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Riz MC - Englistan 歌詞和訳・解説


**1.曲について **

俳優・ラッパーとして活躍するリズ・アーメッド/RIZ MCの2016年発表のミックステープENGLISTANの表題曲。ENGLISTANはウルドゥー語とヒンドゥー語でイングランドという意味
彼のインタビュー
https://www.vice.com/en_us/article/jmpwkp/a-conversation-with-riz-ahmed-about-music-politics-the-british-asian-identity

2.歌詞和訳 

Rap Genius参照 自分でもわかっていないところがあります。誤訳、解説ミスなどありましたらコメント欄にてご指摘お待ちしております。
{Chorus}
God save the queen
Nah she ain't mates with me But she keeps my paper green
Plus we are neighbours see
On this little island
Where we're all surviving
Politeness mixed with violence
This is England
女王陛下万歳
いや あいつは俺とヤらない
でも金には価値を持たせる
プラス、オレらは隣人同士
この小さな島で
みんな生き残ろうと必死で
礼儀正しさが暴力と入り混じった場所
これがイングランド

[Verse 1]
This is England
The bridge we living in
A kicharee simmering
Women in hijaabs, syringe popstars
And the promise of a Patel as a 'Man U' star
Where the money you make and the man you are
Standing opposites so we drink too hard
これがイングランド
俺たちが住んでる橋は煮立ったキチュリー*
ビジャブの女性に注射器持ったポップスター
そしてパテル*がマンUのスターになるさ稼いだ金の額がお前がどんなやつかを決めるところ
向かい合っておれらは飲み過ぎる

The banks rob you and the news is half
The truth wrapped up in boobs and arse
Pigs hit kids so
Bricks hit windows and the High Street burns
With broken dreams and herb
Only thing you can't find in Tesco is that and a sense of worth
So hide behind a Benz or furs
Go online to find friends or perv
But click the wrong site for a free trial later detention first

銀行がお前から強盗 ニュースは半分 真実はおっぱいとケツで覆い隠され
豚どもがガキを殴るからレンガは窓に当たり
繁華街は壊れた夢とハーブとともに燃える
テスコ*でお前が見つけられないのはあれだよ、価値観だけ
だからベンツか毛皮の後ろに隠れて
ネットで友達か変態を見つける
でも不適切サイトクリックしたら無料裁判後には勾留だぜ*
[Chorus2]

[Verse 2]
Where you can get famous fast for a day
Or you can get bailiffs asking for pay
A list to faceless everybody plays
Roll the dice it's always snake eyes mate
1日で有名になれる場所
それか賄賂を頼んでくる執行人に会える
個性のない全員がプレイするリスト
さいころを投げればいつも1のゾロ目さ* 友よ
Racist beef, cakes and tea
All go together like a doh-rey-mee
レイシストのビーフ、ケーキに紅茶
ドレミみたいに調和する
The hills are alive with the sound of music
Giro cheques and schools that creek
Soon we all gonna be moving east
Delhi and Beijing, make some room please

And of the Empire strikes back
But them sides are packed, save your seats
丘には音楽が溢れ*
失業手当とクリークの学校
そのうちおれらは東へ移住
デリーと北京、少し場所を空けてください
これ自体は帝国の逆襲*
でもあっち側はぎゅうぎゅう詰め お前らの席を取っとけよ

Till then we just make the darkest beats
Great chapatis and rave on our streets
Is Britain great? Well hey don't ask me
But it's where I live and why my heart beats
俺たちが暗すぎるビートを作るまでには
最高のチャパティとレイヴが俺たちのストリートにはある
ブリテンはグレートか? なあおいおれに聞くなよ
でもここはおれが生きる場所でこの心臓が鼓動する理由

[Chorus]

[Verse 3]
So big up the Queens Christmas speech
And all the shit her kids get for free
Big up the stiff upper lip half cos were posh
Half off the class a's and bass drops

だから女王のクリスマススピーチに感謝
そして奴のガキどもが無料で手にする全てのことに
金持ちの硬直した唇に感謝
高級品は半額で低音が鳴り始める

Big up the class born to rule All in the same class since boarding school
We only all in it together to watch X factor and penalty shootouts that we lose
支配者に生まれた階級の奴らに感謝 寄宿学校の時から全員同じメンツ
俺らが団結するのはX Factor *を見る時と負ける時のペナルティーシュートだけ

Hair of the dog, or beard for your God
After mosque or pub it's curry and kebabs
And the weather is so crap

