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2019年 上半期のおすすめ洋楽アルバム

洋楽が好きだ!いっぱい聴いてる!と言っても英語できんから、歌詞全然わからんわ…。という問題点をいまさら感じてます。

歌詞も理解した上で、そのアルバムがこうであると考察できる人ってすごいですよね。自分はそれができないので楽曲を聴いて「主観やトレンド性、ちょっと客観性」を持って判断していると思っているのですが、言葉ではなく音に引っ張られる分ポップさが大事なフックになっていることに気付かされます(だからインディー・ロック大好き)。

ここでは2019年1月〜6月にリリースされたアルバムを主に紹介していきます。アルバム名からはSpotifyへのリンクできます。それでは、よい音楽に出会えますように。

年の始まりはJames Blakeから。まったり系三選

ジェイムス・ブレイク/Assume Form

2019の年のはじまりとともに、早速大好きなJBさんの新作発表を聴いてガッツポーズできたのは嬉しかった。あの衝撃的な1stが2011年だったことを考えると、もうそんなに時間が経ってしまったのかと驚きを感じてしまいますが、これまでファンを長く待たせず精力的に作品を発表してきた彼の4thアルバム。トラヴィス・スコット、アンドレ3000などのHIP-HOP勢や音楽的に感度の親しいモーゼス・サムニーなど積極的なコラボも注目の中、個人的に好きなのはBBC Soundsにも選ばれたスペインのシンガー、ロザリアとの楽曲「Barefoot In The Park」。自身も注目のアーティストで、モダン・フラメンコとも呼べる彼女とのバラードはJBの深淵世界と混ざり合って、不思議なハーモニーを聴かせてくれます。全体的にゆったりした歌ものが多めで、1stの次に好きな作品ですね。

ザ・ジャパニーズ・ハウス/Good at Falling

続いてはイギリス出身の女性シンガーソングライター、アンバー・べインによるプロジェクト。E.P.リリース時からずっと注目していたので、待ちに待ったアルバムリリース。The 1975のマシュー、ジョージがプロデュースを手がけており、1975でも見られるアンビエントなエレクトロニカと、一見男性?とも思わせる中性的な透き通った声が特徴的。チル・ポップというか寒そうな雰囲気を感じさせながらもしっかりポップであるということがなによりもイイ!

ビッグ・シーフ/U.F.O.F.

ブルックリンを拠点に活動するエイドリアン・レンカーを中心とする4人組。インディー・フォーク界のキラキラ輝く宝石のようなバンドだ。4AD移籍後初となるアルバム。くぐもったようなウィスパーボイスと、フォーキーでレトロなメロディが組み合わさったサウンドは感動的であり、ちょっとセンチな気分にさせてくれる。Pitchforkでは採点が9.3と怖いぐらい評価されてて、ベストアルバム系では常連さん、前作も最高。

振り返ってみると結局はロック

時代の流れに押されてロックは完全に地下室に避難しているようだ。いわゆるロック好きの自分でも、いまはHIP-HOPの気分なわけだからマーケティング的にも有名アーティストだとしても「ロックのアルバム出そう!」とはならないだろう。

ブラック・ミディ/Schlagenheim

ビッグアーティストといういわゆるロキノン的なシーンで考えると、そんなように思えるのだけど、インディー世界はまだまだ面白いアーティストがいる。中でも久しぶりにUKから面白いバンド出てきたなぁという印象を与えてくれたのはロンドンの4人組ブラック・ミディ。ジャンル的にはマスロックで良いのだと思うけど、そこに親和性の高いノイズやパンク、ハードコア、プログレそしてインディー・ロックをごった煮したようなサウンド。テスト・アイシクルズ(懐かしいね)やバトルズ、ブロックパーティーあたりを引き合いに出すのがわかりやすいだろうか。映像見たら、なかなかピリついた緊張感があり、音源聴くよりLIVEを見たほうが良さそうと思わせるバンドだと感じた。来日公演は9月!

