皆さんが髪の毛のカットやカラー、パーマをしようと思った時にお店選びに困ったという経験はないでしょうか。
今回はそんな時のために知ってるようで知らない、美容室と理容室の違いについて少し深掘りしてみたいと思います。
それぞれのお店の特徴、得意としているヘアスタイルや技術の違いなどを知ってお店選びの参考にして頂ければ幸いです。

まず根本的に何が違うのか

　髪に携わるお店という点では違いが無さそうに見える美容室と理容室ですが、実は元となっている法律が違います。

（昭和三十二年法律第百六十三号）美容師法
第二条　この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。

（昭和二十二年法律第二三四号）理容師法
第一条の二　この法律で理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。

また「美容（理容）師は、美容（理容）所以外の場所において、美容（理容）の業をしてはならない。」とありますので美容室では美容師でないと働く事は出来ません。

法律の解釈の違い

　美容師法では容姿を美しくすること、理容師法では容姿を整えることとあります。

つまり美容師は＋αを加えより美しくする、理容師は本来の美しさを引き出す行為が本来の目的という形でした。

また美容師はパーマ、ヘアセット、メイクが本来の業務となり、なんとそれに伴う補助的な役割でのカットという意味合いでした。

理容師においては散髪、シェービングが主な業務という事になります。

美容室での男性カットは違法だった

　2015年に厚生労働省から「理容師法及び美容師法の運用について」という下記の通知が出されました。

・理容師がパーマネントウエーブを行うことは差し支えないこと
・美容師がカッティングを行うことは差し支えないこと

ではそれまではと言うと、


『美容師がコールドパーマネントウェーブ等の行為に伴う美容行為の一環としてカッティングを行うことは美容の範囲に含まれる。
また、女性に対するカッティングはコールドパーマネントウェーブ等の行為との関連を問わず、美容行為の範囲に含まれる。』

『刈り込み等の行為に伴う理容行為の一環として男子に対し仕上げを目的とするコールドパーマネントウェーブを行うことは理容の範囲に含まれる。』

実はつまり最近まで美容室での男性のカットのみの施術はNGだったんです。

現代社会にはそぐわないものとして改正された事で、ようやく男性美容室としてのメンズサロンが生まれました。

目的によるカットの違い

　上記の背景があり美容室と理容室によるスタイルの仕上がりにも違いがあります。

　一般的にカットの技術力が高いのは理容室とされています。理容室の場合は容姿を整えると言う目線でカットを行いますので生え際や毛先にばらつきが出にくく、刈り上げラインも綺麗にきっちり仕上げてくれます。

　一方、美容室は毛先の動きやウェーブを活かして全体的なシルエットを美しくするという目線でスタイルを作ってくれます。毛流れを読んでまとまりを作ったり、質感のニュアンスの調整が得意です。

なりたいイメージや雰囲気に合わせて、お店を選ぶ事が出来れば理想のスタイルに近づけますよ。

パーマの違い

　一般的に薬剤を使った施術は美容室の方が得意としておりますが、理容室ではアイロンパーマという直径２cmほどコテを使って行うデジタルパーマに似た技術で短髪の方や髪質の硬い方のもしっかり当てることが出来ます。

しかし近年ではおしゃれバーバースタイルの流行やアイロンパーマを取り扱う美容室など、多様化しておりそこまでの差は無くなってると思います。

ミディアムや少し長めのスタイルは美容師、ショートや短髪スタイルは理容師が得意なイメージはありますが、
これは担当者のスキルが大きく関わりますので自分の好みのスタイルを発信しているか等、しっかりスタイリストを見極めて判断していきましょう。

カラーリングについて

　染毛については美容室・理容室共に行う事が出来ます。

カラーリングは髪質の状態を見極め適切な薬剤を選定する必要があります。

しかし毛髪は長くなるほど履歴や状態が複雑になり難易度が高くなる上に、薬剤の塗布にも時間がかかるので技術を要します。

そういった点では女性の長い髪のカラーリングも行う事が多い、美容室の方に分が有るのではないでしょうか。

また同じハケの技術であるトリートメントメニューも美容室は得意としています。

できる技術できない技術

　カミソリを使ったシェービング技術は理容師しか行うことが出来ません。

またメイク、ヘアセット、まつ毛エクステは美容師が行う事となっています。

この辺りが1番の明確な違いではないでしょうか。

シェービングの為に理容室に向かう女性も多く居ます。

シャンプー台の違い

　これは法律的な違いはありませんが、理容室は洗い易さを重視して前かがみのシャンプー台の設備が多い傾向があります。

美容室はお化粧をされている女性のお客様が多いので仰向けのシャンプー台がほとんどとなります。

ヘッドスパなどにも適した仰向けのシャンプー台、理容室でも増加傾向にある様です。

まとめ

　整える技術の男性の調髪に特化した理容室、女性由来の幅広い技術でデザインしてくれる美容室。

流行りのバーバースタイルやフェードカットが得意なのは理容室。

カラーやウェーブを取り入れた柔らかいスタイルが得意な美容室。

定義の違いはあったのですが、ニーズの多様化によりそこまで差が無くなりつつあります。

最近はどちらも居心地の良い空間づくりや、トレンドを取り入れたスタイルを提案してくれる所も沢山あります。

どちらも定義の違いはありますが上手く選ぶことが出来れば、自分に合ったおしゃれスタイルを手に入れる事が出来ますよ。

Men's  hair salon &8（メンズヘアサロンアンドエイト）
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