犬の毛もしくはお前の神に捧ぐひげ
モスクかパブのあとはカレーかケバブ
そんで天気はマジでクソ
But still we sunbathe with the rain on tap
Try make the best of what's bad
That's why we wave the flag
Knee deep in the field of mud with 63 million screaming fans
All for a green, pleasant land All for a mean and pleasant land

All for a mean and pleasant land

それでも蛇口に滴る雨と一緒に日光浴する*
悪いことも最大限活用して行く
そして俺らは旗を振る
悲鳴を上げる6300万人のファン*と一緒に野原で膝まで泥に浸かって
全ては緑の心地よい大地のため* 全ては卑劣で心地よい国のため
全ては卑劣で心地よい国のため

[Chorus]

3.解説

*キチュリー インド風の野菜いりおかゆ Kichareeはパンジャーブ語で混合と言う意味。

*パテル インド人に多い姓

*テスコ イギリスの大手チェーンスーパー

*無料裁判後には勾留 インド、シンガポール、マレーシアなどの旧英国植民地の多くは、制限された法的に定義された状況下で、政府が裁判または刑事告発なしで誰でも拘留できるようにする予防拘禁法を持っている。 これらの法律は、政治的反対を抑えるために使用されてきたため、非常に物議を醸している。 前述のすべての国では、これらの法律の起源は英国植民地支配にまでさかのぼることができ、イギリスの旧植民地に対する支配の永続的な効果への肯定と解釈されている。(RapGeniusの解説より和訳)

*1のゾロ目 Sneak Eyes ゾロ目が出ると必然的にゲームは負け(これ以上小さい目はない)
*丘には音楽が溢れ ”The hills are alive with the sound of music”ミュージカルサウンド・オブ・ミュージックの表題曲の引用

*帝国の逆襲 1980年公開のスター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲のタイトルと英国の植民地支配をかけている。

*X-Factor One Directionを輩出したオーディション番組

*滴る雨と日光浴するThe BeatlesのI am The Warlusのリファレンス

”If the sun don't come Sitting in an English Garden waiting for the sun
If the sun don't come You get a tan from standing in the English rain
英国式庭園に座り 太陽が昇るのを待とうよ 太陽が現れなかったら君は英国式の雨のに打たれて日焼けする”

*6300万人 この曲が発表された時のイギリスの人口

*全ては緑の心地よい大地のため 18世紀イギリスの著名な詩人ウィリアム・ブレイクの詩「エルサレム」の引用・もじり「ぼくらがエルサレムを打ち建てるまで このイングランドの心地よい緑の大地に」”エルサレム(英語: Jerusalem)はブレイクの預言詩『ミルトン』(Milton)の序詩に、同国の作曲家サー・チャールズ・ヒューバート・パリーが1916年に曲をつけたオルガン伴奏による合唱曲。毎年夏に開催される「プロムス」の最終夜において国歌『女王陛下万歳』や『第二の国歌』とも呼ばれるエルガーの『希望と栄光の国』と共に必ず演奏される。更にはラグビーやクリケットでのイングランド代表が国歌として使用しているなど、イギリス国内では様々な場面において特別な扱いを受けている作品である。労働党大会では『赤旗の歌』とともに必ず合唱され、他方では極右政党の党歌にもなっている。””この詩が収められている『ミルトン』の序の部分でブレイクは、「肉の戦い」(Corporeal War)と「精神の闘い」(Mental War)とを対比させ、「軍隊、法廷、大学」に潜伏し「精神の闘いを挫折させ、できることなら永久に肉の戦いを長引かせようとする」(who would if they could, for ever depress Mental & prolong Corporeal War)者たちを告発しており、そこでの主張を「ぼくは精神の闘いから一歩も引く気はない」(I will not cease from Mental Fight)という詩の表現に反映させている。
また「闇のサタンの工場」(dark Satanic Mills)は、18世紀後半からの産業革命により英国に出現しはじめた工場群を指すと一般には解釈されているが、「帝国はもはや存在していない」(Empire is no more)(『天国と地獄の結婚』および『アメリカ ひとつの預言』)「すべての宗教はひとつである」(All Religions are One)(『すべての宗教はひとつである』)のような預言的言葉を残したブレイクの眼には、工場だけではなく、大英帝国という国家システムとそれを支えるさまざまな出張所(軍、法廷、大学、教会など)が、人間の血と汗を葡萄の汁のように搾り取る「闇のサタンの工場」のごときものに見えていたかも知れない”(Wikipediaより)ラップの理解を深めるのに良いので是非記事全文読んでください→https://ja.wikipedia.org/wiki/エルサレム_(聖歌)

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