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キリマンジャロを望む

新年早々、TVでアフリカの最高峰キリマンジャロ(標高5895m)を、動力付きのパラグライダーで空撮するカメラマンのドキュメンタリー番組を見た。
正月から、地震のニュースばかり見ていたので気持ちが暗くなりがちだったけれど、真っ青な大空にくっきりと浮かぶ雄大なキリマンジャロを見ていて、なんか気分がスッキリした気がした。新鮮な空気を吸ったような。
そして同時に、43年前、初めてアフリカに行き、キリマンジャロの麓で気球に乗った時のことを思い出した。
夜明け前のまだ暗い中、満天の星くずを見ながら、サバンナを車で出発地点まで走る。
やがてほんのり周囲が明るくなって、気球に乗り込む。ゆっくりと空気の中を滑るような不思議な浮遊感を感じながら、朝陽と共にどんどん上昇してゆく。
「地球は丸い!」遮るもののないサバンナの地平線は大きく円弧を描き、眼下に小さな野生動物が走っている。池には、カバたちがいた。
あの一生忘れられない光景!
着陸後は、サバンナのど真ん中でシャンペンで乾杯。
その後、ロッジのプールで泳ぎ、ビールを飲んだ。目の前にはあのキリマンジャロが、くっきりと麓まで美しく伸びやかな姿を見せている。
「まるで、裾の長い富士山みたいだな」と思った。
富士山も大好きだけど、キリマンジャロの壮大なスケールには及ばない。
その10年後に再びアフリカに行った。その時は、飛行機でキリマンジャロの山頂を飛んだ。
下から眺める姿と上から覗く顔は全く違う。が、その堂々とした風貌はやはり威厳がある。
あの時の冷たく澄んだ空気を思い出しながら、今年もいい年でありますように。震災地の復興が早く進みますようにと祈っている。








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