見出し画像

鼻中隔湾曲症を治療した記録

脱脂綿です。
今回は技術アウトプットから少し離れて、タイトルにあるような記事を書きました。何かの参考になれば幸いです。

本稿に記載されている医学的な情報は、信頼性を保証するものではありません。
個人の体験に基づいた治療の経緯をまとめたものになります。

鼻中隔湾曲症とは

いきなり他所にぶん投げますがこの方の説明が非常に分かりやすいです。
要約すると鼻の左右を仕切る真ん中の骨が曲がっているという病気です。

診断に至るまで

子供の頃からずっと「慢性鼻炎」と診断されており、ほぼ年中鼻詰まりがありました。
酷い時はちょっと噛み切れない食べ物が口の中にあると呼吸困難になるくらいでした(なのでニラとかホルモンみたいに、口の中にいつまでも残る食べ物が嫌い)。
年中ハナタレであり鼻をすすっていると、中耳炎になるんですよね……なので小学校低学年の間は、年1回は中耳炎の治療で耳鼻科に行っていました。

成人してからも鼻炎症状は続いていましたが、いつ頃からか鼻の奥から垂れた鼻水が喉奥に垂れてくるような不快感を覚えるようになり、喉飴が手放せなくなりました。
30歳になってそれは気道が痰に塞がれるような感覚、それを吐き出そうともがく嘔吐感に変わり、いよいよ生活に支障が出てきたというか、このまま放っておいて歳を取ったら誤嚥性肺炎で死ぬ、と思って耳鼻科に行きました。

最初は薬物+レーザー治療

とはいえこちとら20年以上前に慢性鼻炎と診断されたっきり。花粉症やら何やら併発してるんじゃないかな? と想像してるだけの状態。良くも悪くも鼻詰まりが日常過ぎて、改善の手を何も打ってきませんでした。
ただ耳鼻科にはレーザーで鼻の粘膜を焼いて鼻水が出なくなる治療がある、と聞いてはいたので、それを受けたいですと耳鼻科に相談。

レーザーするのは良いが、先に薬で改善するか試そうと言われて、アレルゲンの検査をした上で、飲み薬を頂きました。
最も、20年前飲んでいた薬も一才効かなかったので、全く期待はしていなかったし、実際効きませんでした。
またアレルギーは何も持っていないことをこの時初めて知りました。花粉情報に一喜一憂していたのは何だったんだ。

というわけでレーザーを受けました。最も、これが効いたのなら鼻中隔湾曲症どうこうの話にはならないわけです。全く改善されませんでした。
一応耳鼻科の先生側から湾曲がある事は事前に説明を受けましたし、その状態でもレーザーで改善する見込みがあると聞いた上で私がレーザーを選択したので、何も文句はありません。
鼻中隔湾曲が無ければレーザーでも効いたと思いますし。

鼻中隔湾曲症の手術へ

というわけで、物理的に鼻の奥を切るべし、と別の病院の紹介を受けました。かなり大きな総合病院でしたし、1週間の入院が要る、と聞いてビビり散らかしました。

非常に説明が分かりやすい先生であり、知りたいことを改めて確認できました。

  • 左の鼻がほとんど塞がっていること

  • 全身麻酔+内視鏡での手術となること

  • 手術後はシリコンを詰めるが、それでも出血が予想されること

  • 出血の治療も含め、手術後の回復に1週間の入院が必要なこと(医師の方針により、入院しないケースもあるらしい)

入院日記

1日目

手術び前日に入院してください、と言われ病院へ。
この日やることはコロナの検査くらいで、あとは個室も貰えてたので普通に仕事してました。

夜21時から食事制限。
水は翌日11時まで飲んでいいです、と言われました。

ただ初手術の緊張、慣れない病室のベッド、ドアの向こうでバリバリ仕事している看護師さん方の気配に、ろくに眠れず……

  2日目(手術日)

麻酔医の方から、全身麻酔の説明を受ける。マスクを装着の上で、ガスによる麻酔だそうです。

その後点滴を受けたのですが、大変お恥ずかしいながら、点滴を入れる針を入れた時に貧血を起こしました。
実は、前日に受けた「11時以降水分を摂るな」という指示を、「23時以降」と解釈しており、軽い脱水状態にありました。
説明はちゃんと聞きましょう。

