「長男くん」
俺は子供の写真を撮るのが好きだ。その前に遊ぶのが好きだ。
分別のある初対面の大人は俺を見て「怖そう」「その筋の人」「アウトレイジ」などのイメージに分別するんだけど、子供は魂を見ることができるので、すぐになついてくれる。
俺の魂は7歳くらいからほぼ成長していない。だから子供は「遊んでくれそうな、こっち側の大人」として見てくれる。
反対に俺も子供の魂を見ることができる。写真の彼は、お母さんを撮影した時に撮った。俺は親が撮られているときに同席した子供がどんな佇まいをしているかを観察している。
「よし、君も撮ろうか」と言ったときにどんな反応をするかも、だいたいわかる。乗り気か、照れるかもわかる。
彼は終始落ち着いていて、堂々とカメラの前に立ってくれるとわかっていた。案の定、これである。意志の強さ、繊細さ、大人っぽさ、俺が望んだものすべてが写っている。
cakesの編集長であり、俺のポートレートの連載を担当してくれている大熊さんの息子さん。大熊さんの素晴らしい家族の話を読んでもらってから、この長男くんの写真をもう一度、見て欲しい。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。