見出し画像

「やることと、やるべきではないこと」

自分の仕事を発注権のある人に的確に知らしめることが大事だと、イラストレーターのヤギワタルさんがnoteに書いていたけど、それと同じくらい大切なことがあると思っている。

SNSを始めとして自分のことを誰かに知らせる機会は当然だが、「やりたくないことを明確にしておく」ことはなかなかできていないんじゃないだろうか。

あれもできるし、これもやりたい、と仕事の間口を広げておくと多くの仕事が来ると思ったら大間違いで、美味しい天ぷらが食べたいとき、客は寿司も鰻もやっている店ではなく、天ぷらの専門店に行く。

「寿司も鰻もあると看板に書いておけば三倍の客が来るぞ」「さすが店長、頭いいっすね」じゃない。そのアピールは間口を広げたのではなくて、確固とした専門分野がないファミレス的な印象を与えてしまう「損」なのだ。

損とは単価のこと。何でもあるからここでいいかという客は値段が安ければいいという方針の場合が多く、立派な専門店でちゃんとした天ぷらを発注する客とは質が違う。

これが、仕事を頼まれたがひどい扱いを受けたと不満ばかり言う人の「看板の出し方の間違い」で、サービス業では高額を払った客の方が文句を言う確率が低いはずだ。

そこで俺は「やりたくない種類の仕事」をことあるごとにSNSに書いてきた。すると、ああ、この人にこの仕事を頼んでもやってくれないだろうなと思ってくれる。

それは決してネガティブではなく、むしろ条件がいい仕事が発生したときに「これなら頼めるかも」と思い出してくれることになるし、トラブルの要素しかないタイプの仕事を事前にフィルタリングしてくれる効果がある。

100万円のギャラの仕事が9回頼まれなかったとしてもビクビクしなくていい。10個目に1000万円の仕事が来ればつじつまはキッチリ合う。

定期購読マガジン「写真の部屋」
https://note.mu/aniwatanabe/m/mafe39aeac0ea

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。