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「Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」とはどういうことか?

この記事を読んで欲しい方

1月21日深夜~早朝頃にGoogleから、「Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」というお知らせを受け取った方も多いと思います。

「いきなりどういうこと?」と思われた方に向けて書かせていただきます。

結論から先にまとめると、こうなります


UAの時代もGA4になってからも、複数の「アトリビューション モデル」を選んで比較ができていたため、アトリビューションの解析は十分できていたような気になっていた人も多いと思います。しかし実際は、階段状に割り振られるモデルなど、「あらかじめ決められた型」にはめ込むモデルを使った解析しかできていなかったというのが実情です。

しかし、GA4になってから、Googleは機械学習の成果を積極的に取り入れるようになり、「アトリビューション モデル」にも機械学習を使ったモデルが使われるようになった、というのが、今回の変更点となります。

そもそもアトリビューションモデルとは?

「アトリビューション モデル」とは、販売やコンバージョンに至った広告の貢献度をコンバージョン経路のタッチポイントにどのように割り振るかを決めるルールのことです。アイスホッケーに例えると、ゴールを決めた選手だけを評価するのではなく、ゴールを決めた選手にパスを回した選手も評価するイメージです。

「広告 > モデル比較」

GA4では、上記のように、「広告 > モデル比較」で見ることができます。

もともとUAではどうだったのか?

UAで用意されていた「アトリビューション モデル」

UAで用意されていた「アトリビューション モデル」は上記の通りです。このうち、コンバージョンがあったセッションの参照元を調べるレポート画面で、デフォルトで使用されていたのは、「最後の間接クリック」というモデルで、「ノーリファラーだったら前のセッションに遡る」というモデルが標準でした。

もちろんUAでも「最後の間接クリック」以外のモデルではどうなのかを見ることができました。UAでは、下記のように、「コンバージョン」のレポートカテゴリーの中に、「モデル比較ツール」が用意されていました。

コンバージョン > マルチチャネル > モデル比較ツール

上記のメニューから進んだのが下記のレポート画面です。

UA「モデル比較ツール」

「モデル比較」は、広告の予算配分を決める際に判断材料として使われることが多いと思います。たとえば、「最初のきっかけになったのはFacebook広告だ」といった知見を得ることができます。

GA4では、UAからどう変わったか?

GA4では、今回の 「Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」というアナウンスがある前はどうだったかを先にご説明します。

今回の 「Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」というアナウンスがある前

今回の 「Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」というアナウンスがある前は、UAとの大きな違いが一つありました。

「すべてのアトリビューション モデルで、ノーリファラーの訪問は貢献度の割り当てから除外されます。ただし、コンバージョン経路がすべてノーリファラーの訪問である場合は例外となります。」

つまり、UAの「最後の間接クリック」というモデルで採用されていた仕様、すなわち、「ノーリファラーだったら遡る」という仕様が、全てのモデルで採用されたというのが、GA4での大きな変更点でした。

「Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」とはどういうことか?

そしていよいよ今回の本題です。Googleから届いたお知らせは下記の通りです。

Google アナリティクス 4 プロパティのアトリビューション モデルが、クロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます。2022 年 1 月 26 日またはそれ以降に、ご利用のプロパティのアトリビューション設定が、データドリブン アトリビューション モデルに自動アップグレードされます。Google アナリティクス 4 プロパティによるデータの集計や測定はすべて今回の変更の対象となります。Google 広告キャンペーンに影響はありません。

出所:Googleからのお知らせメール「2022 年 1 月 26 日以降に Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」

データドリブン アトリビューションとは、ユーザーがお客様のビジネスをどのように検索し、各広告にどのような操作を行ったかに基づいてコンバージョンへの貢献度を割り当てる機械学習モデルです。

出所:Googleからのお知らせメール「2022 年 1 月 26 日以降に Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」

ラストクリック モデルとは異なり、データドリブン アトリビューションでは、コンバージョンに至ったユーザーの経路全体に着目して、その経路の各段階に貢献度が割り当てられます。

