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「Parametric Move 動きをうごかす展 トークセッション」行ってきた

Parametric Move 動きをうごかす展 : http://www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/exhibition/proto2018/index.html

こちらの展示と、「動きのデザイン」というトークセッションに行ってきたのでメモです。

山中俊治先生のイントロダクション

様々なデザインを対象扱ってきたが、今回は動くもののデザイン。
動きのデザインを行うと、最後の微妙なパラメーター調整というのが非常に重要になる。
その、ちょっとした違いで全く印象が変わったりする。
そういった価値観を共有できないか、という思いからの展覧会。

そこで、特にそういった細かな動きへのこだわりの見える、クリエイターの方に来てもらってトークセッションを企画した。

杉原寛さんのプレゼン

山中研究室博士課程2年
「READY TO CRAWL」というタイトルで、3Dプリンターを使ったロボット(生き物)を作っている。

3Dプリンターが世に出てきたが、そのアウトプットは動かない置物ばかりだった。自分は動くものが好きなので、それを題材とした。

最初は、既存の機械の機構をそのまま実現しようとした。
しかし、1回の出力で出てきたものがそのまま動く(後から組み立てたりしない)のを目指したため、くっつかないためのパーツ間の隙間が必要であり、それが動きのガタツキになってしまった。
そこで、動きを作る機構自体から、新しく考えることとした。


藤堂高行さんのプレゼン

視線表現の集大成として作った小型のロボット「SEER」

どのあたりのパラメーターに気をつけたか。
・両目の見る場所が、同じ1点に結ばれるように
・眼球を動かした時の、まぶたの連動

このロボットを作るに至った経緯。
不気味の谷という話があるが、本当にリアルさが高くなることで谷になるのか疑問を持った。
首を動かすと視線も振り回されてしまうなど、目の連動具合の低さが原因になっているのではと考えた。
そこで、首が動いたり対象物が動いたりしても、ちゃんと視点がぶれないように調整をしたロボットをニコニコ学会で出した。

リアルさは感じられたようだったが、怖いというコメントが多かった。
「睨んでる」と言われたが、目指したのは「見つめてる」だった。

まぶたは、力を抜いている状態では、眼球運動によく連動する。一方、にらみつけるなど力が入ると、その連動からは外れた動きになる。
このときは、硬い素材でできていたので、まぶたの連動がなく怖い印象を与えたと考え、まぶたの連動にも力を入れたSEERを次に作った。

ニコニコ学会に出したものは、外見を似せることに頼ってしまったという思いがあり、その反省もあり機械が見えるような状態で、視線をメインの作品とした。

目指しているものの違い

杉原寛さん
具体的な何かを再現しようとしたのではなく、漠然としたやってみたい動きのイメージがあって、それを実現できそうな構造を考える。

藤堂高行さん
人として自然に感じられることの再現を目指している。
一方、筋肉をそのまま再現するといった、構造の再現は目指しておらず、人にどう伝わるかを重要視している。

作り方の違い

杉原寛さん
シミュレーションが完全にできていなくても、出力してトライアンドエラーで作っていく。
動かない屍も量産。

藤堂高行さん
個人の資金でやってることもあり、完成イメージはしっかり固まった状態から作っていく。
調整はするが、作り直しということはなかった。一発で作り切る。

展示について

会場の一番奥で、展示作品の説明ムービーが流れています。
前提知識のある状態で見たいのであれば、これを最初に見てから展示物を見ると良いかと思います。

#デザイン #動きをうごかす展

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