
「あの本が 現実となる時は 近い」
この記述から読み取れるように、オーリム/フトゥー博士がエリアゼロに足を踏み入れた時にはパラドックスポケモンは存在しなかったようである──だからこそ、オーリム/フトゥー博士はタイムマシンを作り出したのだと思われる。
つまり、この手記を信じる限りにおいては、オーリム/フトゥーAIの証言に矛盾はないのである。
では、タイムマシンがないにも関わらず、何故パラドックスポケモン達は200年前にエリアゼロに生息していたのだろうか?
この矛盾点にはペパーも言及しており、先述したペパーとのイベントで次のように指摘している。
この矛盾点の説明は後述「(2)幻のポケモン イメージ」へ
(2)幻のポケモン イメージ
スカーレットブックの「幻のポケモン イメージ」のページには、スイクン、ライコウ、エンテイの3匹が、バイオレットブックには、コバルオン、ビリジオン、テラキオンの3匹が、合体したような挿絵が描かれている。
これらの挿絵は、観測隊員がエリアゼロに棲む、パラドックスポケモンたちの特徴をベースにエリアゼロに幻のポケモンがいたらどういう見た目かと想像しながら描いた、とされる。つまり、この挿絵のポケモンは現実には存在しない、想像で描かれた文字通りの幻のポケモンである。
しかし、Pokémon Dayに公開された「Pokemon Presents 2023.2.27」にて、スイクンとよく似たパラドックスポケモン・ウネルミナモと、ビリジオンとよく似たパラドックスポケモン・テツノイサハが登場し、続く「Pokémon Presents 2023.8.8」にて、ライコウとよく似たパラドックスポケモン・タケルライコと、コバルオンによく似たテツノカシラが発表された。
恐らくは、この流れで『藍の円盤』にて、エンテイに似たパラドックスポケモンと、テラキオンに似たパラドックスポケモンが登場すると思われる。
つまりは、本来なら存在しないはずの架空のポケモンが、実際に登場するという奇妙な事態が起こっているのである。
もちろん、この幻のポケモンの挿絵は「パラドックスポケモンたちの特徴をベース」にしているため、ウネルミナモやテツノイサハなどをベースに描かれた可能性もある。だがその場合、何故合体しているのか、別々に描くのではダメだったのか等の疑問が残る(テツノブジンのようにサーナイトとエルレイドが合体したようなポケモンがスカーレット側にも存在するのだろうか……?)。
スイクン、ライコウ、エンテイは、ジョウト地方に次のような伝承が残されている。
この「よみがえったポケモン」というのがスイクン、ライコウ、エンテイであり、「にじいろのポケモン」がホウオウである。
この伝承より、ウネルミナモやタケルライコ、そして登場するであろうパラドックスエンテイは、次のように考えることができる。
①ホウオウが蘇らせる前の姿。
(名もしれぬポケモン説)
②ホウオウがウネルミナモ達をモデルにして、名もしれぬポケモンをスイクン達にデザインした。(モデル説)
③完全に別種であり、スイクン達とは無関係のポケモン。(赤の他人説)
④蘇らせた伝承は嘘であり、実際には起きていない
①は「名もしれぬポケモン」=ウネルミナモ達という説である。この場合、ウネルミナモ(名もしれぬポケモン)→火事で亡くなる→スイクンとして蘇る、という解釈になる。
②はスイクン達と直接的には関係ないが、モデルにはなったという説。別種のポケモンであるという意味では③に近い。
③は赤の他人。完全に無関係のポケモンであるとする説。下記の「テラスタルの想像や願望を具現化する能力で創造されたとする説」では③となる。
④は伝承そのものが嘘であり、実際には起きていないとする説。『ルビー・サファイア』のグラードンとカイオーガが実際には争っていない(※)ように伝承はあくまでも伝承であるとする解釈。
上記「(1)時系列の矛盾」におけるパラドックスポケモンの矛盾点と架空のポケモンが実際に登場するという不可解な事象を説明するための説として、ここからは「テラスタルは想像や願望を具現化する能力がある」とする説を紹介する。
まず、この説はスカーレット/バイオレットブックの「幻のポケモン イメージ」のページを発端としている。上記の通り、架空のポケモンが実際に登場するという不可解な事象が発生している。