ブリング・ミー・ザ・ホライズン/amo

ポップと言ってしまうと語弊がありそうだけど、前作『That's the Spirit』はめちゃくちゃ聴きやすい作品で一気にファンになったひとり。ラウド系のバンドはラウドさが作品ごとに求められる難しいところはありつつも、単純にソングライティングが乗りに乗ってるという感じ。このバンドほっておくのはもったいないと思うので、ブッキングできるなら狼さんたちやワンオクなんかと並べて同系統のファンに聴かせたいなぁって思うよ。一時期のフォールアウトボーイ並にあまり洋楽聴かない人にぜひとも聴いてほしい。

ヴァンパイア・ウィークエンド/Father Of The Bride

前作『Contra』から6年も経っているとは…。ソングライティングを担当していたメンバーが抜けて、写真もバンドからフロントのエズラだけになった今作。疾走感のあるバンド感が抜けて、ミニマルな歌ものになっているという印象ながらいつも通りのVW節とポップさが際立つクオリティ高い作品。バンド自体は実験性の高い音楽性を向いているように感じたのだけど、こっちの方に行くかぁと感心。「沁みるぜぇ、この曲」というものが多いのである意味つまらないと感じてしまうかもしれないが、ダーティー・プロジェクターズのデイブがゲスト参加しているのも、その渋さを語る上ではわかりやすいかも。一見インスタントに思えるが、実はじわじわ来るやつ。

ザ・ドラムス/brutalism

ちょっと意外な選出。現在ではフロントマン、Jonny Pierceのソロプロジェクトとなってしまったドラムス名義の通算5枚目のアルバム。「626 Bedford Avenue」の強烈なポップさに惹かれて期待せずアルバムを聴いたものの、初期の輝きと同じぐらいのポップさを聴かせてくれて、「ええやん!( ゚д゚)ハッ!っ」となってしまった作品。切なバラードの「Nervous」はループしてしまうほど個人的琴線に刺さりまくったこれまた大好きな曲ですね。

聴いておかなきゃいけなそうな必聴アルバムは?

ビリー・アイリッシュ/WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?

音楽界も、昔に比べるとトレンド性というのが薄くなってきたと思う。そんな中、遠く離れていても今年のアイコンになるんだろうなと感じる存在がビリー・アイリッシュだ。彼女をPopと呼んでいいのかさておき。2018年のBBC Sounds以来、まったく動向をまったく追っていなかった状態で見た今年のコーチェラ(中継)でのインパクトは大きかった。デビューアルバムを数ヶ月前にリリースした新人アーティストが2番目に大きいステージのトリを努めているのだから、「え、ビリー・アイリッシュって海外でこんな状態なの!?」って感じだ。ティーンながらガービッジのシャーリー・マンソンやフィオナ・アップルを感じさせるダークさや貫禄を持ったアーティストで、いろんなノイズやレッテルはありつつもまずこれ抑えておかないとなぁという、今年の象徴になりそうなアルバム。ハイプというかポップと言うか彼女の独自のスタイルや才能(と言っていいのか?個性?)にもう誰も追従できない感じだ。

50Centがレディング/リーズにヘッドライナーで出た時のロックファンの拒否反応はまるで過去とばかりに、HIP-HOPが完全にロックフェスを侵食しているとはいえ、まだRapには拒否反応がある人にオススメなのが、このOFWGKTA(Odd Future)のリーダー。

タイラー・ザ・クリエイター/IGOR

2017年にリリースされた『Flower Boy』に引き続き、ゴリゴリのRapアルバムというより、ソウル、ロック、エレクトロといった多彩なジャンルを取り込み、インディーHIP HOPのポップさがさらに花開いたかのような作品。ポップさは残りつつ、ハードコアさやデジタルビートが顔を出してくるので、まさにロックファンにこそ聴いてほしいラッパーの一人ですね。本人は山下達郎好きで、このアルバムでもサンプリングとしても使用されてるみたいですよ笑

スロータイ/Nothing Great About Britain

UK・ノーサンプトン出身、24歳のラッパー。ブリティッシュ・イングリッシュで高速ラップするのを聴いた最初の印象はまさにストリーツの正統後継者って感じだ。ただストリーツ自体は「Parklife」みたいな曲もありトラックもオシャレ路線だったけど、もっとダークでラップも攻撃的。どちらかというエミネムに近いのかもなー。全体的に3分ほどの曲でまとめられていて、すっと聴けてしまうのもいい。




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