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待ち合わせ(7)

~ デリー~

「─── デリーのアショカ・ヤトリニワースでね。アショカではなく。アショカ・ヤトリニワースだから。じゃあ。デリーで」

関西国際空港12時発デリー行き。
シンガポールで1時間半のトランジットした飛行機が、デリーのインディラ・ガンジー国際空港に着いたのは現地時間の夜の10時だった。入国審査を済ませ、バゲージを受け取ったときにはもうすでに1時間以上も経っていた。
日本時間午前2時30分。

さあ、これからインドでのいちばんの難関をクリアしなければならない。
インドでの大きなトラブルのほとんどは、空港から市内に向かう移動で、外務省の海外安全ホームページでもさまざまな事例が掲載されている。

本来なら昼に到着する飛行機に乗るのがベストなのだけど、直行便がないのや格安ではなかなか難しい。余裕があれば、タイのバンコクで1、2泊し、昼に到着の飛行機に乗るか、もしくは空港で朝になるまで過ごすのが良いのかもしれない。

インフォメーションでプリペイドタクシーを頼んで、料金を払い自分の乗るタクシーの番号をもらう。
誤って別のタクシーに乗らないように慎重に自分のナンバーのタクシーを探し乗車した。
タクシーは夜の国道を市内に向けて走っていく。
再びインドの地へ訪れたことへの喜びと、無事にホテルに着くことができるかという不安と緊張感。

タクシーの運転手に親近感を持ってもらおう。
日本から持ってきたお菓子をあげ、片言のヒンディー語で話しかける。
運転手はとつぜん饒舌になり、まだ理解の出来ないヒンディー語で話しかけてくる。
ヒンディー語、英語、日本語、そしてインドの歌まで交えつつ話は続き、車は無事にアシュカ・ヤトリ・ニワースに到着した。

レセプションにはお馴染みのスタッフ。
安心感と嬉しさが増してくる。
連れが先に来ているはずなので同じ部屋をと告げると、日本人は誰もいないとの返事。

私たちは、関西国際空港と成田国際空港からそれぞれデリーに来て、ここのホテルで落ち合う予定だった。
彼は、私よりも4時間も前にインドに到着する飛行機で、当然このホテルへも先に着いているはずなのだ。

「〇〇て名前の人は本当に来なかった?」
「そういう名前の人も来てないし、何より日本人はあなたしかいないよ」

飛行機が遅れているのかもしれない・・・
とりあえずチェックインを済ませ、部屋に荷物を置いてロビーで待つことにした。


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sangeet

音楽と映画とインドな日々

人に逢う旅

2000年のインドの旅の記録。そして、インドで出会った人たちにささげる物語
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