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日米首脳会談の成果は?

今日は先般行われました日米首脳会談、ここで気になったことを解説したいと思います。

日米首脳会談なんですけれども、国賓待遇で岸田総理がアメリカに行ってバイデン大統領とも面会をして、日本にもたくさん映像やその情報が入ってきました。

その中で私は本質的な問題について少し指摘をしたいと思うんですが、今回の日米首脳会談、またその後でた日米首脳の共同声明の一つキーワードは、グローバルパートナー、グローバルなパートナーシップを日米で結んで、その関係を進化させていくということなんですが、このグローバル、文字通り地球全体という意味なんですけれども、今まで例えば様々な分野で日米は協力してきたんですが、こと軍事的な面、安全保障の面で言うと、日本皆さんご存知のとおり、自衛隊は先取防衛、憲法9条ありますから、攻撃された時だけは武力を行使できるということになってますから、おのずとその武力を行使すること、あるいは仮にアメリカと協力するにしても、それは日本の領土・領空・領海、あるいは周辺地域に限定されるというのが、論理の秘訣としてはそうだということだと思います。

これがだんだん広がっていって、例えばホルムズ海峡で船が止められて、それで日本に入ってこなくなると凍死する人が出ると。
だからホルムズ海峡でも武力攻撃を受けたら反撃すると。
あるいはアメリカの艦船が攻撃されたら反撃するのも日本の利益に関わるということで、武力行使が可能だと。
機雷を設置するというような、機雷の設置も武力行使なんですけども、そういったことも可能だということで、地理的にもまたやれることもだんだんだんだん広がっていったと。

今回その中でグローバルなパートナーということは、文字通り地球の裏側まで一緒にやりますっていう話で、かつ今回一番多分ポイントになったのは、米軍と自衛隊の指揮統制の枠組みを向上させるっていう風になっているんです。
何を意味するかというと、指揮統制とはコマンド・アンド・コントロールって言って「2C」とかって言われますけども、要はその部隊の指揮と統制という、それぞれ米軍と自衛隊やってますけども、これが一体化して行うということが、ここに今書き込まれているわけです。
じゃあ米軍の指揮に入るのか。
実は韓国軍は米軍の指揮に入るということになっているんですが、これはある種、自分の国の軍隊を動かす権限は自分で持つっていうのは主権国家としての大切な権能なので、それが他国の軍隊の指揮統制下に入るっていうのは、ある種、韓国なんか逆に取り返したいんです。
自分の国の軍の指揮統制は自分の国でやるっていうことなんですが、朝鮮戦争の経緯もあるので、それは米軍のある種指揮統制下にあると。

日本はもちろん独自に自衛隊の指揮統制っていうのは日本国家が持っているわけですけれども、ただこれが統合する。
何のために枠組みを向上させるかというと、シームレスな作戦能力の統合のため、インテグレーションっていう何を統合するかというと、オペレーションズ&ケイパビリティという、作戦と能力を統合していくということなんで、これ見ると一体的にあるということなんですが、ただこれは官房長官も質問に対して答えてましたけれども、韓国のようにアメリカの指揮統制下に入るというわけではございません。
それぞれが独立してやって、ただその連携を強化していこうということなので、韓国のことにはなりませんということなんですが、ただ事実上アメリカの方が非常に大きな軍隊ですから、ここはインテグレーションということは、それはアメリカと米軍と自衛隊が一体化していくって方向性であることは間違いないと思うんです。

そこで問題が私は出てくるというか、ここできちんと整理をしなければいけない根本的な問題を申し上げたいと思います。
それは憲法上の問題です。
米軍と自衛隊と書きましたけど、米軍は国際法上も国内法上も明確に軍隊です。
米軍って書いてるし。
じゃあ自衛隊はどうかというと、これは奇妙な政府答弁がございまして、一般的にはジュネーブ諸条約上の軍隊に該当すると解される。
一方で自衛隊が通常の観念で考えられる軍隊ではなくて、陸海空軍その他の戦力に当たらないと。
意味がわからないでしょ。
対外的な説明と位置づけと、対内的な説明と位置づけを分けてきたんです。