想像のポケモンなのだから、実際に登場してしまえば、それはもはや新たなポケモンの創造である。そして、それを可能とするのが、テラスタルであるとする説である。
本題に入る前にテラスタルとは何かについて少し解説しよう。
フトゥーAIが言うようにテラスタルとは、エリアゼロ内部の結晶体のエネルギーによって生物の能力を変化させたり、機械の性能を上昇させたりすることである。
また、テラスタルオーブはエリアゼロの結晶体を元にできており、恐らくはテラスタルオーブの中に格納されたジュエルはエリアゼロが原産であると思われる。
そして、『碧の仮面』で判明したことの一つに心がテラスタル結晶に作用することがある。
オーガポンのテラスタル特性「おもかげやどし」の説明から心がテラスタル結晶に作用することが示唆されており、ポケモンの精神とテラスタル結晶には繋がりがあることが判明した。
つまり、テラスタルには、生物の能力を変化させたり、機械の性能を上昇させたりするだけでなく、結晶とポケモンの心を繋げる効果があると考えられる。
ここで、テラスタルは結晶とポケモンの心を繋ぎ、ポケモンがなりたいタイプへと変身させる作用がある、と仮定する。より具体的に言えば、テラスタル結晶は心が繋がった者の欲望を叶えるように振る舞う、と仮定する。
すると、パラドックスポケモンの矛盾点と架空のポケモンが実際に登場するという不可解な事象を説明することができる。
パラドックスポケモンが200年前にもエリアゼロに存在していた矛盾点だが、これはエリアゼロ観測隊が「見たこともないポケモン」を望み、想像を膨らませたことによって、パラドックスポケモンがテラスタル結晶に生み出されたから、と説明することができる。
実際、「エリアゼロの冒険」に記述された「見たこともない地形」、「見たこともない植物」、「見たこともないポケモン」のいずれもエリアゼロに存在していた。
そして、架空のポケモンが実際に登場するという不可解な事象は、「幻のポケモン イメージ」のページを観測隊員が描いたことが発端であると思われる。恐らく、ヘザー含むエリアゼロ観測隊がエリアゼロへ立ち入った200年前にはウネルミナモ達は存在していなかっただろう。なぜならば、観測隊員はあくまでも想像で描いたからである。実際に存在していたらそんな絵を描く必要はなかったはずである。そのため、ウネルミナモ達が生み出されたのはオーリム/フトゥー博士がタイムマシンを作り上げてからであると思われる。
オーリム/フトゥー博士は子供の頃からスカーレット/バイオレットブックが大好きであった。そして、博士は古代/未来のポケモンに熱心で、古代/未来のポケモンと今のポケモンが仲良く生きる世界を夢見ていた。だからこそ、タイムマシンをその生涯をかけて作り上げた。
タイムマシンはオーリム/フトゥー博士とそのAIがテラスタルの力を使い、作り上げた物である。また、AIも今の科学技術では実現不可能なところをテラスタルの力で実現可能にしている。
これは逆に言えば、テラスタルがなければタイムマシンはおろか、AIすら実現不可能だったということである。
つまり、テラスタルはオーリム/フトゥー博士の古代/未来のポケモンに会いたい、スカーレット/バイオレットブックを再現したいという願望を具現化したと考えられる。
よって、タイムマシンから呼び出されたパラドックスポケモンはテラスタルの力で生み出されたポケモンであると説明できる。
他にも「テラスタルは想像や願望を具現化する能力がある」とする説を補強する材料として、ともっこに繋がれた「どくのくさり」が挙げられる。(ただし、直接的にはテラスタルとは関係ないと思われる)
ともっこのマップ説明と図鑑説明には「どくのくさり」がともっこの願望を具現化した旨の記述が見受けられる。「テラスタルが想像や願望を具現化する能力がある」とすれば、「どくのくさり」はテラスタルと同じことをしていることになる。
また、キラフロルの図鑑説明からテラスタル結晶は毒エネルギーが結晶化したものと似ていると明言されていることから、「どくのくさり」≒「テラスタル結晶」であることが示唆されている。
