【アプリ】効果計測の仕組み

前回のブラウザの計測に続き、今回はアプリ分析向けの計測の仕組みを説明していく。

アプリの計測は大きく分けると、以下の4つの方法がある。

■ Cookie

Cookie方式とは、通常のブラウザ計測の同様の仕組みとなる。何かしらの広告をクリックした後、計測サーバでリダイレクトを行い、Store(iOS/Andorid)に遷移する。その後、アプリをインストールした時点で、ブラウザを立ち上げて、Click時に付与したIDとコンバージョン(以下、CVとする)のIDを計測タグにて取得する方法である。

◯ メリット

・アプリのIDに依存しないため、Webブラウザの広告枠でも計測が可能。

・ブラウザと同じのため、仕組みを理解しやすく、広告の運用も従来通りであること。

◯ デメリット

・Cookieでの計測のため、後述する広告IDでの計測よりも精度が落ちてしまうこと。

・インストール後にブラウザの起動を伴うため、UXを損なう。Appleの審査時にリジェクトされる可能性が残る。

■ リファラ(Andoridのみ)

リファラ計測とは、Storeへの遷移URLに所定のパラメータ(referrer)を付与し、Storeへ遷移する。パラメータはStore側の対応により、インストールしたアプリに引き渡しを行なってもらう。インストール後は、計測ツールにて提供されているSDKがパラメータを取得し、計測サーバへの通知を行うことで計測する方法である。提供されるのはGoogleのみ。

◯ メリット

・Store側が引き渡してもらうため、その計測精度は高い。

・計測URLにパラメータを付与して入稿、あとはアプリに導入したSDKで対応となるので、導入負荷は低い。

◯ デメリット

・提供されているのがAndoridのみのため、iOSの計測がでいない。

■ 広告ID

広告IDでの計測とは、広告をクリック時にURLへ広告ID(もしくは、それに変わるキー値)を付与してもらい、計測サーバでのリダイレクト時にIDを取得する。その後、Storeへ遷移後、アプリのインストールを行う。インストール後は、計測ツールにて提供されているSDKが広告IDを取得し、計測サーバへの通知を行うことで計測する方法である。

【広告IDとは…?】

・iOS、Andoridが提供している広告用途向けのID

・iOSはIDFA(Identification For Advertisers)。iOS6から提供

・AndoridはGAID(Google Advertising ID)

・端末を完全に一意に識別できるIDではない。リセット・制限は可能

・現時点では、アプリ、広告共に端末識別に広く使われているID

◯ メリット

・Cookieと比較して、その計測精度は高い。

・アプリデベロッパでも利用しているIDでもあり、認知も高く、その利用に関しての障壁が低い。

◯ デメリット

・Google、Appleからの提供されている仕組みであり、突然の仕様変更は否定できない。iOSでは、Limit Ad Tracking機能により、オフにしたユーザのIDFAは取得できなくなっている。

・Web面での計測ができない。その場合、後続のFingerPrintingにて計測となり、その精度は落ちてしまう。

■ Finger Printing

Finger Printingとは、広告IDやCookieなどの識別子を利用できない場合の計測方法になる。計測用のSDKから取得できる端末の情報、並びに通信情報から、広告のクリックとアプリのインストールした端末を推定する技術となる。

推定のため、必ずしも一致しているわけではない。計測ツール側の判断ロジックでは、この端末でインストールされたと言い切っていることである。その精度はツールにより違っているが、ツールベンダー側は95%程度の精度があると公表している状況にある。

◯ メリット

・ID等に依存しないため、Web、アプリの広告枠共に計測が可能である。

・計測用のURLを入稿するだけになるため、広告担当者の運用負荷は低い。

◯ デメリット

・推定技術であること。必ずしも一致しているわけではない。ツール側の精度に依存してしまう。信じるか、信じないかはあなた次第。

いかがでしたでしょうか?仕組みは理解いただけただろうか。

全てリダイレクト型の計測のため、いずれの計測でも計測用のURLを作成、入稿し、インストール時にSDKにより計測を行う仕組みとなっている。大きな違いはなく、どれをキー値にして計測するのかをするか?が相違点となる。

現在は広告IDでの計測をベースに、必要があればAndoridはパラメータにて対応し、計測ができないケースはFinger Printingにて計測することが主流となっている。

また、新たな計測方法が出てきたら、紹介していきたい。

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