『はじめまして 甘いものと、優しい美味しさと、器用なネコと』(桃萌)

はじめまして。
わたしの名前は中西桃萌(なかにしもも)です。
年齢は22で、甘いものがすきです。

 自己紹介といえば、こんな感じですきな食べものを公表するイメージがあるけど、わたしは食べもののこだわりがあまりにも無いから、具体的な名称が出てこない。
 こういうとき、いちごとか、生クリームとかみたいな、ピンクと白が混じり合ったようなイメージのものを答えておけば大体の人は「可愛い」って言ってくれるから、そうすることがあったりする。実際にわたしは、食べものの全てに甘いか甘くないかの2択を突きつけてしまうくらいには、甘さ以外の味覚センサーが弱い。甘党はみんな馬鹿舌なんじゃないかって思いたくなるくらい、甘さに偏ってる。
たぶん、ほんとに馬鹿舌。

 でも、「甘ければ甘いほど良い」みたいな、めちゃくちゃな考えはしていない。めちゃくちゃだって思うのは、ただわたしがそう考えてるだけなんだけど。少し前までは、ショートケーキに苺ラテなんていう、甘さゲージが振り切れて針が飛んじゃいそうな組み合わせでも素敵なティータイムを過ごせたが、最近になってようやく、砂糖を固めただけみたいな味がするお菓子にほんのすこしミルクを入れたコーヒーを合わせる気になった。
 だから、今は、そういう考えをしておりません、っていうように時制を付け加えたほうが、正しい意味を持った文章になるのかもしれない。

 ここまで長々と書いたのに、そこに「わたしは甘いものがすきです」って情報しかないのはまずい気がする。だから、自己紹介の続きとして、「すき」のその先について書いておこう。

 さっきも書いたとおり、甘いものがすき。

 それよりも、言葉がすき。
読むことも書くこともすき。小さいころから本がすきで、高校生のとある時期には、まいにち1日1冊、単行本を読み切っていたぐらいだ。想像だけで、わたしを現実から遠ざけてくれる。どこへでも行けるし、どんな人にでもなれる、なんてのはあまりにありきたりだけど。
書くことについてのおもしろいエピソードは特にないけど、国語でやるような、文章の要約はけっこう得意だった。今は、いろんな言葉の角をまるく削って、みんなに当たっても痛くないような言葉のつながりを書いてる。辛いものも、砂糖を入れればちょっとはマイルドになるよね。じょうずに味付けする感覚が、優しい美味しさに似ている。いかにおいしく、うつくしく、かわいく、料理できるかっていうのを楽しんでる。

 それよりももっと、音楽がすき。
言葉と近い部分は多いけど、言葉よりもふんわりしててやわらかい。つまり曖昧で、器用にカタチを変えられる猫のようだから、わたしが持ってる幼いところから気難しいところまで、全部を肯定してくれる。いつもキラキラしてて、ずっと憧れている夢みたいで、わたしなんかには手の届かないところにいてくれるのに、わたしの味方でもいてくれる。だけどそれは、勝手にそう信じているだけにすぎない。
わたしにとって音楽とは、宗教に近いのかもしれない。

言いたいことはもっとあるけど、とりあえず今回はこれでおしまい。自己紹介にしてはあまりに内容が偏ってるけど。
たくさんありすぎる言い忘れちゃったことは、今後取り扱いたいトピックとして大事に取っておこうと思う。

中西桃萌

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