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商売にはならなかったんですけど。

ある人が、ネットでよく見かける「好きなことをして生きていく」なんていうのに騙されてはいけない、と書いていた。

結論から言えば、それは「自分にはできませんでした」と正直に言い換えて欲しい。個人の体験を大きく語っちゃダメ。

一応そうしてみようと思ってやってみたが無理だった、あんな理由やこんな理由で不可能だった、というのは言い訳にしか聞こえない。好きなことをして生きて行けている人はもちろんラッキーだし努力もしているはずなんだけど、途中までやるのは誰にでもできる。

本当にひとつだけアドバイスをするなら、負けているとわかっても利口な現状分析や市場の動向チェックなんかせずに「勝つまで続けること」だ。

ある野球選手が「野球は9回に終わることが決まっているから、4回まで優勢だったことに意味はない。あと1イニングあれば追いついたのに、なんてこともない。ルールで決められた9回に勝っていた方が勝ちなだけ」と言った。

当たり前のようでいて含蓄のある言葉だ。自分が老人になる時がゴールなのか、今がよければいいのかで戦い方は違う。どこがラスト・イニングか知らない勝負をしていても勝てないのは当然だし。

どんな分野でも一流の人は「続けること」とよく言う。まあそれしかないのだ。ちょっとやりましたけど、という人の体験談を聞くほどヒマな人は多くないし、どうせなら何か素晴らしいことを成し遂げた人に学びたいはず。

ちょっと音楽をかじりました、スポーツで地区予選ベスト8でした、と言いたいのは本人のプライドなんだろうけど、自己紹介の最初に「それが商売にはならなかったんですけど」と必ず言うようにして欲しい。

何度か言っていれば、それがどんなに無価値なモノか自分でわかると思う。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。