神山と鎌倉

地域間交流の新しいモデルづくりを。「神山と鎌倉」キックオフイベント レポート

こんにちは、「〇〇と鎌倉」の狩野です。これまで地域課題の解決を起点に始まることが多かった「〇〇と鎌倉」ですが、そうではない地域間交流のモデルづくりを目指して、徳島県神山町の「神山つなぐ公社」メンバーの協力のもと、「神山と鎌倉」を見切り発車(!?)でスタートすることになりました。

神山町との縁は、友人家族の移住がきっかけ。鎌倉を拠点に、ものづくりユニットKULUSKAとして活動していた友人夫婦が1年半前に神山町に移住し、奥さんの藤本あやちゃんは現在、神山つなぐ公社で地域の広報に携わっています。
鎌倉にいた頃から、出身地の広島と鎌倉をつなぐ「広島 meets 鎌倉」というイベントも行っていたKULUSKAのふたりは、2016年に「五島と鎌倉」でも、ものづくりやタブロイド制作に参加してくれました。
(↓ 2014年に鎌倉で開催されたイベント「広島 meets 鎌倉マルシェ」の写真。広島から食やクラフトに関わる10名が鎌倉にやってきたそう。)

神山町へ移住した後も鎌倉との縁はつながっており、定期的に戻ってくるだけでなく、KULUSKAとしてファブラボ鎌倉とワークショップをやったり、今年の1月・6月には神山つなぐ公社主催のトークイベントを鎌倉で開催したりもしています。
(↓ 1月に鎌倉のまちの社員食堂で開催された神山町のイベントの様子)

神山メンバーが鎌倉に来る中で、少しずつ関係ができ始めたこともあり、まずは「神山と鎌倉で何ができるか一緒に考えてみましょう!」というところからスタートしてみることにしました。

とはいえ、神山町は「奇跡の神山」と言われる程、地方創生では先進的な地域。すでにさまざまな取り組みが行われ、全国から続々と視察が訪れるような地域が、鎌倉と交流する必要性とは?
 一般的には、他の地域が神山町から先行事例やアイデアを学ぶという関係性になりがちですが、「神山と鎌倉」では、あくまでフラットに、2つの地域が人、資源、文化を交換し合えるような関係づくりを目指しています。具体的な課題の共有や解決を目指すのではなく、交流を通じて地域に根差す事業者や住民たちが、新しい視点や方法論を獲得すること。それこそが多様性ある、豊かな地域づくりにつながっていくと思っています。

今回「神山と鎌倉」をスタートさせるにあたり、明確なテーマが決まっていないからこそ、鎌倉を拠点とするさまざまなプレーヤーたちの声を聞いてみたいという思いがありました。
以前から「〇〇と鎌倉」に興味があるけれど、どうすれば関われるのか?」という問合せをいただくこともあったので、まずは「神山と鎌倉」でどんなことをしたいのか、みんなでアイデア出しをするキックオフイベントを開催することにしました。イベントタイトルは、「神山と鎌倉とあなた(!)」。地域間交流の主体者は、地域に暮らす”あなた”ですという思いが込められています。

神山町からのゲストは3名。町役場の馬場達郎さん、神山つなぐ公社の高田友美さん、そして、藤本あやちゃんです。神山町や地域間交流に興味がある人たちを募ったところ、鎌倉拠点の方を中心に30名以上に参加して頂くことができました。


神山町の話、「〇〇と鎌倉」の話、地域間交流でどんなことができるかという実例の共有をした上で、「神山と鎌倉」でどんなことをしたいか、アイデアを個別に書き出してもらいました。初めての試みだったのでどこまで書いてもらえるか心配でしたが、個人や企業でユニークな活動をしているような参加者が多かったこともあり、驚くほど多様なアイデアが出てきました。

書いてもらったアイデアを壁に貼り、参加者のみなさんに、いいね!と思ったものに投票してもらいました。そして、上位3つのアイデアについて発案者にその思いを話していただき、神山メンバーや参加者から意見を募るという流れでオープンディスカッションを進めていきました。
ここでは、実際に出てきたアイデアの一部をご紹介します。

・神山のこどもと鎌倉のこどもの交流
・毎月プレゼント交換
・料理人同士のコラボレーション
・お坊さんシェアリング(お坊さんと一緒に短期滞在)
・鎌倉から神山へワーケーションツアー
・鎌倉ハウス in 神山をつくる(POP UP、滞在スペース)
・コワーキングスペースの連携
・両地域を行き来できる「神山と鎌倉」ツアー
・両地域で「神山と鎌倉」フェスを開催
・神山で薬草やハーブを育てて鎌倉で商品化
・交換留職
・それぞれの地域の名産品・余剰品を使ったアート制作
・「神山と鎌倉」のITベンチャー同士の共同プロジェクト
 etc...

地域間交流を前提としたアイデアだ出しということもあり、「交換」「往来」「双方向」といったワードが頻出していることがポイントです。これらのアイデアが面白いのは、「誰かがやってくれたらいいな」ではなく、参加者それぞれの仕事やプロジェクトに根差したものであり、主体が自分であることです。鎌倉は日本一イベントが多い地域と言われ、さまざまなプレーヤーが共存していることもあり、参加者の多様性には神山メンバーも驚いていました。

今後のポイントとしては、これらのアイデアをいかに膨らませて、これからの「神山と鎌倉」の関係づくりにつなげていけるかです。今回の出会いをきっかけに、各自が自発的に進めていくプロジェクトも出てくるとは思いますが、「〇〇と鎌倉」としても地域間交流のモデルづくりのために動いていきたいと考えています。

今回のイベントにゲストとして参加してもらった3名の神山メンバーから、神山町で同じようなアイデア出しイベントをしてみたい、という意見もいただいたので、年内に神山町でも「神山と鎌倉とあなた」を開催できないかと構想中です。今回は反省点も多々あったので、それらを踏まえ、ぜひ神山でのイベントも実現させたいと思っています。

おまけ
「〇〇と鎌倉」主催のイベントでは、毎回地域と地域のコラボレーションコンテンツを入れるようにしています。今回は夏の夜ということもあり、神山町の「神山ビール」と鎌倉の「ヨロッコビール」を特別にご用意しました。

さらに、会場となったVERVE COFFEE ROASTERS 鎌倉店の協力で、当日は神山ビール×すだち(徳島名産)×コーヒーによるスペシャルドリンク、神山のかまパン×すだち×アボガドを使ったオープンサンドも! 神山と鎌倉とカリフォルニアのトリプルコラボナイトとなりました。
VERVE COFFEE のみなさん、ありがとうございました!


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