(ちなみに、テラスタルが想像や願望を具現化する代償として対象者は精神を汚染されることになると思われる。例えば、オーリム/フトゥー博士は人手不足の状況でも「新たな人間を招いてもすぐには信用できない」と疑心暗鬼になっていた。
さらにスグリもストーリー中盤から主人公やゼイユに対して、「裏ではおれのこと笑ってたんだ」と被害妄想を膨らませていた。
もちろん、スグリに関しては生来の気質である可能性はあるが、ゼイユが普段のスグリとは違うと発言していたため、その線はないと思われる。
これらの事例から考えると、テラスタルが想像や願望を具現化する代償として対象者は精神を汚染され、疑心暗鬼や被害妄想などを発症し、精神的に不安定になると思われる)
(3)コライドンとミライドン
オーガポンは持ち物の仮面によってタイプとテラスタルした姿が通常とは異なるという特徴を持っており、ポケモン図鑑の表紙の右側に特別なマーク(テラスタルマーク)が表示されている。
なお、準伝説、パラドックス、一般ポケモンにはモンスターボールのマークが表示されており、テラスタルマークではない。
また、このテラスタルマークはコライドンとミライドンにも表示されており、オーガポンと同じく道具による専用テラスタルが期待される。
まとめた画像がこちら。
(4)ペパーのマフィティフ
「ザ・ホームウェイ」にて、第1観測ユニットと第2観測ユニットの間でペパーから次のような話を聞くことができる。
この会話からペパーのマフィティフを傷付けた存在がいることがわかる。『スカーレット』版、『バイオレット』版でペパーのセリフが異なることや、「凶暴で荒々しい」、「鉄っぽい機械みてえな」という表現から、マフィティフを襲ったのはパラドックスポケモンであると思われる。
パラドックスポケモンの中でマフィティフを襲ったと考えられる候補としては、
①トドロクツキ/テツノブジンなどといったストーリーに直接登場しなかったポケモン。
②タケルライコ/テツノカシラなどの『藍の円盤』から登場するポケモン。
この2通りだろうと思われる。
マフィティフの怪我がポケモンセンターでは治すことができず、秘伝スパイスを食べさせることでしか治らない異質な怪我であったということを考えると、特別なポケモンにやられた可能性は高い。
3│碧の仮面
(1)看板の人型シルエット
林間学校のオリエンテーリングで探すことになるキタカミの里の昔話が書かれた看板には5つのシルエットが描かれている。
中でも注目したいのは、右側の4つのシルエットである。左から順にマシマシラ、イイネイヌ、キチキギスが描かれており、特に謎なのが一番右の人間と思われる人型シルエットである。
この人間らしきシルエットは、ゼイユとスグリの祖父による昔話には全く登場せず、影も形もない。しかも、これら3つの昔話の看板にも一切登場せず、謎の存在となっている。
一応、このシルエットに言及するNPCがいるので、全く言及されていないわけではない。
しかし、これといった情報がないのもまた事実。なので上記の看板を詳しく見てみよう。
看板のシルエットはともっこたちによる鬼退治の様子が描かれた絵であると思われる。そして、人間はともっこたちへ鬼を退治するよう指示しているように見える。『碧の仮面』のストーリーのモチーフとなったと思われる日本の昔話『桃太郎』のストーリーから考えると、人間はともっこの3匹をお供にしていると思われる。つまり、人間とともっこは主従関係にあるということである。
実際、ともっこの分類は「けらいポケモン」であり、なにかに付き従っていたことが示唆されている。
しかし、不可解なのが、看板のともっこのシルエットには、毒の鎖が描かれていないのだ。ゼイユとスグリの祖父による昔話のシルエットから、ともっこがキタカミの里へ来た時点で、既に彼らは毒の鎖に繋がれているはずである。
さらに、お面屋に陳列されたマシマシラのお面には毒の鎖と思われる紫色の鎖がちゃんと描かれているのだ。また、ともっこプラザのともっこ像にも毒の鎖が繋がれた部位に赤紫色の頭巾や前掛けが着せられている。
にも関わらず、歴史の看板の鬼退治のシルエットには、毒の鎖が描かれていない。これは明らかに他の伝承と矛盾している。したがって、昔話の看板のシルエットが間違っているのだと思われる。
以上を考慮して、人間らしきシルエットを考えると、その存在が疑わしく感じてこないだろうか?