出所:Googleからのお知らせメール「2022 年 1 月 26 日以降に Google アナリティクス 4 プロパティがクロスチャネル型データドリブン アトリビューションにアップグレードされます」

これはどういうことか。
まず前提として、冒頭で見て頂いた、「広告 > モデル比較」以外のレポート、すなわち、「CVに寄与した流入元は何?」という時に、これまでは、「ラストクリック モデル」が採用されていたのです。「ラストクリック モデル」とは、最後のタッチポイント(ノーリファラーだった場合は、そうでないものが見つかるまで遡り、それでも見つからなければノーリファラーになる)にCVに関する貢献度が 100% 割り振られるというものです。たとえば、最初にサイトを訪問したきっかけがFacebook広告でも、CVの直前の訪問がGoogle検索のリスティング広告であるならば、貢献度はGoogle検索のリスティング広告に100%割り当てられる。スポーツに例えるなら、Facebook広告という選手の活躍は無かったことになってしまうわけです。

しかしこれからは、「クロスチャネル型データドリブン アトリビューション」に変更されるというのがお知らせの中心部分です。

「クロスチャネル型データドリブン アトリビューション」とは?


以下、「データドリブン アトリビューション」とは何なのかを、公式ヘルプで見ていきましょう。出所は、記載のURLです。

データドリブン アトリビューション

データドリブン: データドリブン アトリビューションでは、各コンバージョン イベントのデータに基づいてコンバージョンの貢献度を割り当てます。それぞれのアカウントのデータを使用して各クリック インタラクションの貢献度を計算する点が他のモデルと異なっています。

https://support.google.com/analytics/answer/10596866?hl=ja#zippy=%2C%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E5%86%85%E5%AE%B9
データドリブン アトリビューション

データドリブン モデルは広告主およびコンバージョン イベントごとに異なります。

https://support.google.com/analytics/answer/10596866?hl=ja#zippy=%2C%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E5%86%85%E5%AE%B9

データドリブン アトリビューションの仕組み

アトリビューションでは、機械学習アルゴリズムを使用してコンバージョン経路と非コンバージョン経路の両方が評価されます。結果として生じるデータドリブン モデルは、異なるタッチポイントがコンバージョンの成果に与える影響を学習します。このモデルには、コンバージョンからの経過時間、デバイスの種類、広告インタラクションの数、広告の表示の順序、クリエイティブ アセットの種類などの要素が含まれます。このモデルでは、反事実的条件法を使用して、実際に発生したものと発生した可能性のあるものを比較し、コンバージョンの促進につながる可能性が高いタッチポイントを判別します。この可能性に基づいて、これらのタッチポイントにコンバージョンの貢献度が割り当てられます。

https://support.google.com/analytics/answer/10596866?hl=ja#zippy=%2C%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E5%86%85%E5%

注: 利用できるデータによっては、特定の状況下でクロスチャネルのラストクリック型とデータドリブン型のアトリビューション モデルの結果が同じになることがあります。

https://support.google.com/analytics/answer/10596866?hl=ja#zippy=%2C%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E5%86%85%E5%

まず、これまで機械学習を使ったモデルは存在せず、あらかじめ決められたルールにのっとって貢献度が割り当てられていました。「データドリブン アトリビューション」では、初めて、機械学習を使って、貢献度の割り当てが行われるようになったというのです。

機械学習は、以下のデータに基づいて行われるとされています。

  • コンバージョンからの経過時間

  • デバイスの種類

  • 広告インタラクションの数

  • 広告の表示の順序

  • クリエイティブ アセットの種類

など

まとめ

UAの時代もGA4になってからも、複数の「アトリビューション モデル」を選んで比較ができていたため、アトリビューションの解析は十分できていたような気になっていた人も多いと思います。しかし実際は、階段状に割り振られるモデルなど、「あらかじめ決められた型」にはめ込むモデルを使った解析しかできていなかったというのが実情です。

しかし、GA4になってから、Googleは機械学習の成果を積極的に取り入れるようになり、「アトリビューション モデル」にも機械学習を使ったモデルが使われるようになった、というのが、今回の変更点となります。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

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https://www.and-aaa.com


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