なんでかというと皆さんもよくご存知の通り、日本国憲法9条2項は、陸海空その他の戦力はこれを保持しないと書いてます。
じゃあその他の陸海空その他の戦力を保持しないと書いてるから、自衛隊は何なんだと言われると、戦力だと言ってしまうと9条2項に反するので、戦力じゃないんですと。
要は警察の延長ですみたいなことでずっと、戦後ずっといろんなごまかしをしながらやってきたんですが、ただその国内で活動がとどまっている時はそういうギリギリ私は奇弁だと思いますが、それ無理な説明でも何とか成り立ってきたんですけども、米軍と一体化してシームレスなインテグレーション。
インテグレーションのために指揮統制まで一致させるということを言ってるんであれば、自衛隊は少なくとも国際法的にも対外的にも対内的にも国内法的にも、軍隊・戦力ということの位置づけをそろそろ明確にしないといけないのではないのかということなんです。

特に第2世界大戦・大東亜戦争もあったので、軍隊ということについての日本人が持つ、ある意味での嫌悪感や危機感というのがあるのは理解します。
理解するんだけれども、ただ法律論の議論しているので、情緒論は少し横に置いた上で、国際法的にも、国内法的にも、自衛隊は軍隊だというにしないと、米軍と指揮統制を一体化してやった時に、例えば外国の敵が攻めてきました、戦争状態になりました。
例えば、一緒にまさに作戦を一緒にやって、同じ指揮統制の下で活動していた米軍と自衛隊が攻撃を受けて捕まって捕虜になりました。
米軍は軍人として、軍隊だから捕虜を保護する規定を受けられるけれども、日本は軍隊じゃなくて何かよくわからない存在だということで、一方捕虜とはならないとか、そういうことになるのはおかしいわけです。
もちろんジュネーブ諸条約上は軍隊だというふうにしているから、捕虜としての保護も受けられるということは受けられますけど、ただそれが一旦国内に帰ってくると、国内での視点で見ると、いやいやあくまで軍隊ではございません、戦力ではございませんというのも、私はそろそろごまかしをやめた方がいいと思うんです。
だからしっかりと議論をすればいいと思いますし、すべき課題だと思います。

ただ残念なのは、私は憲法改正賛成論者なんですが、今自民党やあるいはほぼ同じ内容維新の皆さんも提案している9条改正案は、私は反対なんです。

なんでかというと、「米軍は軍隊では自衛隊軍隊なのか」というと軍隊じゃないということでごまかしてきた、そういう奇弁をやめろ、特に米軍と自衛隊の一体性が高まる中でもそういうことを言えるような状況じゃなくなってきている、にも関わらず、自民党のいわゆる4項目における自衛隊明記論という9条改正案は、改正をしてもなお、その後の自衛隊は軍隊なのか戦力なのか曖昧な状態のままに置かれる改正案になっているんです。
あんまり知られてないんです。
だから、自民党を応援している方、維新応援している方で「9条改正やって、ちゃんと自民党が維新が言ってるんだ」という人はよく中身を見てもらいたいんです。

私たち国民民主党はどういう議論しているかというと、ここをまず明確にすべきだと。
要は国際法上は軍隊だと戦力だということであれば、国内法上も軍隊戦力だというふうにまず認める。
その上でその行使する自衛権の範囲が、この我々が培ってきた育んできた平和主義の観点から、どこまで認めるんだと。
今はいわゆる新三要件ということで3つの要件を満たした範囲だったら武力の行使ができるようになってますが、その範囲をどうするのかという議論をきちんとやるべきではないかと。
この際、総理が日米首脳会談で米軍と自衛隊は指揮統制の枠組みを向上させる、具体的に言うとシームレスな作戦と能力の統合するとこまで踏み込んだわけですから、この戦後、日本憲法ができて以降、曖昧にしてきたこの課題にそろそろ決着をつける、本質的な9条改憲の議論をすべきではないかと思います。

自衛隊というのが軍隊なのか戦力なのか、そこをごまかさずに答えを出すような改憲案を、是非憲法審査会でも議論していきたいと思っています。

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