秘宝伝3

前々回、念系統でギタリストを分けてみたが、実はこれが音楽をやるうえでものすごく大事だと思っている。
というのも、自分は何が出来て、何が出来ないかを判断する指標になるからだ。
指標と言う言葉を敢えて使うのは、自分にとって音楽をやるというのは、感情を表現する為だとか、感動させたいとか勇気を与えたいとかの具体的な動機でやるものでは無くなったからだ。

自分にとっての動機はある意味では航路で、研究で、体系の創造だからだ。
そして、その船の動力源は魂の解放以外にない。
ここでいう魂はある種、意識の管轄外にある超自然的なエネルギーで、肉体はそれを受け止める器でしかない。
念系統の診断は、この器の形を図る行為に似ている。

少なくとも、自分が感動する音楽家、彼らによる演奏は魂の解放であり、新たな境地に辿り着こうと邁進している姿そのものだ。

器の形によって受け取れるエネルギーは異なる。
形の判断は一生をかけて行う課題であり、時に音楽を顕微鏡を用いて微細化し、また巨大なるものとしての引力を享受する。
発見の連続でしかなしえないことは確かであろう。

これは哲学ではなく、音楽それ自体を超自然的存在として見据え、その輪郭を捉えていく作業である。
技術向上、堆積される知識は船の性能をあげ、船員を乗せる為のキャパシティになる。


そしてこのことは、音楽を長くやる動機の基礎事項のひとつであり、気付かれにくいが、思考の中で辿り着く重要なスイッチである。

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