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インド女一人旅〜ガンジス川沐浴編〜


ヒンドゥー教の聖地として名高いバラナシ。街に出ると牛のうんこだらけ。私の鼻はゴミと糞尿の匂いを常に感じていて、視覚、臭覚共に最悪、ひとことで言うならカオスでした。

バラナシのホテルに着いて、時間があったので近所のカフェで読者をして、日が落ちたらテラス席でガンジス川を見ながらビールを飲んで……。最初の印象がうんこの街にしては最高のスタートをきれました。

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翌日はガンジス川にかかる日の出を見るために早起きすると決めていたのですが、1泊600ルピー(※日本円だと800 円くらい)のホテルはクーラーもなく防犯の為窓を締め切っていたので暑くて、寝苦しくて、全然寝付けませんでした。

やっとのことで眠れたと思ったら1時間くらい寝過ごしてしまい、日の出きったガンジス川にとりあえず向かいました。

9月は雨季らしく、最近降った雨の影響で川が増水しており泥まじりの水がすごく汚かったです。

旅の中で、たかのてるこさんの『ガンジス河でバタフライ』を読んだ私は、せっかくインドに来たのだからガンジス川に入りたい、沐浴したいと思っていました。
というのも沐浴をすると今までの罪が全て洗い流されるというのです。
今まで25年間生きてきてインド人程ではないものの嘘も沢山ついたし、人を傷つけたこともある。人に言えないような事もしてきました。この旅に出たのも人生の岐路のタイミングで一旦まっさらな真人間になってみたいと思ったからです。

川沿いに出るとインド人に「なんだ日本人か!ボートに乗りたいのか?」と聞かれて「沐浴がしたいんだ」というと、「Follow me!」と
「カメラで撮ってやるからここのスポットで沐浴しろ」と場所を指定されて、いわれるがままガンジス川に入りました。


一歩目、川底は生温かくて柔らかい藻のようなコケのようなぐちゅぐちゅな感触で、ニオイはアドレナリンが出ていたのか、街の匂いに慣れたのか全然感じず、しかし泥水であきらかに汚い。

二歩目、反射的に「うぅ。」とうめき声をあげしまう。


案内してくれたインド人が「3回頭まで浸かるのが作法だ。」というので粘膜に汚水が入らないよう目、鼻をつまみグッと頭まで3回浸かりました。
川からあがると見てた現地の人や案内をしてくれたインド人に拍手で「Good job!!」と言われ、謎の達成感と高揚感に満たされました。


早くホテルに帰ってシャワーを浴びたいと思いましたが、案内してくれたインド人が「ガンジス川に入った後はお祈りをしてもらい、家族や自分健康を祈るのが作法だ」と言って、サドゥと言われる体に白い灰を塗って額に3本線をペイントしている仙人のような人の所に連れて行かれ、お祈りしてもらいました。作法に従うしかない私は額に3本線を塗られ(ちなみに3本線はシヴァ派の意味らしい)
1000ルピー(約1500円)と高額を請求されました。


私はシヴァ派になるみたいだ。

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「今、お金ないしシャワー浴びたいから」とその場を切り抜け一旦ホテルに戻りぐちょぐちょのワンピースを脱ぎ捨て、ホットシャワーで汚い水に入った身体を洗い流しました。

その後、かなりボッタクリだけど流石にお祈りさせ逃げは倫理的にダメだと思い。真人間になれた私はサドゥの元に戻って「1000ルピーは高すぎる。帰りの飛行機代がなくなる安くしろ」と交渉し、「家族の分も祈ったのにそれだけだとお前一人分になるぞ」と言われましたが半額に交渉し、渋々許してもらいました。(家族よ、健康管理は自分でしてくれ)

ガンジス川に入るという目標を達成した私はやることがなくなって街をぶらぶら散歩することにしました。
でも歩くとすぐにインド人に話かけられて、「ガイドするよー」「日本大好きだからタダでいいよー」「僕の店見ていって、ジャストルッキングでいいよーチャイ出すよ」など100メートル進むごとに話しかけられてうざさがピークでした。

その後、バラナシでは観光地化されている火葬場に行って、川で洗われる死体や焼かれている死体など、バリエーションに富んだ人の最後を見ました。

火葬してガンジス川に流してもらうことこそ、インド人の夢だそうで、死期を悟ると生と死の街と言われる「聖地バラナシ」に向かい、残りの時間を死を待つホスピスという施設ですごすらしいです。

はじめて人が焼けるのを見ました、怖いや恐ろしいといった感情はなくただただ煙が立つ身体を見つめていました。そのあとガンジス川を眺めながら死生観について考え、静かな時間を過ごしました。
うるさいインドでこの時間だけはスローでした。


ココナッツラッシー。美味しかった。

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日本タイムとは違う混沌の国インド。
帰りの飛行機待ち時間でも自称ミュージシャンに歌ってみた的動画を見せられ、連絡先を聞かれたり。(僕は有名なんだよと語られたけれど、私よりフォロワー少なくて微妙な気持ちになった)
飛行機で隣になったインド人にイヤホンジャックの場所を教えたら謎の友情が生まれたり。最後の最後までインドだなーという旅でした。




これで4回に分けて書いたインド旅行記は終わりです。

旅行中は平気でしたが、帰ってきて2日後くらいから調子が悪くなりお腹を常に下している状態で1日トイレに20回くらい駆け込み。強制的に上から下からデトックスされる結果になりました。何もたべれなくなり断食の状態が2日くらい続きました。

おそらくガンジス川に入ったのがアウトだったと思いますが、安いカレーやラッシーが原因の可能性もあり、全てが疑わしいインド旅でした。

あとカレー食べすぎて当分ほんとにいらないです。


インドに行くまでは一人で大丈夫かなとナーバスになって、実際ケータイをなくすトラブルもありましたが、行ってみないと語れないインドがあり、ガンジス川に入ってみないとわからない感情がありました。


声掛けられて疲れる、騙されるなどあり、インド女一人旅はあんまりオススメは出来ないですが、あと5年後、10年後また違った視点でインドが見れるならまた一人で行くかもと思ってしまった私はインドに既に魅力されているのかもしれません。

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