そもそも、この人間は昔話の看板にしか登場していないのである。その看板が間違った情報を含んでいるのなら、人間も実際には存在していないのではないか、と考えても仕方ないだろう。
上記のNPCの言う通り、シルエットの人間がともっこたちのトレーナー、いわば桃太郎であるならば、昔話の看板のストーリーに登場するはずである。しかし、全く登場しないので昔話の看板のシルエットは里の人々による創作であると考えられる。
(ゼイユとスグリの祖父による昔話によれば、加害者はともっこであり、鬼はあくまでも被害者である。里に降りたのも、ともっこに盗られた仮面を取り返そうとしただけである。そういった背景から、看板のストーリーは里の人々による一方的な解釈によって作られた創作であったと考えられる。よって、看板のシルエットも創作された可能性が高いといえるだろう)
(2)欲深い"4匹目"のポケモン
欲深いポケモンとは、キタカミの里に異国より訪れた男と鬼へお面職人より贈られた4つのお面を狙う数匹のポケモンのことを指す。
以下はスグリとゼイユの祖父より語られる歴史の回想で、欲深いポケモンが登場する一場面。
これら回想のイラストに描かれた複数のシルエットは、左上がキチキギス、左下がマシマシラ、右下がイイネイヌである。
しかし、よく見てみてほしいのが、まだ右上、イイネイヌの耳辺りの部分にもなにかシルエットがあるように見えないだろうか?
このイイネイヌの上にあるシルエットは、一見するとイイネイヌの手にも見える。だが、イイネイヌとは別に独立して動いていることから、ともっこたちとはまた別のポケモンであると思われる。
▼gif画像に加工したものがこちら
gif画像を見る限り、シルエットはイイネイヌとは別に独立して動き、フェードアウトしており、単体のポケモンであることが伺える。
また、この直前の「数匹の欲深いポケモン」が登場する場面にもこのシルエットは存在していることから、「数匹のポケモン」とはともっこたち3匹とこのシルエットのポケモン1匹の計4匹を指しているのだと思われる。
このシルエットのポケモンの正体は不明だが、ともっこたちの仲間、あるいは主(あるじ)である可能性がある。
上述した通り、ともっこたち3匹の分類は「けらいポケモン」であるため、何かに仕えていたことが示唆されている。その仕えていた主というのが、シルエットのポケモンではないかということだ。
また、キタカミセンターに飾られている提灯に描かれた9つのタイプの内、8つはオーガポンとともっこのタイプであることから、シルエットのポケモンはゴーストタイプではないかと思われる。
(3)ブライア先生の動向
『碧の仮面』冒頭、ブルーベリー学園の教師・ブライアは、スカーレット/バイオレットブックについて話したあと、「テラパゴスを見つけ、ヘザーの正しさを証明する」という夢を語る。
ヘザーの執筆したスカーレット/バイオレットブックはレホール先生の授業(「歴史(5) 大穴の探検記」)によれば、「中身は信じられない描写や嘘みたいなイラスト夢物語ばかり」であったために、大衆はヘザーを嘘つき呼ばわりしていたとされる。
このようなスカーレット/バイオレットブックの悪評を覆すために、ブライアはテラパゴスを探しているのだと思われる。
しかし、1つ疑問がある。
それは何故パラドックスポケモンや秘伝スパイスなどではなく、最後ページに少ししか載っていないテラパゴスに拘っているのだろうか、ということである。
スカーレット/バイオレットブックの悪評を覆したいのなら、黒塗りで隠されていたり、オリジナル本でしか見れないページのテラパゴスに拘るよりも、パラドックスポケモンや秘伝スパイスの存在を証明するほうがよっぽど有意義であるだろう。
また、「夢」といえば本作ではオーリム/フトゥー博士も自身の夢に拘っていた。結果として、オーリム/フトゥーAIと主人公によって阻止されるが、その夢は「楽園防衛プログラム」というポケモン世界における禁じ手を用意するくらい守りたかったものである。