横になって回復してから、ペットボトルの水を5分で飲み干し、いざ手術室へ。

ドラマとかで見る手術室で若干テンションが上がりつつ、ベッドに横になってマスク装着。看護師さんがてきぱきと心電図等の器具を取り付けてくれている間、私はマスクから送られてくる気体を吸って吐いて。

全身麻酔に抗う人がいるらしいですが、私はいつ麻酔を入れられたのかも分からないうちに意識が落ち、「終わりました」と声を掛けられて覚醒しました。

覚醒した瞬間の感想としては、「やべえ! なんか意識は覚醒してるのに身体は全くレスポンスない! 鼻完全に塞がってる!」。
実際、鼻の奥にシリコンが詰められ、更に外から鼻の穴に綿球が詰まっていて完全に塞がってました。

その後がこの治療の中で最も最悪の時間になりました。正直、治療にきたのを後悔したレベル。
鼻血がどばどば出る、口の中にも鼻水と一緒にでろでろと溜まる。それをティッシュに吐いて捨てる、という作業を忙しくやっていて、暇を感じるどころではありませんでした。むしろ忙しかった。

もし家族が一緒にいたら動画でも流して気を紛らわせてくれてたのかもですが、コロナのせいで面会謝絶でした。

それが2時間ほど続いて起き上がる許可を貰ったものの、血が止まったわけではなくその後睡眠時間になってもずっと鼻血の処理をしてました。
これが峠だ、と自分に言い聞かせながら耐えます。

3日目

切れ切れの睡眠を取った後、お粥の朝食を食べて多少の元気が出ましたが、相変わらずの息苦しさと鼻血は続き、偏頭痛が併発していてひたすら寝ていました。

それでも夜には大分納まり、米のご飯を食べていました。

4日目

相変わらず身体はだるいものの、なんとか復調してきました。
ただ点滴がずっと続いており、いい加減邪魔な上、腕が必要ないほど強張って何度か攣りそうに。

それでも患者としては警戒レベルが下がって、大部屋に移されました。

ハキハキした看護師の方に「洗髪して貰え!」と一喝され、1日目夜以来のシャンプーをして貰いました。
点滴刺さってると自分で風呂に入れないし、抜き差しはしたくなかったので、洗髪して貰えたのは大変助かりました。

5日目

昼過ぎに点滴が抜けて、すぐさまお風呂に。
大分気分が上向き、病人気分ではなくなりました。
どこ行くのも点滴台と一緒なの、大分メンタルに影響あったみたい。
血は多少ましになったもののまだ出てたんですがね。

またこの日、部屋の乾燥に耐えかねて、妻に加湿器を持ってきてもらいました。
おかげで初めて、一晩途中で起きずに寝ることに成功。

6日目

ほぼ症状変わらず。夜になると大分血が止まったかなという印象。

7日目

朝の診察で、翌日退院を告げられる。翌日シリコンを抜けるとも。
待ち遠しくてまた夜中に何度か目を覚ましてしまう事以外は特に何もなく。何なら仕事してました。

8日目(退院日)

シリコンを抜かれる。
血がまたどばっと出るが痛みはありません。鼻をかんで血を追い出すと、鼻の通りが段違い。そりゃシリコン詰めてたのが取れたんだから当たり前ですが、術前と比べても格段に通りました。

ただそれでもまだ鼻の奥にかさぶたが詰まってる状態らしく、これから何週間かかけて取り除いたり自然に排出されたりするそう。

退院後2週間検診

予告された通り、鼻奥にピンセットを突っ込まれて巨大なかさぶたを取り除いて貰いました。

鼻通りが更に改善する。

退院後3週間

これは関係あるかどうかわかりませんが、重めの風邪を引きました。
夜中に喉が痛すぎて飛び起きた時はコロナだと思ったのですが……
手術後ということで体力が戻っていなかったのかもしれません。

退院後一ヶ月

無事完治を言い渡されました。

術後しばらくしてみて

アレルギー検査では引っかからなかったものの、花粉症由来と思わしき鼻炎はなくならず。
ただ、いつもであれば鼻炎を起こした時は鼻をかんで鼻水が出なくても鼻がずっと詰まっている感覚があったのですが、それはなくなりました。

なのでやはり改善は劇的に進んだと言えそうです。

手術費用は安くないし、痛みはないものの相当の出血と、それを処理する忙しさはありますが、手術してみて良かったと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?