見出し画像

肉体と競争。

大学で活躍したある投手がプロに入り、10年野球をして引退。その人は「10年できたから後悔はない」と言う。

子供の頃からずっと野球だけやってきて、仕事になるのがたったの10年なのか。サッカーも引退する平均年齢は20代だと聞く。山本昌投手や三浦知良選手のように特殊な人もいるが、例外すぎて参考にならない。本当に花火のような人生だ。

そこには、肉体と競争という二つの条件がある。カラダがバリバリ動き、他の選手よりも能力が高く結果が残せる。その時期がとてもシビアに短いのが野球やサッカーなのだろう。

俺が写真を撮り始めたのは、彼らならすでに引退してコーチでもやっているはずの、40歳を過ぎた頃だった。

どんな仕事でも10年はやらないと専門職としては使い物にならないと思っている。だから俺は写真を撮る仕事で言えば、今ようやく30代なのだと言っていい。

年齢的な肉体の衰えが関係ない仕事だから、あとは競争だけ。よく「名刺さえ作ればカメラマンだよ」と言われたりする。免許のない仕事だから自己申告する覚悟さえあればできるという意味だ。

でも何不自由なく暮らせるほど仕事を頼まれるまで行くには大きな距離がある。それが膨大な人数の中で生き残る競争ってこと。

だからこの10年は、20代と同じかそれ以上の熱量で写真を撮り、勉強をしてきた。ここは強調しておきたいんだけど、いい写真を生み出そうとしていたのではなく「いつかいい写真を撮るための筋肉」を鍛える筋トレをしていた。

無駄なことをしないように時間を圧縮する方法はわかっていたので、ほぼ毎日24時間を筋トレに費やして促成栽培のようにやってきた。

江戸時代ならもう寿命なんだろうが、やっと写真を撮る上で客観的な自分の居場所が見えてきたような気がし始めたのが今年のこと。来年からは筋トレを終えたタプタプのボディで写真を撮りまくるつもりなので、皆様よろしくお願いいたします。

定期購読マガジン「Anizine」
https://note.mu/aniwatanabe/m/m27b0f7a7a5cd
定期購読マガジン「写真の部屋」
https://note.mu/aniwatanabe/m/mafe39aeac0ea
定期購読マガジン「博士の普通の愛情」
https://note.mu/aniwatanabe/m/m01e843b3acf9

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。