これは余談だが、ヘザーとブライア、お面職人と姉弟(ゼイユとスグリ)の関係は根底が同じであるように思われる。先祖と子孫の関係であり、先祖は嘘つき呼ばわりされ、子孫はその悪評を覆したい。スカーレット/バイオレットブックの著者であるヘザーとその子孫ブライア。オーガポンの真実を語り継ぐお面職人とその子孫である姉弟。この両者には「真実と嘘」が共通するテーマであるように思う。
『碧の仮面』では、スグリがオーガポンは悪者ではないと里の人々に言い回ったことで悪評を覆すことができた。『藍の円盤』では、果たしてブライアはテラパゴスを見つけ、ヘザーの悪評を払拭することができるのだろうか。
林間学校のオリエンテーリングが終わり、ブルーベリー学園のメンバーは大穴関係で進展があったとのことで一足先に帰ることになる。
この「大穴関係の進展」とは一体なんなのか?
パルデアの大穴の内部調査の申請が通ったということだろうか?
恐らく『藍の円盤』は、ブルーベリー学園でのストーリーと、パルデアの大穴でのストーリーの2つが展開されると思われる。
パルデアの大穴でのストーリーには、ブライアも同行する(ブライアの大穴調査に主人公が同行する?)形になると思われ、エリアゼロのさらに奥へ行くことになるだろう。
ちなみにクラベル校長の許可が何故必要なのかだが、恐らくクラベル校長はエリアゼロにタイムマシンがあることを知っているからであると思われる。
ブルーベリー学園でも授業を受けられるようなので、ブルーベリー学園の教師であるブライア先生の授業も受けられると思われる。テラスタルマークのイヤリングをしていることや、公式サイトに「好奇心旺盛な性格で、テラスタルにも関心を寄せています」と記載されていることから、恐らく、ブライアの専門はタイプ学またはテラスタルであると思われる。
最後にブライアが着ているジャケットの模様について。ブライアのジャケットの模様は左側がバイオレットブック、右側がスカーレットブックの模様である。バイオレットブックには雷の模様が、スカーレットブックには二重らせんの模様が刻まれている。
つまり、ブライアは本来存在しないはずの本(『スカーレット』ではバイオレットブック、『バイオレット』ではスカーレットブック)の模様の意匠が施された服を着ているのである。本来ならばこの2つの本は両立し得ないもので、どちらかしか一方しか存在しないはずである。
『オメガルビー・アルファサファイア』の「エピソードデルタ」で言及されたようにポケモンシリーズには「並行世界」という概念がある。
バトルリゾートにおいて『オメガルビー』ではアオギリが、『アルファサファイア』ではマツブサが、自分たちこそが伝説のポケモンを目覚めさせ世界を危機に陥れていた可能性を語る。ここから『オメガルビー』と『アルファサファイア』という2つのソフトは、限りなく同じだが違う可能性の並行世界であると言える。
『スカーレット』と『バイオレット』の場合、「違う可能性」とは、ヘザーがエリアゼロで観測したパラドックスポケモンの古代/未来の違いによるものであると思われる。古代のポケモンなら、『スカーレット』へ、未来のポケモンなら『バイオレット』へ世界が分岐する。その後、『スカーレット』世界ではオーリム博士がタイムマシンを作り、『バイオレット』世界ではフトゥー博士がタイムマシンを作る。すなわち、スカーレット/バイオレットブックこそが『スカーレット・バイオレット』世界の分岐点であると考えられる。
その意味で言えば、スカーレット/バイオレットブックの著者の子孫であるブライアが2つの並行世界の要素を両立させているのには納得がいく。ヘザーが『スカーレット・バイオレット』世界を分岐させたのならば、2つの世界を統合させるのはブライアであると考えることができる。
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