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地域文化を体験し、伝えていく旅館業というお仕事

こんにちは、あんでぃです。

出雲市平田町にある酒蔵、酒持田本店さんより、お酒のラベル貼りのお誘いがあったため足を運んできました。



界 玉造では、酒持田本店さんとは深い繋がりがありまして…
先日の記事で紹介した「後酒飲帳」の共同開発だけでなく、
手業のひとときと題して、お酒のおいしい飲み方を蔵人に指南いただける場も提供しています。

後酒飲帳で好みを知り、
手業のひとときでおいしく飲む。
日本酒沼の入り口は界 玉造にあります。

そんな酒持田本店さん。
出雲市平田町には木綿街道という旧街道があります。
たたら製鉄で作られた『重い』鉄と平田町で作られた『軽い」木綿をバランスよく積み込んだ船が出港した土地でした。


小さな水路が町中に流れていて、今でも古い建物には専用の船着場があります。

そんな木綿街道の中心部、酒持田本店さんの蔵の中に初めて入らせていただきました。
たくさんの酒瓶が並ぶ中、続々と人が集まってきます。
どうやら毎年来られている方も多く、少し緊張しながらも、作業の内容を教えてもらいました。

今回ラベル貼りをしたのは純米吟醸生原酒「濃酒井(こざかい)」
鮮やかな瑠璃色の瓶に詰められた原酒たち。
心を込めて、丁寧に貼り付けました。

作業したのはわずか2ケース分。
ちょっと拍子抜けしましたが、今年のラベル貼りはこれで終了とのこと。
仕事納めの意味合いを持つ、儀式的な集まりだったのかもしれません。
ただそこに集まった日本酒に携わる人々の会話は私の好奇心をくすぐることばかりでした。

一つだけ紹介すると、
今まで不思議に思っていた瓶の回収のお話し。
かつてはお酒は小売店となる酒屋さんが販売し、瓶を回収するのが一般的でした。
つまり瓶はほぼリサイクルされていたわけですが、現在は以下の理由からリサイクル率は2-30%程度ほどだそうです。
・小売店が減った
・販売先が全国になった
・瓶の形状が多様化した

一升瓶などはJIS規格で決まっているため、再利用できるが、それ以外のサイズは再利用は難しいとのこと。
環境のことを考えると、うーんと考えてしまうけれど、時代の流れには逆らえないんだろうなぁ、と思った次第です。


なかなか体験できない酒蔵での作業でしたが、今後私個人としては地域で伝統的に行われていることにはもっともっと関わっていきたいです。
自分が身を以って体験し、感じたこと、考えたことこそ、お客様が知りたい情報だと思うのです。
インターネットで簡単に手に入る情報は、お客様だって簡単にアクセスできます。
現地に住んでいるからこそ、現地の人と繋がりがあるからこそ、アクセスできる体験を伝えていく。
それこそ地域文化や伝統を伝えていく、旅館業者の役割でもあり、このお仕事の醍醐味ではないでしょうか。

実は、この酒持田本店さん、お酒作りだけではなく、酒米から自前で栽培しています。
田植えや収穫、麹の仕込みなど、さまざまな場面でお声がけをいただき、界 玉造のスタッフも参加しています。

自分たちが関わったお酒をお客様に体験談として説明し、魅力的に提供する。
そして、目の前で喜んでいただける。
それは自分の心が喜ぶ体験です。

そんな体験をもっともっと増やしていきたいな、とラベル貼りのおかげで気づかさせていただきました。
そして、旅館業は本当に奥が深いお仕事だとも思いました。


おもてなし産業をかっこよく。
あんでぃでした。

▼酒持田本店さんウェブサイト


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