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鑑賞感想『ヤング内閣、戦争を止める!』

皆様、こんにちは(^^)

丸1日雨の、お休みの日。

以前から観たかった『ヤング内閣、戦争を止める!』の舞台DVDを拝見いたしました。大好きな「劇団東京ミルクホール」の2021年講演作品。

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https://twitter.com/sanobabi1/status/1615556079722860544?cxt=HHwWgMDU6bzszessAAAA

劇団東京ミルクホールのDVDが、フェリス女学院大学附属図書館に配架されました! 図書館長推薦です!!!!!
ハイクオリティな歴史喜劇を発信する日本屈指の劇団であることを見抜かれてしまいました。世界で一番見識の広い図書館です

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こちらの劇団さんは、尊敬する知人が属している劇団で、7年位前から観劇させて頂いております。

『ヤング内閣、戦争を止める!』は、猪瀬直樹氏の『昭和16年夏の敗戦』が原作の舞台作品です。

1941年(昭和16年)、軍、官、民から若きスーパーエリート達が招集され組織された内閣直属の研究機関「総力戦研究所」というものが実在しました。

研究員は、模擬内閣を作って、日本の石油の備蓄量情報をはじめとして研究や机上演習を行った結果、このまま開戦に踏み切ったら「日本敗戦」という答えを、昭和16年の時点で導き出していたのです。

その研究結果=後世から振り返ったら至極現実的な答えは机上の空論としてほぼ一蹴され、すでに開戦に舵を切っていた政治や軍の意向からか、日本は開戦に踏み切りました。

劇団東京ミルクホールの作品は、個人的にも歴史の勉強になる、深い洞察と笑い、シュールで華やかな演出にあふれ、毎回インスパイアされます。

今回もハッとさせられる内容でした。

私自身は、先の大戦というのは、東条首相をはじめとした軍部の暴走によるものという印象がありましたが、今回のこの作品を見て、また1つ多面的な見方に気づかせて頂きました。

劇中で、主人公の菰田氏(総力研究所の模擬内閣の総理大臣)と、当時、現実の首相であった東条英機が対峙するシーンがあり、菰田氏が、(このまま開戦に踏み切ったら日本は負けるから)開戦に踏み切るのを止めるよう東条首相に直談判します。

その時、東条首相はこう言います。※劇中の創作なので、史実ではないと思います。

「私には何も決められないよ。

この国はいつのまにか誰かが決めるということができなくなってしまった。

この国は集団で意思決定をしている。

しかし民主制というわけでもない。

責任を分散させ 事をあいまいにさせている。

このような曖昧な集団の中では極端な意見を言うものが注目を浴び存在感を高めている。

気がついたらその集団は極端な意見に染まって行ってしまう。

止められないよ。

この国を戦争に導いているのは私達だと思うのかね。

私は背中をおされている。止まりたくてもとまれないのだ。

この国を支えているのは私ではない。 軍人でもない。」

ここで、熱気に帯びた大衆の「いつになったら戦争を始めるんだ」「早く戦争を始めろ」という声が流れます。※実際には当時の大本営発表やマスコミの煽りが相当あったのでしょう。

そしてその後、「私は負けるとは言えなかった」という力ない東条首相の言葉。

このシーンは創作ですから、実際のやり取りではないのですが、妙に心に残るものでした。

そしてシーンは変わり、終戦後。

焼け野原で片づけをする主人公の菰田氏達。そこに、東条英機が戦犯で逮捕されたというニュースが入ってきます。

菰田氏以外の人々は「戦争を始めてみんなに迷惑かけたんだから、当然よね」と。

菰田氏が「あれ?〇〇ちゃん、アメリカを倒せって言ってなかった?(開戦を支持していたよね?)」と聴くと〇〇ちゃんは「そうだっけ?」と忘れている様子。

そして口々に「本当にアメリカに勝てると思っていたのかしらね」と言う民衆を見て、菰田氏は「なんて愚かなんだ」と引いてしまいます。

『昭和16年夏の敗戦』の「データより空気」が日本最大の悲劇を生んだ。の言葉が凝縮されたかのようなシーンに、考えさせられ、同時に、「ああ、世の中とは、人間とは(自分も含めて)こういう面もあるかもしれないね」と思いました。

人々の記憶から過ぎ去っていこうとしている過去3年間のウイルス騒動もそういった雰囲気や側面があったと思います。

どちらも、マスコミのミスリードや煽りによる影響も大きかったと思いますが・・・。

最終的に世の中の「空気」「雰囲気」を作っているのは、1人1人であり、そう思うと、私達が思っている以上に1人1人の意識の影響力は大きいのでしょうね。

そして、世の中の「空気」「雰囲気」とは、集合無意識が顕現化したものなのかもしれません。

時代はどこに向かっているのだろう。あるいは、どんな時代を作っていくのか?

次回メルマガでは、アストロロジー(占星学)の視点から、
集合無意識について綴りたいと思います♪

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